「DXコンサルティング」「業務・ITコンサルティング」「リスクコンサルティング」の3領域を主軸とする部門長にインタビュー。
<経歴>シンクタンクで原子力システムのシステムエンジニアとして約10年務めた後、リスクマネジメントのコンサルティング領域を主軸としたコンサルティングを経験。ARIに入社して、DX領域に関わるコンサルティングの部門長を務める。
ーー今までのキャリアを教えてください。
新卒でシンクタンクに入社し、原子力システムの開発や科学技術計算コードを用いた数値解析・シミュレーションを主に行っていました。
その後、リスクマネジメントのコンサルティング会社に移り、企業のビジネスリスク、特に大規模な自然災害や世界的なパンデミックに備えたリスクマネジメントのコンサルティングを行っていました。官庁や地方公共団体の危機管理担当者と一緒に仕事をさせていただくことも多かったです。
前職では、ITコンサルティング会社の戦略企画室に所属してオーソドックスなITコンサルティングも行いつつ、官でも民でもない第三のビジネスモデルの立ち上げを行っていました。
前職は自分のことは自分でやるといった、ドライな雰囲気でした。(笑)
一人でできることに限界があると思います。自分でできること以外にも他の人の力を借りて一緒に仕事をしたいと考え、現在はARIに入社し、DX(Digital Transformation)領域に関わるコンサルティングを行っています。
ーーARIに入社した理由を教えてください。
入社の決め手は、仕事上の自由度が高かったことです。私が入社した頃のコンサルティング部門はまだ立ち上がって間もなく、既存のコンサルティングサービス以外にも新しくやりたいことがあればチャレンジできる環境でした。
一般的な大手のコンサルティングファームでは、コンサルタントはソリューション(サービス)とインダストリー(業界・産業)の2軸上のどこかにマッピングされ、そこでの活動がメインになります。これはとても合理的で成熟した組織の姿なのですが、私自身は自らの強みや志向からこうしたやり方をよしとはしていませんでした。
得意な領域だけでなく、様々な業界のコンサルティングに挑戦していきたいいと考えていました。
必然的に、新しい職場の候補には成長途中にある企業が多く残り、その中でもエンジニアやクリエイティブのメンバーとのハイブリッドな組織が面白そうに思えたので、ARIに入社することを決めました。入社前に考えていたとおり、これまでのところとても自由にやらせてもらっています。
ーー仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
期待以上の成果を出すことにこだわりを持っています。
コンサルティングをするうえでは、期待どおりの仕事だとまだ不十分で、わずかであってもクライアントの期待以上の仕事をすることを大事にしています。リスクコンサルティングが典型的なのですが、この先起きるかどうかわからず、起きないことが望ましいことに対するコンサルティングの場合、その費用はリスクヘッジのためのコストとみなされます。こうしたプロジェクトを数多く経験したことで、いただいた費用以上の成果を出すという点に関しては、特にシビアに考えるようになりました。
ーーコンサルティング部門の業務内容を教えてください。
現在は「DXコンサルティング」「業務・ITコンサルティング」「リスクコンサルティング」の3つの領域を中心に、企業のデジタル変革やプロジェクト推進に関わるコンサルティングを行っています。
DXコンサルティングでは、デジタル技術を活用した新規ビジネスの立ち上げフェーズでのコンサルティングや、ビジネスプロセスの見直しとデジタルツールの導入により主にバックオフィス業務の効率化・高度化をはかるデジタルBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)のコンサルティングなどを行っています。
業務・ITコンサルティングでは、サプライチェーン領域の業務コンサルティングから基幹系システムの導入・刷新に向けた構想策定、開発プロジェクトのPMO,PgMOなどのITコンサルティングまで幅広く行っています。
リスクコンサルティングでは、企業のリスクアセスメントやIT統制の評価などに加えて、新たな取り組みとして特権ID管理やIT資産管理などのコンサルティングを行っています。クラウド利用やロボットによる業務代替など企業のIT環境が大きく変化するなか、主要各国ではデータ保護に関する法整備が進んでいることから、セキュリティ領域のコンサルティングにも注力していきたいと考えています。
ーー注力している領域を教えてください。
デジタルBPR・特権ID管理などのDXコンサルティングやリスクマネジメント領域に注力しています。立ち上がったばかりのサービスなので、現在はサービス内容の企画や提案活動を行っています。
ーーどのような組織を目指していますか。
ARIのコンサルティングはまだ発展途中なので、コンサルティング単体での認知度が低いです。開発部門とシナジーを図りつつ、コンサルティング部門としてお客様から仕事をいただけるよう組織の成長を目指しています。
組織の成長には個人の成長が不可欠だと考えています。
基本的にはメンバーの自主性を大事にしています。経験豊富なコンサルタントが多く集まっているということもありますが、仕事との向き合い方やキャリアの考え方は人によって異なり、ライフステージによっても違ってくるはずなので、こうした方針を採っています。
これは決して個人の成長をスポイルしているわけではありません。
サポートが必要なメンバーには、最初に大きな目標設定をした後にプロジェクトの開始と終了時に時間をとって会話し、期待値の共有や成果と課題の確認、今後の方向性の再確認などを行なっています。メンバーの自主性に任せられるだけの自律的で余力がある組織を作り上げることは、私自身の最も重要な役割だと考えています。
ーーそのためにはどのような取り組みをしていますか。
本人のキャリアビジョンと案件内容(育成プラン)に多少のギャップが発生してしまうことがあり、マネジメントは難しいと感じています。
ギャップを少しでも小さくするために、アサインメンバーを想定しながらプリセールス活動を行っています。ただ、これだけをやってしまうと案件の幅が狭まってしまうのでバランスよく活動しています。
もちろん、メンバーから相談があった際には、全力で向き合いアドバイスをするようにしています。
ーー今後の展望を教えてください。
ARIという会社自体は知っていただく機会が増えてきたように感じていますが、ARIのコンサルティング部門については残念ながらまだまだ対外的に十分なアピールができていません。新たなメンバーも加わり組織として動ける体制が順調に整いつつあることから、今後は社外に向けて存在感を示せるような活動にも注力していきたいと考えています。
〜これから共に働く仲間へ〜
コンサルタント未経験でこれから新たなチャレンジをはじめる方には、まずは日々の活動を通じて自分自身を成長させることに文字通り全力で取り組んでほしいと思っています。組織が成長するためには組織を構成する個人の成長が不可欠です。そのため、最も伸びしろのある未経験メンバーの成長が組織の未来を左右するといっても過言ではないと考えています。
コンサルタント経験者で実績もある方には、クライアントワークでの成果だけでなく、自身のスキルや経験を組織の成長にどう活かせるかを一緒に考え、取り組んでくれることを期待しています。