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1日10名近い応募者と個別面接をする、採用担当者が意識していること

現在、新規事業スタートのために、毎日たくさんの応募者の方にお会いしています。ちょうど今、募集しているのが、Webディレクター、Webデザイナー、編集、ライター、セールスといった職種で、個別面接であっても、1日10名近い方とお会いする日もあります。人事という部署がないので、採用メディアの原稿確認から応募管理、面接対応、交流会に参加したり主催したりなど外部の人に積極的に会うことまで、自社の採用に関わることは、全て行っています。

とにかくたくさんの方と、1回の面接で1人1時間近くお話するので、一緒に働きたいかどうかは、面接後にじっくり考えるというよりは(もちろん、そういうときもあるのですが)、事前に提出していただいた書類を読み込んでおき、お会いした瞬間に、色々なことを頭の中でグルグル考えています。

書類を拝見するときに思うこと

まず書類ですが、それだけの先入観で全てを決めつけないように気を付けながらも、入社までにお会いできる時間は合計してもそれほど多くはないので、社内メンバーと一緒に、ご提出いただいた書類や作品を、かなりしっかりと拝見させていただいております。書類は基本的に過去の経歴が大半で、自己PRや志望動機を書いてくださっている場合は、現在や未来のことが書かれていることが多いです。書類を拝見する際に大切にしていることは、経験や技術がたくさんあるかどうかより、限られたスペースの中で、ご自分のことをしっかり表現してくださっているかどうか。文章の上手い下手ではなく、その人のことやその人の考え方がイメージできるかどうか。

文章が整っていれば、ちゃんとしている方なんだろうなーと思ったり、元気なことがガンガン伝わる前向きな内容であれば、活気がある方なんだろうなーとか。デザイナーやエンジニアといった、特殊な技術が必要な職種に関しては、ある程度、過去の技術的な経歴も見てはいますが、それよりも、過去の経歴の中で、その人が何を感じて何をしたのか、これからどうしたいと思うのか。客観的な事実の中に、その人らしさが少しでも感じられると、会ってみたいな、と思います。

欲を言えば、たくさんの書類を拝見しているので(スカウトするために拝見する書類も入れると、一日100名以上の書類を見ていることになります)、長すぎず短かすぎずが理想です(笑)

採用か見送りかが決まる瞬間

そして、いよいよお会いした際には、会った瞬間に、ほとんどの方に対して、無意識のうちに、一緒に働きたいかどうか、という判断をしています。特に私は営業なので、営業職に応募の方や、お客様とやり取りが必要なディレクター職に応募の方は、見た目や第一印象は、弊社のお客様も感じる第一印象になるので気にしています。それは、決して美男美女であったり、自信に満ち溢れている必要があるのではなく、清潔感があり、たとえ緊張していたとしても、真摯に相手となる私に向かってくださるかどうか。(面接は、実は私もとても緊張しています。会社の顔としてその場にいて、応募者の方の貴重な時間を使ってお越しいただき、私自身を一緒に働きたい人間かどうか判断されていると、常に緊張感を感じているからです。一次面接後や内定後に、断られないかどうかは、毎回ドキドキしています。)

面接中に意識していること

緊張しすぎていて第一印象があまりよくなかったとしても、少しずつリラックスしていけば、その方の良さを魅せていただけることも、もちろんたくさんあります。面接中は、落とす面接ではなく、受かる面接を心がけて、お互いのコミュニケーションを楽しむように努めています。ですから、私自身も気を付けながらですが、質問と回答が一致していなかったり、どちらかが一方的に話しすぎていたり、合いの手が相手を遮っていたり、そういう、コミュニケーションの気持ち良さ悪さを感じるようにしています。

もちろん、面接の場は、会社として、事業を成功させたり、売上を上げるためのメンバーになってくれるかどうかであったり、今いる候補者の方たちとどんな組み合わせにしたら上手くいくかといった、経営的な視点も含んでいるので、仕事の適性や人間性を見ている部分もありますが、大部分は、その人と一緒に働きたいかどうか、が一番だと思っています。

人と人とのコミュニケーションとしては、事前に弊社の応募要項やホームページを見てきてくださり、そのことにさり気なく触れてくださると、やはり嬉しい気持ちになるものです。

採用担当をしていて良かったなと思う瞬間

採用担当をしていて良かったなと思う瞬間は、内定の承諾をいただき、一緒に働くことが決まった時がもちろん嬉しい瞬間ですが、他にもあります。たとえ採用にいたらなかったり、もしくは面談に遊びにお越しになっただけで選考に進まなかったりする場合でも、「金谷と会って良かった」とおっしゃっていただけるときは、とても嬉しい瞬間です。たくさんの応募者の方と話していると、ときにはキャリア相談や人生相談のようになってしまうときもあります。それは私が何かアドバイスをするというよりは、一緒になってその方の未来を考える瞬間が、多かれ少なかれ、面接や面談の場で起こることがあるからです。お帰りになった後に、わざわざそういった連絡をくださると、採用担当として「内定者を出す」という最終ゴールとは違った形ではあるものの、この仕事に携われて良かったな、と思います。まだすぐには就職しない学生の方が、将来をよく考えて、そのときにまた会いたいです、と言ってくださる方もいらっしゃっると、今すぐにではなくても、いつかまたお会いできるのが私も楽しみになります。

一期一会

採用活動は、人と人との出会い。応募者側も企業側も、どちらが偉いということはなく、フラットな立場で、一緒に働きたいかどうか、お見合いする場だと思っています。Wantedlyの場合は、面接の前に、面談という形で気軽にオフィスに遊びに来ていただいていますが、面接も面談も、毎回、どんな方にお会いできるのか、楽しみにしているのが、一番正直な気持ちです。この人と一緒に働きたいな、この人と一緒にいたいな、そんな風に思ってもらえることが、お互いにとってのベストマッチング。たとえ不採用になった会社があったとしても、それは応募した方に非があったわけではなく、ただ単に相性が合わなかっただけのことなので、落ち込む必要もないかと思います。内定を断られたり、面接の約束をすっぽかされる逆の私も、また同じです。これからも、たくさんの方にお会いして、色々なお話を伺って、そして、一緒に働ける方とお会い出来たら良いなと思っています。

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