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“Power to the company” 仲間の可能性もインテグレーションするエンジニアへ。

こんにちは。BEAMINGの水谷です。

全3回にわたってお届けしている、CTO山本へのインタビュー企画。

第2弾となるこの記事では「現在」にスポットを当てて、進行中のプロジェクトの内容やそれによって実現したいことを中心に話を伺います。

さらに、多様なキャリアを積んできたベテランエンジニア山本の視点で、この記事をご覧の方へのメッセージや、BEAMINGなら働く方に何を提供できるのかという点もお伝えしたいと思います!

ナチュラルかつ前のめりに。成長過程ならではの面白さを体感。

ー2020年9月に正式にBEAMINGへジョインしてから、特に印象に残っていることは何かありますか?

1つは10月のオフィス移転、もう1つは11月に大きな機能をリリースした時だな。

がらんどうなオフィスを見る機会って、一生に一度もないかもしれないよね。個性的な面々がクリエイティブな仕事をするために、自分たちで家具を設置したり協力しあったりしながら、作り上げていくプロセスを見られたのは新鮮だった。こうやって会社ができていくんだなって感慨深かったね。

あとは、うちのBizサイドには配信サポートチームやサクセスサポートチームがあって、私に力仕事をさせないように労ってくれた若いメンバーの敬老精神に感動した(笑)。

みんな優しいし、頼もしいよね。


ー大企業でも働いてきた山本さんの目には、BEAMINGというスタートアップってどう映るんでしょう?

「自然発生的に規律が育っている」良い組織だなと映っています。

必然的に合理的であるスタートアップの強みが色濃く出ていると考えているし、もちろんルール無用ではなく、ベストプラクティスのようなものは積極的に導入しなければいけない。という雰囲気も感じている。

その役目を担うのは大手を経験してきた私ならではの立ち位置かなと思っているし、無用なルールやポジションは極力省いたスマートな組織にしていきたいと考えている。

例えば、トラブルや障害が起きた時の対応プロセスがまだ確立されていないとか、未熟な面もある。でも、本に書いてあるようなルールを持ってくるのは良くなくて、自分たちで学んで必要になった時に自然にルールができてくるもの。その「自然に」っていう所がうちの会社のいい所かもしれないよね。

若いメンバーも含めてみんな自律的に動いている中で、自分自身がルールを必要だと感じた時が一番ルールを受け入れやすいわけだし、組織としても成長する機会だと思う。


ー一方の11月の機能リリースについて、山本さんは正式にジョインする前からBEAMINGのプロダクト開発に携わっていましたが、以前とは心境だったりは違ったんでしょうか?

自分の中で「前職の大企業の感覚を引きずらない」、「CTOという肩書があっても保守的にならない」っていうのは密かに決めていて、前のめりで取り組んだんだよね。結果的にもそれで成功した。転ばない程度に前のめりになる方法は知っていたつもりで、それを実践したんだけどすごく安堵はしたよね。

全体リニューアルの中の一部を先行してリリースした形だから、なにかをプロダクトとして表に出すということの意味はすごく大きいなと感じたね。

全員の意識がアップグレードしたような感覚。実際にアップグレードされていたと思う。


原初的なPowerを生み出す、自由に広がるプラットフォームへ。

ー先ほど話に出た全体リニューアルの内容について、詳しく聞かせてください。

新プラットフォームへの移行だね。エンジニアも含めてBEAMINGのメンバーがよりクリエイティブになるための、自由でスケーラブルなプラットフォームを目指している。

現状だと、いわゆる技術的負債と言われるものもあって。技術的負債っていうと「古臭いから変えたい」みたいなイメージを持つかもしれないけど、それは間違い。

ビジネスドメインとソフトウェアが合わないのが大問題。2年半の間、全力で走ってきているからビジネスの形が変わってきている。その整合性を取る作業だね。

それはもちろん今のスナップショットに合わせるわけではなくて、何ヶ月、何年先を見据えて合わせるわけなので、合致させると同時に柔軟性も必要になる。


ービジネスドメインの選択肢や可能性を広げるために、柔軟性が必要ということですか?

そう。いわゆるレガシーシステムになっちゃうと新しいことをやるのが苦痛になり、保守的にならざるを得なくなってしまう。そうじゃなくて、そこでコードを書いたり機能を追加することで、さらに新しいものをどんどん思い付くプラットフォーム。それをステージにして、チームを加速・拡張させていくイメージだね。

スタートアップだから、世の中にないものを作ってるんだっていうのを忘れちゃいけない。まだ誰もわかんないんだよ、何を作るべきかなんて。だから、具体的な要件とか仕様書を周りに求めるんじゃなくて、モヤモヤした原動力みたいなパワーを汲み取って表現していかないといけない。

例えば、いい映画って見る人だったりその時代のコンテキストの中で解釈されることで、作者の意図とか直接的に表現されていること以上の価値が生まれるじゃない?解釈の余地が残されている、あるいは解釈されずに吸収されるから、新たなシナジーだったりが生まれてくる。ソフトウェアも映画や音楽と同じだと思うんだよね。

ーそのリニューアルによって、どんなことが実現できるんでしょう?

直接的に売上につながったり、客数が増えたりってことはないんだけど、その土台。会社のビジョンである”Power to Music. Power to Artists and Fans.”の、”Power”だよね。私たちのチームはToolを作るのではなくて、原初的なPowerを生み出したい。それによって、もっと自由に、クリエイティブになれる。

小さな会社だけど、メンバーはやりたいこといっぱいあると思うんだよ。でも今のシステムにコストや技術との兼ね合いで遠慮して言わないんだよね。それがすごく嫌。

社内でエンジニアが楽しみながら実現していく姿が見えたら、もっと自由に発言するようになるし、クリエイティブな組織になるはず。プロダクトとしてもそうだし、チームとしてもそういう存在でありたいよね。

ー他にも進行中のプロジェクトはありますか?

もう一つはB2B(B2Artist)商品の開発。今までやりたかったけど、未着手だった部分で、今は設計段階。独立系アーティストや音楽事業者、レーベルの方にセルフサービス的にシステムを利用してもらったりとか、ライブのデータとかを今までにない形で見てもらったりとかだね。基礎ができたら、いろいろヒアリングもする予定。

夏だと遅いな、4月中にはリリースしたいな。

ー4月に出して夏のフェスに間に合うと良さそうですね!新しく入られる方にも、この2つをお願いしていくイメージですか?

そうだね。ビジネスのドメインと一致したシステムを作ってメンテナンスしていくと同時に新しい企画も考えていく。

どういうプロダクトがいいのかという議論を活性化させてくれる人がいいね。私が言ったことをそのままやるではなくて、テクニカルな部分でこういうシステムが正しい、美しいんだって議論できるメンバーに入ってきて欲しい。

ー前回のインタビューでも出てきた美意識につながるところですね。

ソフトウェアのアーキテクチャは美しくないといけないよね。動けばいいっていう考えは捨てて、どんなに忙しくても教科書通りにキレイなものを作り、細部にこだわり続けることが重要「神は細部に宿る」を体現しているエンジニアこそ、実際的な技能を持っているんじゃないかな。


BEAMINGは、調和しながら進化できるフィールド。

ーここからは、フリーランスや大手企業でエンジニアとしてキャリアを積んできた山本さんから見た、BEAMINGで働くメリットを読んでいる方へのメッセージとして届けたいなと思っています。

まずは、大手企業で働く方に向けては何かありますか?

これは過去の自分に向けてのメッセージでもあるけど、妥協することが仕事になっていないか?「あいだを取る」という作業は未来を向いたものなのか?ということ。もうノーコード・ローコードで考える人が直接的に行動できるようになって、調整役なんていらなくなる。

組織の中で「妥協させられている」っていう感覚は大体誤解で、私もそうだったけど背景を知ろうとする努力が足りなかったんだよね。対話をしてその背景を知れば、必然的にそうなっているんだとわかるし、それを踏まえた上でより良く改善することもできる。

一方で、もし背景を知ろうとする努力を邪魔されるとか、教えてもらえない環境にいるんだとしたら、会社はすぐ辞めた方がいいね。

ーその方に与えられるBEAMINGならではのメリットでいうと?

BEAMINGは建設的な意見の衝突はあれど、対話の上で真にやりたいことに全員で向き合うことができる。妥協は不要だし、折衷案も不要。

システム的に難しいから「それできないんですよ」ってごまかしている状態って、気持ちが悪いじゃない。技術的に無理なんてことはなくて、本当はやればできるんだから。そんな気持ち悪さを抱えながら仕事をするのはイヤだよね。

BEAMINGならちゃんと向き合って対話ができるし、妥協ではなくお互いにそれがいいと思える調和した解に向かって突き進むことができる。

ーフリーランスの方に向けてはいかがですか?

自問自答を続けるより課題と適度な距離感で向き合うことだね。

この「適度な距離感」というが結構重要で、フリーランスで関わっていると課題との距離がどうしても遠いんだよね。へんに俯瞰的になり評論家的になりがちになってしまう。

逆に、課題との距離が近すぎると短期的な視野でしか開発に取り組めなくなってしまう。組織に属しつつ、距離感の調整が自由自在な人が一番強いのではないかと最近思い始めている。

フリーランスの時には気づけなかったけど、技術で何でも解決できるっていうマインドはやっぱり違う。組織の中に独特の問題解決の方法があって、例えば、組織としてのナレッジとか、シナジーとか調和みたいなもの。それはノウハウ本を読んでも身につかなくて、組織に入ることで体得するものだと思う。

なにより、自分より早く成長するものと一緒にいると多くの学びがある。特にスタートアップの成長は個人の想像を超えた速さがある。

今はフリーのエンジニアとして食べてはいけてるとしても、もしコモディティ化が気になるんだったら、組織に入った方が財産になると思う。

ただ、技術を使えるレベルではなくて、技術を使って何かを生み出せる深い理解をお持ちの方は、技術的な問題解決のプロとしてフリーランスで生きていくことは良いと思う。

ー山本さん、今回もありがとうございました!

締めくくりとなる次回は、「未来」にスポットを当てて、ビジョンドリブンなBEAMINGが描く未来像や、その中でのエンジニアの立ち位置・やりがいをお伝えしていきたいと思います。

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