色々なことに挑戦したい、一つのことを極めたい、子育てと仕事を両立したい…など「仕事」に対する考え方は様々。あなたはこれからどのようなキャリアを描いていきたいですか?
今回のテーマは、個々のステップに合わせた「キャリアチェンジ」。
人事部から新規事業、そして現在は子育てと仕事を両立しながらサービス開発部にて在宅ワークで働く武藤さんにお話を伺いました。
前例のない環境が「自分事」として向き合うきっかけに
――武藤さんの経歴を教えてください。
2006年に入社、新卒で人事部配属になりました。一度他の事業部を経験した後に、当時グループ会社であるパソナグループ内でキャリア教育支援の一環として実施していた「キャリア・エクスチェンジ制度」でパソナグループの人事部に1年という期限付きで出向を経験しました。 その後、人事部にて採用から制度設計まで担当。
そして2014年、結婚と同時に新規事業に挑戦しました。産休を経て、現在はサービス開発部で在宅ワークを行い、週に一度だけ出社しています。
※サービス開発部はBenefitStation上の会員向け優待特典やサービスの企画仕入れを行う部隊です
――新卒入社後の人事部配属はご自分の希望だったのでしょうか。
いえ、私はもともと営業を希望していました。私の入社当時、社員数が400名ほどの企業規模で、かつ新卒で管理部門への配属は珍しかったのですが、そのおかげで学べたことが多くあります。
――新卒で人事部配属になり、苦労した点と良かった点を教えてください。
苦労した点は大きく2つあります。
1つ目は、新卒採用担当として自分ひとりで行動することが多々あったことです。
私は人事部配属初の新卒社員で、年齢の近い先輩が少ない環境に加え、新卒採用担当の専任は当時私だけでした。そのため、自分のやっていることは正しいのか、悩んだ時にどうしたらいいのか、判断に困ることもありました。
2つ目はゼロからの採用活動です。
当時は新卒採用向けのいわゆるマス媒体には採用情報の掲載はしておらず、グループ会社であるパソナの選考を受けた学生の一部が当社に流れてくる状況でした。前例がほとんどない中で、沢山の学生に振り向いてもらうにはどのような採用活動をすれば良いのか、日々葛藤していたのを覚えています。
良かった点は、苦労した点とつながっていますが、良い意味で自分の判断で仕事に取り組む機会をいただけたことです。入社当初から「自分事」として仕事に向き合う姿勢を作ることができたことは、その後の私のキャリアの土台となりました。
――人事のキャリアの中で、ご自分の成長につながった具体的なエピソードがあれば教えてください。
1年という期限付きで、パソナグループの人事を経験させていただいたことです。
グループ会社とは言え全く異なる組織だったので、当たり前ですが自社のやり方だけがすべてではないということを知り、視野が広がりました。
私はまだ、目の前の仕事で精一杯だった時に、豊富な知識を活かして受け身ではなく戦略的に仕事に取り組む方々と出会い、自分の知識の少なさを改めて痛感しました。
そして、私も先輩方のようになりたいと目標像ができたのです。
その後、私は自分の仕事に少し余裕が持てるようになると、あえて外部に人脈を作ることを心掛けてみました。グループ会社の出向で色々な組織での経験や意見を交わしたりすることが、とても勉強になり自分の仕事に役立つことを学んでいたので積極的にそういう場には参加するようにしてました。また、純粋に仕事についてわかる人たちと話すのは楽しく、今もなお交流がある人もいるので、色々なところに「仲間」を作り情報交換をすることは働く上で大切なことだと思います。
今しかない!新規事業で事業作りの楽しさを知る
――新規事業にチャレンジしようと思ったきっかけは何ですか。
人事部で案内を出していた「オープンポジション制度」で新規事業に関する募集に興味を持ったのがきっかけです。
※「オープンポジション制度」は、会社が募集するポジションを社内に公開し、そのポジションに興味を持った社員が立候補できるという仕組みです。
当社は事業会社なので、「事業部門に携わりたい」という気持ちは常に持っていました。ゼロからの採用や、社内制度を作る人事の仕事の中で「ないものを作る楽しさ」を感じてはいたものの、当時私は結婚したばかりであったこともあり、将来の出産や子育てを考えると、「チャレンジするなら今しかない!」という気持ちが背中を押してくれました。
――実際に新規事業にチャレンジしてみていかがでしたか。
私がチャレンジした新規事業は、とある宿泊施設の運営責任者で、実際にお客様と接する機会が多い仕事でした。
運営といっても何のマニュアルもない状況からのスタートだったので、前例がない難しさはありましたが、まずは自分が現場で動きマニュアルを作り上げ、オペレーションを改善していくといったことを大切にしました。
人事部で働いてきた中で、若いうちから「自分事」として仕事に向き合ってきた経験が活きた瞬間でした。
苦労したことは多々ありましたが、分業だと感じづらい「自分が作った仕事」という達成感は、今でも忘れません。
――その後、サービス開発部へと異動されていますが、管理部門から事業部門へと異動してみて感じたことはありますか。
まず管理部門では大所帯で動くことが少なく、会社の枠組やルールを作ることが仕事です。しかし事業部門へ異動すると、枠組みやルールの中をチームで動くので、そのこと自体が非常に新鮮でした。加えて、私はチーム長としてチーム員をマネジメントする立場になったため、部署の目標から、チームの目標へ、そしてチームの目標をどのようにチーム員ひとりひとりの目標や業務へとブレイクダウンしていけばよいか試行錯誤しつつも、自分の裁量で進めていくことにやりがいを感じていました。
ライフステージに合わせた挑戦の仕方がある
――お子さんができてから、働き方や働くことに対する考え方に変化はありましたか
働き方も考え方も、かなり変わったと思います。私はもともと仕事を1番優先して生活していました。しかし子供ができてみると、想像以上に子供に生活を左右されることが多くて…。今まで自由に使っていた「時間」が当たり前ではなくなり、限られた「時間」の中で今まで通りの働き方は難しいことを痛感しました。
そんな時、個々の状況に合わせた働き方として、限られた「時間」でも最大限に成果が出せる仕事に切り替えてもらい、在宅ワークで働かせていただくことになりました。ライフステージに合わせて働き続けられることはありがたいことです。
――在宅ワークに取り組んでみていかがですか?
周りの理解や協力もありますし、インフラ整備もされていて、不便なく仕事ができています。子育てをしている中でも、何かあった時にすぐに子供を迎えに行けるなど在宅ワークで助かった瞬間が何度もあります。
当社は個々のステップに合わせて働き方を一緒に考えてくれる会社であり、日々感謝しています。
また、当社では在宅ワークは決して特殊なことではありません。在宅ワーク仲間との交流もあるので、育児の悩みの共有もでき、安心して仕事に取り組める環境があります。
また、ビジネス的な観点からいうと、「育児」ジャンルのサービスに携わっているので、働くママさんたちのリアルな声がサービス開発を行う上でとても活きてきます。
――今後あったらいいなと思う制度や、雰囲気等、現在の当社に求めることはありますか。
育児や休暇の制度は既に充実し利用者数も多いです。しかし、社員一人ひとりの挑戦を実現することができるその他の制度については、もっともっと積極的に活用していく風土が広がれば良いなと思います。
当社はちょっとしたアイデアであっても、「挑戦してみなさい!」と受け入れてくれる会社です。そのことを私のように身をもって感じた人が、今以上に発信していける風土と、そこで活躍する新たなチャレンジャーが生まれてくれたら嬉しいです。
――今後の目標があれば教えてください。
子育てが終わるまでは、「今だからこそ」できることをやっておきたいです。
IT業界の変化は著しくて、少し休んでいる間に新しい技術や概念がどんどん生まれていくので、常に学ぶ姿勢を忘れずに、知識を蓄積しておきたいと思います。
いざとなった時、何か新しいチャレンジをしたいと思い立った時にいつでも踏み出せるような準備を 「今からコツコツと」、それが目標です。