大きな成功体験
当時25歳の宮崎氏はクリーンルームの施工や、様々なバイトを行いながら生活していました。
そんな彼もそろそろ就職を考えていた矢先、中学時代の同級生から自身が勤める株式会社アシストの紹介をされました。「生協の商品を配送する仕事。意外と楽で楽しいぞ」と。
宮崎氏は、楽で楽しいならとりあえずの「つなぎ」として2003年に入社。言われたことをやってればいいとの姿勢で仕事に取り組んでましたが、配達を続ける中でご利用者様からの感謝の声を多くいただき、「こんなに感謝されるなら」と、より一層業務に励むようになったのです。
体力に自信のあった彼は、簡単に業務をこなしていくことができたのですが、ある日を境に大きな試練が立ちはだかりました。
「前回頼んだとき、商品が足りてなかったんだけど」
「これ、注文したのと全然違うんだけど」
自信の確認ミスで、ご利用者様からご指摘をいただくことが増えたのです。決められたところへ、ただ商品を運ぶ楽な仕事と気が緩んでいたせいか、初歩的なミスが散見。
さらには、追い討ちをかけるようにご利用者様からのアンケートには
「無愛想」
「いつも顔が怖い」
など満足度の低い内容が何通も届いていたのです。
「キツくても明るい笑顔を見せるのも仕事なんだよ」
先輩からの助言を元に、現状を変えてやる!と再度奮起。
それからは、明るい笑顔を心がけることはもちろんのこと、ご利用者様とお会いした時は必ず名前で呼んだりと、できる限りの努力を継続。それは、先輩から教わったご利用者様との距離を縮めるためのアドバイスでした。
その結果、彼はご利用者様と「密」に関わることで誤配をほぼなくすことに成功。なんと、ご利用者様からのアンケートも満足度が95%以上を達成することができたのです。この成功体験が彼に大きなやり甲斐と、成長をもたらせました。
仲間を退職へと追いやる
2004年、彼は入社1年という早さで現在のリーダーとして、管理職に従事。新たな立場でますます業務に励む彼は、仕事に身が入りすぎたせいか「ちゃんとボタンを閉めろ!身だしなみは社会人の基本だろうが!」と当時の部下への接し方が感情的になったり、社員同士を比較して評価をしてしまっていたのです。
その結果、早くも部下から退職者を出してしまうことに。彼は自分の犯した行動に落胆。先輩からも「人同士を比べて何になる。そんなことは傷つくだけだろう」と叱咤激励を受け、部下の士気の上げる難しさをリーダー職を通して痛感したのです。再び訪れた大きな試練でした。
しかし、そんな彼を救ったのが紛れも無い「ご利用者様」でした。以前の成功体験から「密」に関わるこを意識。
「敬意と笑顔はご利用者様だけでなく、仕事に関わる全ての人に等しく振る舞うんだ」
それを機に、ほんの少しでも気の緩んだ姿を見せたく無いという一心で、休憩時の昼食を取る際にも外注先となる職場では一切食事をしない徹底ぶり。彼なりの変わりたいという「努力」だったに違いありません。
この様な取り組みから少しづつ信頼が生まれ、部下からはプライベートの相談までされる様な「密」を築くことができたのです。
経営者との出会い
管理者として大事なことは人との繋がり。そう学んだ彼は入社5年で、新規事業所の立ち上げに携わることになりました。その後、異動を経て様々な経験をした頃、ある日突然東京本社に呼ばれることになります。
そこでは新堂社長との面談の後、会食が行われました。それは、若い人を応援したいという社長の想いを実感する経験になりました。
その後、1000人規模で行われた研修では会長が直々に、1人1人に笑顔で気さくに声をかけている姿に感動。会社を牽引する立場の人の振る舞いは、これまでの彼の考え方や行動を肯定してもらえた気分と共に、今後はもっとできることがあるという道標にもなりました。
2007年頃から創設された「人財育成課」に彼は携わっていましたが、正直なところ懐疑的な状況でした。仕事は現場で覚えるものだ思っており、また入社してきた社員達のモチベーションの低さも実感したためです。
初めは不安に思っていましたが、これまで学んだこと・経験してきたことを信じる中、研修が終わった社員達は見違える程の成長を実感。礼儀や言葉遣いだけではなく、表情や考え方までも変化していたのです。
それはかつての自分と重なって見えたのでしょう。
「仕事に関わらず、真剣に向き合えば必ず人は変わる。自分だけでなく、他の社員達も示してくれた。」
そんな彼は、現在西日本を中心に全国を飛び回っています。
運命の出会いは真剣に向き合うこと
結局、彼を大きく変えたのは「ご利用者様」からいただいたご指摘からでした。
弊社は直接カスタマーと触れ合うため、日常から出会いが多く発生しています。
従業員やご利用者様、真剣に向き合うからこそ生まれた運命の出会いです。
「あの時、彼にご指摘いただいたお客様がいたから」
「あの時、彼の間違いを気付かせる退職者がいたから」
「あの時、彼の自信に繋げてくれた社長・会長との出会いがあったから」
「いつも影から支えてくれる先輩がいたから」
大きな成長と、新たなステージを経験することができたのです。
たった一言を真摯に受け止めるか否かで、運命の出会いを体験できるか。
弊社は常に仕事に関わらず真剣に向き合い、今日もまた運命の出会いを実らせています。
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