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オピニオンレシーバーの仕事とは?第4回「そして、〈実績ゼロ〉から〈実績〉をつくる勇気を忘れない!」

そして、〈実績ゼロ〉から〈実績〉をつくる勇気を忘れない!

さて、第2回・第3回を通して梅樹さんの日常業務を俯瞰したところで、第1回の商談(説明会)のその後を追いかけてみよう。


あの説明会から数日後、梅樹さんの電話が鳴った。

「先日の説明会には参加していませんでしたが、広報課から紹介してもらって電話しました」

電話口の向こうにいたのは意外な人物だった。声の主は、同大学のデータ科学センターの職員であると自己紹介した。データサイエンス教育について大学の内外に広く発信したいが、「その表現手段をめぐって何かいいアイデアを探している」という相談だった。

改めて、データ科学センターの担当者との商談をセッティングした。まず、梅樹さんはパラパラ漫画ムービーの紹介から切り出した。しかし、相手の反応は思わしくない。そこで別のコンテンツについて話を切り替えた。そして、ホワイトボードアニメーションの話になると様子が一変。「これこれ、これをやりたかった!」と言う。

さらにヒアリングを続けていくと、伝えたいテーマとターゲットが2つあることが見えてきた。そこで梅樹さんは、一歩踏み込んで「1本はユーザーに親近感を持って見てもらえるパラパラ漫画ムービーで作り、もう1本はロジカルな説明がしやすいホワイトボードアニメーションで作るのはどうですか」と提案した。提案そのものは好意的に受け入れられたようだったが、「とりあえず、検討します」と結論は先送りになった。

後日、結論を聞くために梅樹さんはデータ科学センターの担当者に電話を入れた。再び2本の動画制作をめぐる話になり、そこでも梅樹さんは「アトムストーリーなら、どちらも同じ漫画家を起用することで両方の作品のテイストが揃って、訴求力が増します」とブランティング面での波及効果について言及し、制作メリットを力強く語った。

その結果は言うまでもない。無事に受注というゴールに到達した。


ところで、いつもなら「発注書をお客様からいただくまでが営業の仕事」なのだそうだが、この案件では発注書を受け取った後も、制作開始に向けてクライアントとの事前調整に腐心した。

というのも、実はこの案件がホワイトボードアニメーションの受注第一号だったからだ。

梅樹さんは「制作陣にとっては受注が決まってからがスタートです。制作陣がお客様と打ち合わせをして、その想いを形にする作業は大変ですから、実際に制作ステップに入った後のことも考えて必要な調整を行いました」と振り返る。ホワイトボードアニメーションについては、社内でも初の取り組みとなるので、百戦錬磨の制作陣でも手探りで進めなければならない部分がどうしても出てくる。このケースでは、制作が可能な限り円滑に進められるように、具体的には制作全体の流れを説明し、何ができて何ができないのか、どの場合には別費用が発生するかなどの認識合わせをお客様と行った。制作陣とクライアント双方が仕事を進めやすい下地作りが終わったことを見届けてから制作陣にバトンを渡した。

この後は、どんな動画に仕上がるか楽しみに待つだけだ。


エピローグ

最後に、会社として新たな実績を生み出せたことをどう感じているか聞いてみた。

少し間があってから、「今回のように会社として新しい商材やサービスをやろうという時に、初めての受注を自分が取れると安心しますね」と梅樹さんは言った。

それから、「やっぱり商品の良さを伝えれば、その良さをわかってくれるお客様は絶対いるんですよね」と噛み締めるように付け加えた。「どうせ売れないから提案すらしないと、くじけそうになることもありますが(笑)、今回ホワイトボードアニメーションを初受注したことで、ちゃんと提案すべき時には胸を張って提案していこうと励まされました」

例えば、受注実績がなくとも「アトムストーリーで提供できるものは提供できる」と伝えることの大切さ。二の足を踏むことなく、提案すべき相手にしっかりと提案できた自分自身への安堵も、その言葉には含まれていたのかもしれない。まさにホワイトボードアニメーションの提案がそうだったのだから。


ところで、アトムストーリーでTikTokのサービスを開始した時も、受注第一号は梅樹さんだったという。「その時は正直に、実績が欲しいのでうちでやらせてくだい、と色々なお客様に言いまくっていましたね(笑)」

こういう素直な梅樹さんだからこそ、社内に導入されたITツールに対しても監視されていると敵対視することなく、仕事を自己管理するためのパートナーとして使いこなせているのだと感じた。

「今はお客様からの相談が多くて正直なところ大変ではあるんですけど、楽しさの方が優っている感じですね。色々なお客様と話すと自分自身の成長もわかるので、なんだかんだ楽しくやっています」

アトムストーリーという環境で、水を得た魚のようにオピニオンレシーバーの仕事を楽しんでいる充実した様子が伝わってくる。

(「オピニオンレシーバーに聞く!」へ、つづく)


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