【インタビュー】~BESSの家 健康宣言~ BESSの商品開発を支える商品開発部の社員・役員に、BESSの家について語ってもらいました
皆さん、こんにちは。株式会社アールシーコアです。
今回は商品開発部に所属する加藤さん、井谷さん、平さんに、「BESS の家 健康宣言(※)」をもとに、BESSの商品開発について大いに語ってもらいました。ぜひ、最後までご覧ください。
※BESSの家 健康宣言とは?
BESSのブランドミッションである「ユーザー・ハピネス」の実現、その軸に「健康」を据え、WHOの3つの観点をBESS流に展開させて、BESS的な暮らしに沿った宣言として掲げたものです。
人と心と身体の健康、そして環境の健康-BESS事業の基礎でもあり、指針でもあります。
※左から井谷、加藤、平
加藤 晴久
取締役 商品開発部責任者
2016 年 中途入社
商品の開発〜品質管理にいたるまで、BESS の家について幅広く管掌。
平 峻一郎
商品開発部 技術開発セクションリーダー
2011 年 新卒入社
現場の施工管理などを経て、技術開発セクションへ。 BESS 商品の技術的な開発業務(構造・断熱・仕様・コストダウンなど)を担当。
井谷 真由美
商品開発部 技術開発所属
2014 年 中途入社
大学から木質材料(木材)への造詣が深く、現在は主に外壁塗料の開発に従事し、長く安心して住める家の実現を目指す。
対談の様子をまずは動画でご覧ください。
はじめに、アールシーコアに入社したきっかけを教えてください。
加藤:前職は住宅メーカーで鉄骨戸建住宅の商品開発に携わっていましたが、天然の無垢材を外装材として現しで使用し、企画・規格型住宅に拘ったデザイン性の高いBESSの個性的な木の家に惹かれたことが、入社を決めた大きな理由の1つになります。
井谷:前職でも木材を専門に扱う会社に所属して技術開発をしており、元々木造住宅に興味関心がありました。そこでBESSに出会い、木材をふんだんに使用して住宅を造るという点に、専門的に見ても感動があり、面白いことが出来そうだと思ったため、入社を決めました。
平:建築系の大学に進学しており、歴史的建造物や住み継がれる町の研究をしていました。そんな時にアールシーコアを知り、自身の研究していたコンセプトとBESSの価値観に近しいものを感じて入社を決めました。
健康宣言の一つ目、「社会責任」を果たすという項目において、「余計なものはつくらない。」「長く住み継がれる家をめざします。」とありますが、商品の開発においては具体的にどのような点を意識していますか?
平:BESSの家の大きな特徴の一つとして、ベーシックで個性的な企画型住宅ということが挙げられます。ベーシックと個性的って一見相反する言葉ですが、これを両立するような設計を目指しています。ベーシックとは例えば建物やフォルム等に過度な装飾をしないこと、間取りも含めて、できるだけ普遍的なものになるように目指しているということです。それでいて、どこか目を引くような個性的なデザインということが特徴です。
こうしたBESSの家のコンセプトを具現化しながら、その絶妙なバランスを商品開発部として突き詰めています。家族構成であったり、暮らし方は実際に住むユーザーによって変化していくものですので、購入時の一時のために設計するのではなくて、できるだけシンプルで普遍的なデザインであったり、プランニングを行うことを目指しています。
加藤:我々はプロダクトアウトを行っています。一般的な住宅メーカーは顧客の要望を聞いて、それに合わせて設計をしますが、当社は住宅のプロとして家というものを追求し、それらの考え方を企画・規格型住宅として、顧客に提供していくといったやり方にこだわっています。
~デザイン耐久性が高く、自然材をふんだんに使った愛着の持てる家~
加藤:特に大事にしているのがデザインです。デザイン耐久性と呼んでいます。それは長く使うためにとても重要な要素であり、飽きの来ない家とも言えます。木の良さは時間の経過と共に増していきますので、やはりずっと使っていくこと、お手入れしながら使い続けることがとても大切です。
当社はログハウスの提供を30年間以上行っており、長くユーザーに住んでいただくためにも、飽きの来ないデザインにこだわりをもっています。
~ユーザーサポートとメンテナンスシステムで長く使い続けられる仕組み~
井谷:そういったBESSでの暮らしを長く楽しんでいただくためには、ハードとしてもやっぱり長く使い続けられなければいけないと考えており、当社ではBESSユーザーサポートシステムというものを確立しています。
専門スタッフによる定期診断や、将来のメンテナンスに向けた資金を積み立てる制度、「我が家のカルテ」という工事や点検の履歴を記録できる仕組み等、長く快適に暮らし続けるためのサポートを長期的に行っています。
少し話が変わりますが、当社ではもともと欧州材やカナダ材といった輸入材を比較的多く使ってきていましたが、数年前より国産の杉材をログハウスに使用しています。
日本には豊かな森林資源がありながら、木材を有効活用出来ていないという課題が長年ありますので、木材の有効利用という点で、当社は貢献をしていきたいと考えています。地球温暖化ということを考えますと、CO2の削減というものも企業の社会的責任としてありますので、日本の未来を考えた取組みとして、国産材の活用を進めて行きます。
2つ目の項目、「心の健康」という面において、家を便利にし過ぎないとは、どういったことでしょうか?
加藤:現在、多くの住宅メーカーはメンテナンスフリーを売りにしていますが、当社の場合は全く逆です。自然材である木をふんだんに使っていますので、適切なメンテナンスが必要です。ユーザーのお手入れが前提となりますので、やることが増えます。
ただ、それは家と思い切り向き合って暮らすことになるので、メンテナンスフリーの住宅ではできない経験が出来るのです。ユーザーにとっては大変かもしれませんが、家族と一緒に家が成長していく、という思いで楽しんでいる方が多いです。
例えば薪ストーブです。BESSユーザーは薪ストーブの採用率が高く、全体でも5割以上の方が導入しています。スイッチ一つで暖が取れるものでもないですし、薪を用意して乾燥させることを含めると、1年中やることがあります。つまり手を掛けて、ようやく暖を取れるということになりますが、その手間を超える魅力―火と共に過ごす時間の充実があります。こういった達成感や充実感を感じることが、日々の幸せにつながっていくのではないかと考えています。
~BESSから生まれるコミュニティ~
加藤:BESSの家に住まわれているユーザーは手を掛けて家を育てるという感覚があって、同じ価値観を持ったユーザーが多いですね。そして、家の自慢ではなく暮らし自慢をしたくて、それを披露する場として作られたのが当社のLOGWAYコーチャー制度です。
ユーザーがコミュニティーを作って、LOGWAY(展示場)に実際に集まって、これからBESSの家を検討していく顧客に、BESSの良い点悪い点、こんなところが大変だよといったところを伝えてくれるんです。
これは普通のハウスメーカーでは絶対に考えられない事ですが、当社ではコーチャーという仕組みを作ったことで、BESSに住んでいるユーザーが目的を持ってLOGWAY(展示場)に遊びに来ることが出来るんです。そんな人たち同士が仲間になり、BESSの暮らしを考えている人に熱心にアドバイスしてくれるなど、どんどん繋がりが増えていくんです。これって人間は本来繋がりたいという気持ちがあるはずですから、そういった意味でも、心の健康を保つきっかけ作りが出来ているのではないかと考えています。
井谷:実はコーチャーは全くのボランティアでして、有志で本当にやりたいっていう方が入っていただいているので、当社の大きな宝だと思います。
3つ目「身体の健康」については、自然との調和のために心がけていることはどのようなことがありますか?
~自然材(無垢の木)に囲まれた家~
井谷:少しハード(材料)の話になってしまいますが、自然材に囲まれている、つまり木を多く使うところには気をつけています。実はログハウスは一般的な木造住宅の約3倍木材を使用しており、大体50本ぐらいの木に囲まれて暮らしているということになります。そんな住宅だからこそ、木材の持っている体感快適性や、湿気が多いときには吸ってくれて、乾燥したときは放湿しくれるような機能を感じながら生活ができます。俗に言う、森林浴に近いようなリラックス効果、自律神経が安定したりする作用は自然と体の健康につながっているのかなと思います。
~安心・安全のため、ますます厳しくなる環境や法令に挑戦~
加藤:木材には色々な機能や効果がありますが、実際に住宅の壁や外装材として現わしで使用していますので、法的なハードルが結構高いんです。ただそこは仕方ないとあきらめるのではなく、何とかクリアできないかということにも挑戦してきています。
断熱や耐震性もそうです。特に今は省エネですね。
CO2削減に向けて、省エネルギー住宅に対する社会的な要請が高まる中、当社では木の持つ本来の良さに着目し、井谷が言ったような快適性といった別の評価指標を持って取り組んでいます。
ここについては、今後大学の先生や公的な研究機関と研究を進めて、そういった評価指標、木が本来持っている良さを、建物の性能に入れられないかについて、これから取り組んでいこうと考えています。少し長いスパンになりますが、5年後を目途に何らかの成果物が出来たら良いなと考えています。
井谷:そういった快適性などの木材の感覚的な評価は、主観的な評価で数値ではどうしても表しにくい分野なんですね。ですから、そこをどうにか客観的に数値化できないかと考えています。業界でも新しい分野で日々進化しているので、最先端技術を使ったデータでも皆が納得のいく結果を示したいですね。
他にも木材の防音効果や防臭効果、静電気が発生しにくいので埃が立ちにくい点などは、暮らしの中で実感できる木材の良さだと思います。
平:風邪をひかなくなったとも聞きます。免疫力が高くなるとか。
井谷:森林浴のフィトンチッドにもそういう抗菌作用はありますね。
平:実際、鉄筋コンクリート造の学校と木造の学校では、木造の方がインフルエンザによる学級閉鎖数が少ないという研究データもあります。そういったデータを積み上げることで、技術的にも効果を裏付けたいですね。難しいですが、やっていきたいです。
BESSの家の入居者アンケートで、よく「一目惚れ」とか「以前から憧れ」というワードが出てくるとお聞きしましたが、なぜだと考えていますか?
加藤:BESSの家のコンセプトとして、人間の本質まで突き詰めているからだと考えています。私たちは新しい商品などを検討する中で、「人間の本質とは」とか、「日本人とは?」といった観点で議論をします。物事の本質まで突き詰めて、この商品はこういうコンセプトでいこうと決めているんです。
その結果、人間の潜在的にあるものに働きかけて、自然と見た人の心を動かしているのではないかと思っています。なかなかちゃんと表現できませんが、そういう部分があると私は考えています。そう思わない?
井谷:いや、あると思いますね、すごく。直感的・感覚的にいいなと私たちも思っているところですよね。
平:だからこそ、住んでからも飽きが来ないというか、何年経っても新鮮に感じるっていうコメントも結構多かったりするので、そういう部分はやっぱり本質を考えているからこそではないかなと思います。
~その中でも大切にしている事~
井谷:私たちは日本人なのでルーツを考えると、先祖は森の中で住んで自然の中で暮らしていたというのがあると思うんですね。世界には様々な場所があると思いますが、日本は特に国土の約3分の2が森林ですから、自然と調和した中で暮らしていきたいというのが本能的だと考えています。
日本人のDNAと呼んでいるんですけど、自然との調和という意味でも、木材をふんだんに使った家というのに行き着きますね。
加藤:ですから、直感的に木を使っていると分かることは大切です。例えば木目です。木目がちゃんと見えて、かつ耐久性も必要なので、仕上げ方法や塗料にはこだわりをもっています。
井谷:感性と性能の両立と言いますか、他社ではあるようでないと思っています。例えば塗料ひとつとって見ても、室内で言えば、耐久性だけを考えるとウレタンなどの塗膜がしっかりあるものの方が丈夫です。でもその反面、木材の調湿機能をちょっと弱めてしまうようなところもあるんですね。その木の呼吸をちょっと止めてしまうというのもあるので、あえて含浸と呼ばれる膜を張らないタイプの塗料を使います。含侵を使うもう1つの理由として、丈夫なウレタンなどに比べると、塗膜が無い分、経年の変化を感じやすいんです。自分が過ごしてきた時間が、家の壁とか床の変化という形になって目に見えて感じられるところをとても大切にしていて、それは木材ならではだと思います。
加藤:だから愛着も湧きますし、自然材だからこそ、手を掛けていくことが大事なんです。
~BESSでのメンテナンスは楽しむもの~
井谷:やっぱり木を多く使っているで、水があるところは弱くなっちゃうんですね。それを防ぐために塗装をするのですが、それを専門業者がやるという方法ももちろんあるんですけど、ユーザー自身でセルフメンテナンスをしてもらって、逆にそのお手入れをイベント化して楽しんでもらうという発想をしています。
例えばウッドデッキもそうなのですが、歩くことによる摩擦が多いところなので、塗装は1年に1回やる必要があります。ゴールデンウイークに暖かくなってきて、季節が良くなってきたところで、自分で塗料を買って用意して、昼間は家族みんなで塗装して、防腐スプレーも噴いて、終わったらバーベキューをして楽しく一日過ごしてもらう。それを毎年繰り返して、セルフメンテナンスを楽しい家族の好例イベントにすることをおすすめしています。
実際、そうしている方も多いです。家族のイベントとして捉え、苦じゃなくて、楽しくやっていただけています。デッキも年々変わってきて味が出てきました、子どもも塗装の腕が上がりました、という報告をいただいたりするのが嬉しくて、本当にBESSの醍醐味だと思いますね。そういった仕掛けを、今後もどんどん作っていきたいです。
平:オリジナルになりますよね。
加藤:なるね。間違いない。
平:だから大事な物になると思うんですね。それが愛着だと思うんですけど、すごく大事なことだなって思っています。
加藤:よく話をしていますが、同じものをもう一回建てようとしても、たぶんできないと思います。その時期に合った天然の木をふんだんに使っていますので、その時に建てた家は他にはない唯一のモノになります。
それらを踏まえて、皆さんの仕事するうえでのやりがいや面白いなと思えるような点を教えてください。
加藤:商品開発部として、いかにソフトをハードで実現出来るかというところが我々のミッションでもありますし、難しいところでもあります。その壁に立ち向かっていく挑戦にやりがいを感じています。
BESSの家の価値を形にする上で、日本人とは、人間とはまで突き詰めているので、間違いなくそれが広がっていけば、日本の未来は明るい!と考えてやっています。
このようなことは個人ではなかなか出来ることではありませんが、会社という組織を通して実現出来るという事は、非常に意味があると思っています。
井谷:新築に対しての木材の塗装は、技術的にも確立してきていますが、どういう風に再塗装を重ねていったらどれぐらいもつかについては、まだまだ分かっていないところも多いです。
ここまで木材をふんだんに使用した住宅を建築して、かつ長く使ってもらおうとしているメーカーはなかなか無いので、当社で業界をリードしていかなくてはいけないという思いがあり、技術的にもすごくチャレンジングなことをしているなと感じています。
自分だけじゃなく、塗料メーカーや公的な研究機関と一緒になって新しいことにチャレンジしてできたものが、顧客の幸せにつながればという思いでやっています。
平:やはり木材にこだわり木材を突き詰めている分、世の中に前例が無いことが多いので、大手ハウスメーカー以上の色々なことを考えて解決しなければいけない問題が多いです。それが解決したときにはやりがいは大きいですね。
加藤:こんなことをやりたいって言ったら、どんどんやっていける会社だよね。
平:自分の意思次第で、仕事の幅が広げられるっていうのは特徴的な会社かなと思います。
加藤:そこは本当に感じますね。やっぱり一般的なというか、大きな会社だとルールや役割の範囲が明確に決まっているので難しいと思いますが、当社の場合逆に少ない人数で成果を上げていくという社風ですので、色々とチャレンジできます。上司とか周りが思いつかなかったことまでやってしまえるということも、非常にやりがいになっていると思います。
最後にどんな方と一緒に働きたいかについて教えてください。
平:まずはコンセプトもそうですが、BESSの家に共感してくださる方が一番かなというのはあります。その上で素直に学んで勉強できる方、あとはやっぱり自分の意思を持って仕事の幅を広げていってくれる方がいいかなと思います。
井谷:類は友を呼ぶという言葉がありますが、BESSの家に共感していただける方、あとはやりたいことがある方、ぜひお会いしたいです。
加藤:2人が言った通りです。例えば法律がおかしければ変えようぐらいのことを考える会社ですから、やっぱりチャレンジ精神ですね。やってやるぞっていう人に、ぜひ来てほしいなと思います。
いかがでしたか?
BESSの商品に込められた思いや開発現場の裏側など、少しでもお伝えできたのなら幸いです。
アールシーコアでは当社やBESS事業に共感し、ともに成長をしていきたいという方を歓迎します。
(LOGWAY(展示場)への来場も大歓迎です。是非一度、BESSの世界観を“体感”してみてください!)
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