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いい音楽を止めさせない。未来のために、エンジニアにできることとは?

こんにちは。BEAMINGの水谷です。

いよいよCTO山本へのインタビュー企画も最終回。
第3弾となる今回は「未来」にフィーチャーして、リニューアルを経て今後MUSERが向かう方向や、エンジニアチームが向かう方向について話を伺いました。

一緒にワクワクしてもらえたら幸いです。ぜひご覧ください。

予測不能な未来を自由に楽しむために。さぁ、基盤は整った。

ーMUSERが大きく仕様変更されたとのことですが、具体的にどんな所が変わったのでしょう?

技術的なことでいうと、バックエンドで使ってる技術の刷新。

大きな所ではサーバーレスに切り替えたことかな。以前は視聴画面しか使ってなかったんだけど、アプリケーション全体で使い始めた。いつお客さんが増えるかはなかなか予測ができないから、システムとして適正なコストでいつでもスケールアウトできる基盤を整えた形だね。

あわせて、認証基盤と決済のシステムも刷新。これって見えないところだし、直接ユーザーにバリューを提供できるところではないんだけど、要は基礎固めだよね。今後スピーディに機能開発していかないといけない局面で足を引っ張られないように、しっかり基礎を固めにいった。

認証はAuth0を導入したんだけど、今後もコアコンピタンスに関わらないところは積極的にアウトソースしていく方針だね。(変な感じだけど、コードを書く量が減ってうれしい。笑)

ーあらためて、山本さんが思うコアコンピタンスとは?

正直、現状の「ライブ配信サービス」というくくりだと、他のサービスと大差がないんだよね。だから新しいサービスをこれから発見して形にしていくことだよね。

そのために今やれることはスケーラビリティを確保すること。BEAMINGのメンバーがクリエイティブに新しいことやりたいと思ったら、すぐに実装できる体制を整えるっていう所だね。

スケーラブルであり保守性が高いシステムは、当たり前のことととして常に堅実に目指していくところ。スタートアップだし、後回しにしてるなんてことはなく、先回りしてリスクを潰している。これを実行することによって確実にコストは下がるからね。

今回のリニューアルで、データベースの使い方もNoSQLでスキーマレスに変えたんだよね。今後何を開発するのかわからない状況で、わからない未来に対応できるようにしている。いつでも走り出せるようにね。それと、これによってもコードを書く量が減ったため、より本質的な開発に注力できるようになったね。

プロダクトの表も裏も、作るチームも大きく前進した今回のリニューアル。

ーリニューアルを通して、特に意識されたことは何かありますか?

今話したような技術的な面と同時に、ファーストビューだったりビジュアルだったりも変えているんだけど、その見える部分/見えない部分のバランスは特に意識をしたね。今回のリニューアルは、派手なことをやりつつ、技術面を抑えるっていうバランスがすごくいい。

見た目だけ追求して後ろはハリボテっていうのが技術的には一番良くないのは当然なんだけど、逆に技術面だけ追求するのも意味がない。組織の規模が大きくなったら、「緊急事態宣言が出ている中で、それってやる意味あります?」みたいな意見も出てくるでしょ。そこは先手を打って、社員もステークホルダーも納得させられるリニューアルにすることが大切。

ベストなのは、みんなの達成感だったり、モチベーションにつながることだと思うんだよね。みんなのテンションが上がるかどうか。

ーリニューアルを行ったことで、今後やりたいことの幅はどんな風に変わりましたか?

やりたいことっていうのは未知の部分があるんだけど、その未知の部分に対応していく基盤の一番下の層はキレイにできたかなと思っている。

あとはね、このリリースを通じてエンジニアチーム自体の「精神面の基盤」もかなり高まったんだよね。問題意識を感じて自主的に工夫をするような風土が醸成されてきている。ここにさらに新しいメンバーが入ってきてくれたらすごい嬉しいね。



ー精神面の基盤は、一緒に作っていったプロセスから生まれたもの?それともリニューアルをしたっていう経験から生まれたもの?

どっちもだね。

プロセスの方でいうと、無理やり根性でやり抜いたわけじゃなくて、「こうした方が安全だ」とか「こうした方が早い」とか仮説を立てて実証していくわけで。それを繰り返すことで自信になってくるんだよね。そして、自分で工夫をして成果が出したっていう経験を味わうと、もっと成果を出したくなるのが人間だからね。

一方で、リリースする安堵感なしではストレス高まっていくだけだし、リリースのペースを保つっていうのもすごく重要だよね。

ー今回のリリースを通してプロダクトとしても会社の雰囲気としても一歩前進したわけですね。

そうだね、それが確実に実感できた。自己評価だけど、いい成果になったかなと思っているね。

Powerを循環させて、いい音楽が流れ続ける社会へ。

ー基盤が整ったところで、これからMUSERをどんな場所にしていきたいと考えていますか?

すごく難しい質問だよね。

CTOの立場からすると、まずはMUSERそのものが質量を持って存在していて欲しい。どちらかというと間接的に音楽業界とかアーティストに貢献する立場だから、まずはBEAMINGのメンバーが気持ちよく仕事をするっていうのが大事だし、ポテンシャルを常に保つっていうのが私のポジション的な使命。

会社のビジョンである”Power to Music. Power to Artists and Fans”とは別に、”Power to BEAMING.”を自分の中のディシプリンみたいに思ってるね。

その上で、我々はツールを作ってるわけでも、プラットフォームを作ってるわけでもないし、それを提供して利用料をいただくっていうビジネスモデルでもない。

私の意見なんだけど、MUSERは生き方が交錯する場所というか磁場みたいなものなのかな。自分がいいと思うものをいいと言える場所であり、引き寄せあって全身に電気が走るような衝撃的な音楽との出会いが生まれる場所。そんな風にしていきたいね。

機能としても、ソーシャル機能みたいなありきたりなものは多分実装していくんだと思うけど、それは目的ではなくあくまで便利機能としてだよね。

個人的には、ライブをやって終わりじゃなくて奥行きを持たせられるようにはしていきたいと思うね。アーティストならMUSERの中でライブやった歴史だったり、ユーザーにとっては見た歴史みたいなものが積み重なっていくイメージかな。

ーなるほど。では、アーティストにとってどんな存在でありたいというのはありますか?

食べられないアーティストを食べていけるようにするっていうのも会社のビジョンなんだけど、経済的に成り立てばいい、単純にお金が儲かる仕組みを作ればいいってわけじゃない。

アーティストがプライドを持って生きていくことを支援しないといけないよね。

その場でアーティストを応援した金額の何%をいただく、システムの利用料をいただくっていうビジネスモデルではないし、もう少し泥臭く信頼関係みたいなものを築いていきたい。機能だけ提供するんじゃなくて、かっこいいことをやりたいという人たちの期待に応えられる場所でありたいかな。

自分たちの可能性を広げる1つのエンジンとして捉えて欲しいね。

アーティストが食べていけないとか売れないとかって、Powerがないんじゃなくて、既存の仕組みの中でスポイルすることが問題なんだよね。そのPowerをMUSERがうまく循環させるということかもしれないね。

ー二人三脚というか、伴走していく存在ということですね。

二人三脚でもあるし、大きいことをいうとCSRとかSDGsとかの話でもあると思うんだよね。音楽って生活に必要不可欠なもので人を豊かにするもの。サステナビリティのために必要なものでしょ。

いいアーティストが表現し続けられる、いい音楽が流れ続ける社会を持続可能なものにしていくことが企業としての責任だと思う。

シナジーを楽しみながら、最高の瞬間を一緒に味わいたい。

ー最後に全3回の総括として、これからジョインされる方へのメッセージをお願いします。

いろんなコンポーネントを作ってそれが合わさって結合テストで動いてっていう技術的な楽しさプラス、技術者じゃない人たちとのシナジーを楽しんで欲しい。BEAMINGは自分たちが技術的な解決をすることによって、ビジネスが回るっていうことを体験できる良い環境だと思う。

今回もリリースに至るまでいっぱいプログラムを書いて、裏でいろんな仕組みを作っているわけですよ。でもね最後に完成するのってアーティストの絵が入った瞬間なんだよね。動いただけでは本当の完成にはならない。


 ↑新しいMUSERの画面です、アーティストの良さを最大限引き出すことを意識しています!

 ↑MUSERの説明書もデザイン一新しました!

ー「画竜点睛を欠く」の言葉のように?

まさにそう。

私自身、何十年もこの仕事をしてきたけど、最後に目が入る瞬間はやっぱり新鮮な感覚なんだよね。

社内でもプログラムを書いている私たちだけの特権なのかもしれない。本当にいい気分なんだよ。その一瞬を一緒に味わいたいね。

ー山本さん、3回にわたりありがとうございました!

全3回にわたってお届けした、CTO山本さんのインタビュー企画。

ビジョン・ドリブンなBEAMINGを支え、Powerを生み出すBEAMINGのエンジニアの魅力を感じていただけたでしょうか?

いい音楽が鳴り続けるために、エンジニアとして力を発揮したい!という方はぜひ「話を聞きに行きたい」を押してくださいね。

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