代表・森川さんへのインタビュー、第2回目は、C Channelの掲げるミッションや描くビジョン、バリューについて、その本質を解説いただきました。
ただ数字があがる動画をつくるのではなく、トレンドをつくり世界を元気にする
-ミッション、ビジョン、バリューについて、創業時のものから進化させた背景は?
当初は「日本を元気にしよう」という想いで事業をスタートして仲間が集まってきましたが、今我々のグループ企業がアジア各国に広がり、アジア各国の現地で働く方が増えていく中で、自然に「世界を元気にしよう」と視野が広がりました。
また、「トレンドを生みだす世界NO.1コミュニケーションメディア」というビジョンについて、現在はメディアの定義もあいまいになってきていますので、我々は「コミュニケーションメディア」と定義をしました。ただ数字があがる動画をつくるというのではなく、私たち自身がトレンドをつくるという、自分たちならではのメッセージを込めてバージョンアップさせました。
-「人と技術の力で 笑顔を作り 世界を元気にする」というミッションについて、そのほか大事にした想いはありますか。
私自身がメディア産業で、ネガティブな情報ばかりを流していると、情報を受け取る人も暗くなり未来が描けなくなってしまうので、「笑顔を作る」ということが非常に重要だと思っています。
また昨今、欧米プラットフォームはテクノロジーオリエンテッドで、技術があれば映像もつくれるというメッセージに寄りがちです。それに対してアジアの良さは、テクノロジーだけでなく一手間かけることや人の思いだと思っているので、「人と技術」と表現しました。
MISSION(ミッション)
人と技術の力で 笑顔を作り 世界を元気にする
VISION(ビジョン)
トレンドを生み出す世界No.1コミュニケーションメディア
-ビジョンに掲げる「トレンドを生み出す世界No.1コミュニケーションメディア」について、森川さんの考える「No.1」とは?
理想は世界で一番見られている、使われているメディアです。
まだアジアでしか展開していないので、まだまだですが、ゆくゆくは世界中で展開したいと考えています。
毎日見たくなる動画に求められる価値とは?をもっと追求したい
-C Channel 5つのバリューの中で社内によく浸透していると思われるもの、逆に今後強化したいものを教えてください
VALUE(バリュー)
SPEED / USER / GOAL / ACTION / RESPECT
いま一番浸透していると感じるのは「USER(ユーザー)」ですかね、こういった会社に入る方は、お金を儲けたいというよりも、いいものをつくってユーザーに届けたいという想いが強いと思います。
これから浸透したいのは「SPEED(スピード)」です。変化が早い時代はスピードが重要ですが、いいものをつくりたいと考え込み、しっかりつくりこむことによって最近遅くなっていることが気になっています。
たとえばファストフードや、ファストファッションは“早さ”が求められている価値であるように、私たちも早さを価値としていることをクリエイターも認識する必要があると思います。
若い世代の女性は、飽きたり、気持ちが変わったりするので、それを超える提案力が重要です。データを見たり、ユーザーアンケートを取るだけでは、後追いです。「その先」を早く提案していくことがトレンドを生み出すことですから。
-ユーザーに期待される早さと質を両立するということでしょうか。
質にもいろいろ定義があります。
座ってナイフとフォークでじっくり食べるハンバーガー屋さんと、手軽に食べるマクドナルドとは、同じハンバーガーでも求められる質が違います。じゃあ、どっちに毎日行きますか、というとマクドナルドには毎日行けるかもしれない。
映像の世界では、たとえば映画は、どちらかというと毎日は行かないけどしっかりじっくり食べるという方に近く、テレビは、毎日でも食べられるようなマクドナルドに近く、もっと身近なのがSNSだと思います。
それだけ毎日、日常で見たくなる動画の価値とは何かを考えて具現化する必要があると思っています。
多様性を強みにするためには、リスペクトして率直なコミュニケーションがカギ
-バリューの中の、「RESPECT(リスペクト)」について、あまり他社で多くないキーワードという印象ですが。
われわれの会社は、色々な国籍や経験を持った人が急激に集まった組織というのが背景にあります。日本では、自分と考えが同じ人と仕事をすることが多いので、全く考えや価値観が違う人と出会ったときに、排除しがちな傾向があります。
僕たちは、せっかく考えや価値観が違う人がいるなら、それを強みに変えないといけません。だから多様性を強みにする考え方として、リスペクトするという価値観を大事にしています。
-森川さんは多様性がある組織のマネジメントでどのような工夫をされていますか?
前職は部下の多くが外国籍でしたから、まずは率直に話すことを大事にしていましたね。日本人は遠回しに話しがちですが、それでは相手が理解できないこともあります。
また一方で、女性が多いと率直に話すと泣かれることもありますから(苦笑)。率直であることに、さじ加減も必要です。 コミュニケーションの仕方は重要で、同時に難しい領域ですね。
※最終回は、挑戦をし続けるための考え方、誰に対してもフラットだと驚かれる森川さんの姿勢についてお聞きします。:第3回(最終回)はこちら