今回は創業から約36年間、代表の二木(ふたぎ)と共に会社の成長を牽引し続けてきた常務取締役の谷秋子のインタビュー後編をお届けします。
「36年間で最も印象的なプロジェクト」「感性を重視して経営できている秘訣」
読んでいただければ、BESSの家やアールシーコアという会社に興味を持っていただけるかと思います。
是非ご一読ください。(前編はこちら)
<Profile>
谷 秋子(たに あきこ)
常務取締役/1979年4月に世界的な評価を得るファブリックメーカー、株式会社フジエテキスタイル入社。1985年5月に株式会社アールシーコアの創業に参画。商品開発部責任者、BI(ブランドイメージ)本部責任者等を経て、2012年4月に現任の常務取締役に就任。
事業を伸ばすこと、未来にバトンをつなぐこと
―創業から現在までに関わってきた数々のプロジェクトの中で印象に残っているものを教えて下さい。
一つを選ぶことはすごく難しいですね(笑)
面白いことも難しいことも本当にたくさんありました。山中湖でのフェザント事業、カナダでの子会社設立、BESS街区を始めたこと、全国の展示場を「暮らしを体感する場」として作り上げてきたことなど。
その中で一つを選ぶのならば、今年4月にオープンしたBESS MAGMAだと思います。
事業以上に、社会のこと、世界のこと、未来のことを考えながら作ってきました。これまで経験してきた、事業展開のプロジェクトとはちょっと違うプロジェクトです。
―「未来に繋いでいく」というお話ですが、具体的に何を繋げていきたいのでしょうか?
利便性や合理性に偏重しすぎている社会の中で、「でも、それだけじゃないのでは」ということを伝えていきたいですね。もちろん、合理性はビジネスにおいてすごく大切な要素です。でも、追い求めすぎることで失われている価値、残念な状態になってしまっていることは本当にたくさんある。当社では「BALANCISM(バランシズム)」という言葉で表現しています。
小さな一企業なのでどこまでできるのかわからないですが、MAGMAという場所を、感性が刺激される場に、大切なコトを想う場にしていきたいですね。
―感性を大切に会社を経営することはとても難しいことのように感じます。アールシーコアは何故それができるのでしょうか?
まずは社長の二木が持つ強いリーダーシップです。
次にルーツです。私たちのスタートは別荘でログハウスでした。いわゆる住宅の常識を持たずにスタートしているわけです。機能性を提供価値の中心に据えずに、人が気持ちよく暮らす時間そのものを提供価値と定義しているので、感性を大切にすることは必然です。
ウッドデッキがあって外と繋がっている暮らし、三角屋根の天窓から星が見える夜、風を感じる日常。自宅中心の住宅事業の商品展開にも強く反映させることができています。性能競争で鎬を削る道には進まずに、自分達らしく独自の道を進んでいくことを大切にやってきています。
最後はお客様自身の変化です。36年もやっていると、お客様自身の感性が明らかに変化してきていることを感じます。
「機能」で選ぶモノ的なログハウスファンから、「暮らし」を軸に感性で選んでいただけるファンが増えてきました。単にモノを見せるのではなくて、環境を感じてもらう私たちの提案が徐々にレベルアップしてきたこともあって、仕掛けに対する手応えを年々力強く感じられるようになってきました。
感性マーケティングの原点
ーLOGWAYコーチャーもすごく先進的でユニークな取り組みですよね。
そうですね。LOGWAYコーチャーに関しては、社内でも私自身も含めちょっと無謀ではないかと思った施策でした(笑)営業現場でも本当に驚いていましたね。
今BESSの家に住んでくださっている方々が、これから住もうかと検討いただいている方々と、直接コミュニケーションをする取り組みですので、営業が全く間に入らないことが怖いですよね、初めは。例えば、マンションに住んでいて少し不便なところに住み替えるハードルの高さに対して、実際どうなのかということについて、コーチャーがご自身の経験をお話して下さる。家を売りたいという前提を排除して、本当に率直な感想を伝えてくださるわけです。
先見の明がある営業責任者は全く心配していませんでしたが、現場としてはハラハラ・ドキドキしていましたね。でも結果的には大成功で、今は全国に約1,500組近いコーチャーに登録していただいています。コーチャーが自らの楽しい暮らしを、BESSの家を検討している顧客に話してくれる。そうしてBESSのユーザーになってくれた方が今度はコーチャーになり、次のBESSユーザーを生んでくれる。本当に良いサイクルがLOGWAYに生まれています。
昨年からのコロナ禍に対応したやり方に変えていかなければということもあり、コーチャーの皆さんに参加いただくオンライン懇親会なども始めています。先日も開催したのですが、全国40か所を繋いで、およそ400組の方々にご参加いただけました。ご家族皆さんで参加していただくことも多いので、大勢の方にご参加いただいています。
―BESSの家一軒一軒がメディアのような役割も果たしているということですよね。ちなみに感性を大切にするという価値観は創業前から明確だったのですか?それともログハウスと出会ったからなのでしょうか?
「ポスト情報、意識の時代」という社内でのワードがあります。ちょうど30数年前ですと、情報化時代に向かっていくというようなことが言われ始めたタイミングでした。
では、その先は何だろうかと二木が考え始めたわけなんです。よく「唯物論 唯心論」と表現されることもありますが、モノで終わるのではなくて、やっぱり人間が関わって人間がどういう価値をそこに感じながら過ごせるか。仮に事業が住宅事業ではなかったとしても、そういう価値を探していったと思います。
ログハウスをやったから見出せたものではないなと思います。今振り返ると、実はログハウス以外にやりかけて中断した事業も創業後にはあるのですが、その事業も刹那的な楽しさではなくて、本質的な楽しさを感じるような事業をやろうとしていましたので、元々持っていたものだと思います。
創業から36年。今大切にすべきこと
―谷さんは取締役として二木社長を支え、その考え方を社内に伝播させていく役割を担っているかと思います。何か工夫していることはありますか?
そもそも二木自身が考え方を共有することを大事にしています。言葉にしてしっかりと表現します。経営理念ももちろんその一つですし。
取り組みの一例としては、考え方がきちんと伝わる場として、月1回全社員を集めて全体会議をやっています。創業後の小さな会社の頃から現在に至るまで、ずっとやり続けていますね。今は全社員が集まることができませんので、オンラインツールなども利用して開催しています。
全体会議では毎月二木からの講話があるわけではないのですが、テーマを持って話す内容を決めています。色々な出来事に対して「アールシーコアという会社してはこう捉えるよ」という話であったり、事業に引き付けて、時代の変化をどう見ているのかというような話です。
もちろん利益を上げていかなければなりませんので、考え方だけではなく実績の共有もありますし、新しいチャレンジの共有などもしています。新しいことをドンドンやってきている会社ですから。
こうした社員との情報共有は、創業時から力を入れてやってきました。
―これまでの36年間は創業者という強いリーダーを中心に独自の価値を社会に提供し続けてきました。一方で、この先は組織としてそれを実現する必要があるように感じます。谷さんはどう考えますか?
たしかに二木の強いリーダーシップがあり、会社の成長を牽引してきたことは間違いありません。コンセプトワークもそもそもの発想は二木が行うことが多かったですが、チームで答えを見つけ出していくやり方にもこだわってきました。
眇々(びょうびょう)研究会という、テーマを決めてひたすら深掘りをする研究会がありまして。発足して20年以上になります。月1回ディスカッションを行う取り組みで、座長は二木で私やブランド開発のメンバー、マーケティングのメンバー、外部のクリエイターなど、テーマに応じて様々なメンバーが参加します。20年以上とにかく議論し続けています。
議論のテーマは商品開発に直接的に関わるものだけではありません。例えば、「家の中と外を繋げることってどういうことなの?」というテーマを立てて、そのテーマをみんなで考えていくわけです。「中と外を繋げるには軒下が大事だ。」とか、「その曖昧さが日本的な良さだし、そういう感覚を大切にしたい。」という意見が出ます。このような形で、チームとして「答えの無い問い」に向き合って、自分たちなりの答えを探求するプロセスが仕組みとしてあります。
実はMAGMAもこの研究会でコンセプトワークを行ったプロジェクトです。
―最後の質問です。この先の5年10年を見据えて、どんな方と一緒に働きたいですか?
私たちは「万年創業」ということを掲げています。
36年も経っていますが、会社を創っていくことを面白がれる人。感性があってやりたがりの人と一緒に仕事がしたいですね。
「求む有志」という看板を本社の入り口にもここ MAGMAにも立てていますが、その看板に書いてあることに共感いただける方にはすごく楽しめる会社だと思います。
おかげさまで年々ブランドの認知も拡がり、BESSに共感してくださる方が増えています。それに伴い、業務の質・量、そしてBESSファンに対する責任も増してきます。それに応えるために、まだまだ当社も人が足りていませんので、我こそはと思う方は是非ご応募ください。
いかがでしたか?
谷も話していましたが、私たちアールシーコアでは共に会社を育てる有志を探しています。
谷のインタビューを見て、少しでも心がワクワクした方、楽しそうだなと思ってくださった方。
是非一度お話ししましょう!
上記のリクルーティングサイトからご応募いただけますので、興味をお持ちいただけた方は是非ご応募ください。
※Instagramもやっています。
株式会社アールシーコアでは一緒に働く仲間を募集しています