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アセンドCTOの語る、プロダクトの向こうに目指す社会の未来とは

エンジニアリングを用いて、いかに社会課題の解決へ向き合うか。プロダクトを通して、どう社会を豊かにするか。アセンドのCTOである丹羽の想いに、代表の日下が迫ります。

丹羽健(通称:にわっち)のプロフィール
31歳、関西出身。電気通信大学情報理工学研究科修了、増田研究室1期生。日鉄ソリューションズ株式会社、株式会社グラファーを経て、ascend株式会社 取締役CTOへ就任。趣味は料理。CTOの略称は、「チョット・タベモノ・オイシイ」との説もある。

モノづくりを志してエンジニアの道へ

──まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

元々モノを作るのが好きで、それを仕事にするとエンジニアになると考え、学生時代は、三次元形状処理、CADの研究をしていました。機械とソフトウェアの融合ですが、バリバリのプログラミング系ですね。研究ではCADシステムを作る必要があって、ウチの教授は最新のフレームワークでゼロから作った方が良いという流れで、参考書だけを紹介され、なんと後は自分で学んで作らざるを得ないという環境でした。システムが肥大・複雑化し、ゼロから作り直すことを3回繰り返しましたが、そうする中で、「大規模なシステムを作るには、飛びぬけた才能でなく、地道な経験に基づく知識と洞察が必要なのだ」と思うようになりました。その過程を見ていてくれた教授からは、「丹羽くんは、“アーキテクト”になるといいと思うよ」と、今も大切にしている言葉をかけてもらいました。

──「アーキテクト」という言葉は、丹羽さんが日々の開発でも大切にしている言葉ですね。

はい。ビジネスもソフトウェアも、全体構想をひとつに落とし込んで「全体のシステムを成功のために相互作用させるアーキテクチャ」と捉えることが大切で、CTOのとしての自分の仕事は、ソフトウェア×プロダクトマネジメント×ビジネスであると考えています。全要素を学ぶことによってシステム全体を組み上げることができ、試行錯誤を繰り返しながらも前進していく。その感覚は、この時の失敗と再挑戦で培った感覚なのかと思います。

期待の新人として、認証基盤の刷新などの複雑なシステム開発を経験

──アーキテクトという言葉の意味が改めて良く分かりました!新卒で入社した会社ではどのような仕事をしていたのでしょうか。

新卒では、技術を中心として、大きく複雑なものを作りきることを目標にし、日鉄ソリューションズ(以下NSSOL)というSIerに入社しました。4ヶ月の新人研修期間に20以上の勉強会を企画・運営したことが人事の目にとまり、プログラミングもできて、コミュニケーションも取れる「NSSOL史上最強の新人」として、社内で最も技術的にもアジャイル開発的にも進んでいた部署に配属していただきました。そこでは、配属一週間でいきなり3週連続夜勤を経験したこともありましたね(笑)。

配属から半年経った頃には認証基盤を刷新する難しいプロジェクトを取り組むようになったのですが、現場はもうめちゃくちゃに炎上していて、その時期は本当に大変でした。ですが、そこの技術責任者が素晴らしい方で、技術的な観点と論理的思考をひたすら鍛えることができました。例えば、責務の考え、分離性と言えば、少しイメージが伝わるでしょうか。システムごとに責務を分離させて動かすことなど、複雑なシステムを組むための原則を一番学べた時間で、この時学んだシステム設計の考え方は、現在のascendでも活きています。

「システムを綺麗に作る」から「ユーザー目線のプロダクトを作る」への意識変革

──今ではascendの大黒柱である丹羽さんにも、その様な下積み時代があったのですね・・・。その後の仕事についても教えてください。

新卒2年目からは新規事業を開発するお客様のチームに入ることになり、目線が「システムを作ること」から「プロダクトを作ること」へ変わっていきました。

具体的には、フルスタックエンジニアとして飲食店の注文管理アプリを約3年ほど手掛けたのですが、まだ世にないアプリの製品設計、開発の現場検証、デザインも含めて、全行程に関わりました。実際に業務で利用するユーザーに価値を感じてもらえるプロダクトを作ろうと、Slerのエンジニアでありながら自分で飲食店に出向き、直接インタビューを実施したこともあります。そうしてそのアプリが0からプロダクトマーケットフィットを経て、サービスがスケールし始めるまで1つのプロダクトを見切ることができ、そこで「システム開発者」から「プロダクト開発者」への意識変革がありました。

というのも、新規のプロダクトを作ろうとすると、フロントもサーバーサイドもクラウドも全てを一気通貫して、初めてその実現ができます。仮にシステム設計が綺麗だとしても、ユーザーにとって使いづらかったら、プロダクトとしての価値はない。とはいえ、ユーザーが価値を感じてくれるまでプロダクトを改修し続けるためには、前提として綺麗なコードが必要になる。僕はプロダクトとしてのあり方を見据え、「ユーザーのことを考えたコード」を継続的に書いてこそ、良いプロダクトが生まれると考えています。

(後輩に向けたエンジニア勉強会に登壇するCTO)

──「ユーザーのことを考えたコード」とは奥が深い言葉ですね。「ユーザーのことを考えたコード」とは、実際どんなものなのでしょうか?

フロントエンドはボタンの形状からロジックの流れまで全てですね。その為にはユーザーへの細かい理解がないと実現できません、一か所でも不自由な動線があると全てが台無しなので、フロントは拘り切らないといけません。サーバーサイドは、ユーザーの業務を具現化したデータモデリング・コードを作ることで、継続的な改善が維持できます。

PMかつエンジニアである「プロダクトディベロッパー」への転職

──なるほど。キャリアに話を戻すと、そこからなぜ、転職を決意されたのでしょうか?

新規プロダクト開発チームでは素晴らしい時間を過ごしましたが、一方でSIerはプロダクトに対して最終的なオーナーシップを持てないことに、少しずつ課題意識が強くなっていきました。転職を考え始めて分かったのが、多くの会社は「プロダクトマネジメント(PM)とエンジニアリングを分ける」という文化が主流であるということです。エンジニアはエンジニアらしく、PMはPMらしく、という分業制ですね。でも僕が大切にしてきたのは、領域間の狭間に落ちてしまう課題をなくすことの価値でした。そこで、PM且つエンジニアの両方の役割を果たす「プロダクトディベロッパー」を職種として定義している、行政向けのSaaSを提供する株式会社グラファーに転職をしました。

──「プロダクトディベロッパー」はascendのエンジニアリング方針にも反映されている言葉ですね。具体的にはどのようなものなのでしょうか。

エンジニアがプロダクトマネジメントをすること。つまり「作るエンジニアこそが要件を定義し、意思決定をする」ということです。もちろん、それを支援するスペシャリストとの連携も重要です。

開発者が自身が深く考え、優れたものを開発するためにワンストップでスピーディーに最良の意思決定していくことは重要ですが、自分が考えたものを自分で作れてしまうという環境には、一種の傲慢さがあります。だからこそ、「果たして自分はユーザーの業務に寄り添そえているか」「思い過ごしや、見過ごしてしまった観点はないか」といった、ある種の恐怖心も同時に持たなくてはなりません。謙虚さと横暴さの中間地点に居られるよう、常に注意しています。

物流業界を持続可能な形にアップデートし、働く人を豊かにするプロダクトを社会に届けたい

──スピードと品質を両立するプロダクトディベロッパーという魅力的な職種に付随し得る傲慢さの落とし穴と、それを制御するための謙虚さというマインドセットは、価値あるプロダクトを作る上で非常に本質的だと思います。そんな丹羽さんが、なぜascendへ入社したのか、教えてください!

ずばり、社長の子どもが可愛かったからです!(笑) それは半分冗談ですが、僕は学生時代から、エンジニアリングで社会を豊かにするを自分の軸としていました。運送業界は社会の一部分でありながら、特にIT化が遅れている領域で、ひとりひとりの業務はより大変になっていっています。そんな業界だからこそ、どんな会社にも使いやすいSaaSというスタイルのプロダクトがより貢献できるはずで、そこに向き合うことで、社会の一部でも良くすることができたらと考えています。ascendの皆はいつ話をしても一貫して主語が「ascend」ではなく「物流業界」で、これだけ社会に向き合っている人たちを横で見ていて、そこに入らないという選択肢はありませんでした。

僕は働いている人を豊かにしたいです。働けばそれなりの給料がもらえて、家庭を豊かに、幸せに出来る、そういう生き方を皆さんにして欲しいです。もしかしたらこの考えの背景には、僕の父親が過労で亡くなったことに関係があるかもしれません。父は仕事が嫌だったわけではなく、むしろ楽しんで良い仕事をしていました。ですが業務量が多過ぎて、やりたかったことをやりきれなかった面もあったと思います。自分達の作るプロダクトで、物流業界で働く人が家族みんなで過ごすような時間が増え、その一人ひとりの働き方もプライベートも幸せにできるようなプロダクトを作りたいと考えています。

(入社の決め手になった?代表の子供とのツーショット!)

──そう言ってもらえて、素直にとても嬉しいです。「業界を主語に」することは、我々が本当に重要視している価値観ですね。インタビューを通して、改めて丹羽さんの価値観やこだわり、意気込みに触れることができました。これからも、共に社会に向き合い、社会を豊かにしていきましょう!!!

アセンドでは、社会に向き合い、社会を豊かにするエンジニアを募集しています。CTOの思想に共感してくださった方、ぜひ一度お話ししましょう!

(Text by Rina Uehara)

フルサイクルエンジニア
社会課題となる物流に向き合うフルサイクルエンジニア募集!
「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える。」をミッションに掲げ、運行管理SaaS「ロジックス」を中心に2つの事業を推進しています。 ◆プロダクト(SaaS)事業 物流DXの核となるプロダクトとして、運行管理 SaaS「ロジックス」を開発・提供しています。 「ロジックス」はトラック運送事業者を対象に、現場の業務改善と経営のデータ活用を同時に実現するプロダクトです。 <業務改善> 現場担当者が、手書きやFaxなどで実施している業務をデジタル化し、業務を効率化・可視化・脱属人化します。 <データ活用> 現場担当者の業務をデジタル化することによって、日々の業務を通じ自然と蓄積されるようになります。 このデータを用いて、経営層向けに各種財務データ及び業務KPIを可視化・分析するBIソリューションを提供します。 私たちは「物流データ」こそがDXの中核を担うと考えています。 そのため、「ロジックス」はデータハブを中心に据え、業務ごとに適切なアプリケーションを開発・進化させていくシステムデザインを採用しています。 対象の業務・ユーザー、すなわち「物流データ」の活用範囲をスピーディに拡大し、物流DXを推進していきます。 ◆コンサルティング事業 物流業界の抱える課題解決を目的として、コンサルティング事業を展開しています。 内閣府、国土交通省、業界団体との案件を企画中で、物流の最先端のナレッジを吸収しながら、業界全体で取組むべき課題に挑戦しています。 この事業を通じ、行政・業界のルールメイキングを進めるとともに、新たなソリューションに繋がる先端ナレッジを蓄積しています。
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