【Amazon Launchpadストア】ショーケース設置の舞台裏。元自衛官、元葬儀社経営、バンドマンという異色すぎる経歴の3人が起こす化学反応。
and factoryはSmartphone Idea Companyとして、Smartphoneの持つ事業可能性に対してどこまでも真摯に取り組んでいます。Smartphoneを通じて様々な領域で積極的に挑戦を続けている弊社ですが、中でも“日本初”の取り組みとして注目を集めているのがIoTホステルブランド【&AND HOSTEL】です。
【&AND HOSTEL】3号店として先日オープンした【&AND HOSTEL UENO】では、Amazon社がグローバルで展開するプログラム【Amazon Launchpadストア】と連携し、革新的なIoT製品を世界に発信するショーケースを展開しています。この新企画の実現に向け奮闘したのは個性溢れるand factoryの中でもひと際異色な経歴を持った境、茶置、池田の3人衆でした。
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【Amazon Launchpadストア】ショーケースプロジェクトメンバープロフィール(写真右から)
【境 慧】 大学卒業後バンド活動に精を出す。音源制作やツアーの傍ら独学でデザインスキルを習得しデザイナーに転向。Webや動画など多岐に渡る業務に従事。2017年よりand factory入社。
【茶置 貴秀】 新卒でデザイン設計事務所に入社。オフィス移転のプロジェクトマネジメントに従事。退職後、現在の人の最期や葬儀のあり方に疑問を感じ、葬儀社を設立。2017年よりand factory入社。
【池田 幸司】 淡路島出身。高卒で陸上自衛隊へ入隊。一般社会でも活躍したいという想いでBtoBセールス支援サービスを行うコンサル会社へ入社。2017年よりand factory入社。
優れたIoTスタートアップをインキュベートしたい。【Amazon Launchpadストア】、【&AND HOSTEL】両者の想いが重なった企画。
ー【Amazon Launchpad ストア】ショーケースはどのような経緯で生まれたのですか?
池田:Amazon社との打合せの場で【&AND HOSTEL】が掲げているコンセプトや社会的意義についてご説明させていただきました。
【&AND HOSTEL】は近未来のIoTルームを設置することで宿泊体験を観光目的の1つとして価値創造するだけでなく、以下の3つの場となる日本初のユニークな《ファーストマーケティングプレイス》と考えています。
① 日本のIoT技術力を世界へ発信するプレゼンテーションの場
② IoTデバイスの技術開発/実証実験の場
③ IoTプラットフォーム構築の研究/改善の場
IoTスタートアップが育っていく場と機会を提供するという点で、【Amazon Launchpad ストア】プログラムの根底にあるコンセプトとシンクロする部分があり、ショーケース企画が実現しました。ショーケースデザインは境が、現場のディレクションは茶置が、社内とりまとめやAmazon社や協力デバイスメーカーとの折衝など全体的なディレクションは僕が担当し進めました。企画が決定してからの動きはスピードが求められる上、関係者が多岐にわたり調整が煩雑でしたが、メンバーが力を合わせて満足いくものができたと自負しています。
【&AND HOSTEL UENOで体験出来るAmazon Launchpadストアで販売中のスタートアップ製品】
※製品名ABC順
ー大きさも形状も様々な18個ものデバイスをどう見せるか・・・ショーケースをデザインする上で気を付けたことは何ですか?
境:Amazon社、ご協力いただいたIoTメーカー17社、弊社など関係者が多岐にわたっています。それぞれ立場が違うので、思惑というか主張したいことが違ってくるのは当たり前ですよね。でもこの企画の趣旨を考えた時、シンプルに『IoTデバイスを手に取ってもらえる』ことが、どの立場にとってもそして宿泊客にとっても大切だと。そのために2つのことを意識しました。
ひとつは言葉も文化も違う様々なお客様が、パッとみて「ここには先進的な製品が展示されている」と感じるユニバーサルなアイキャッチ。そしてもう一つは、単なるディスプレイとして眺めるものではなく、触れたくなる機能性です。
ー実際に現場に設置するにあたり、苦労した点は?
茶置:【Amazon Launchpadストア】ショーケースは、【&AND HOSTEL UENO】オープンに際してとても話題性をもたらしてくれるものでしたし、コンセプトを理解してもらう上でも非常に有効な取り組みだと感じています。でも、宿泊施設としてホステル本来の導線を阻害するものであってはならない。デザイン性や視認性を担保しつつも安全性や導線は守る。ぎりぎりの鬩ぎあいに本当に苦心しました。
ー訪れるお客様の反応は?
池田:先日【Amazon Launchpadストア】ショーケースを2時間ほど楽しんでくれている訪日のお客様を目にしたんです。実際に手に取って興味深く様々な確度から触れてくれている光景を見て、“宿泊体験を観光”に出来た!と【&AND HOSTEL】の価値を実感しました。
建築の知見を持つ茶置、デザインの専門家、そしてビジネスをカタチにする僕。3人のそれぞれの力が融合したからこそ、届けられた価値だと思います。
境:3人とも「良いものを作りたい」というのが基本なので、密にコミュニケーションをとりつつ、それぞれの知見を掛け算しあえたと思います。
茶置:そうですね。「IoTってこんなことまでできるんだ!」と感じていただける場になったと思いますし、Amazon Launchpadストアから購入もできるので、【触れられる、買える】ということでIoTデバイスをより身近にする機会を作れたと思っています。
実際に日常生活に取り入れるにはまだまだハードルが高かったり、性能的にも改善の余地があるものもあると思います。良い反応もそうでないものも、使用者のリアルな声をマーケティングデータとしてフィードバックしていくことも我々のミッションです。
異色な3人がand facotryにジョインしたワケ
ーところでみなさん、かなり特殊な経歴の持ち主ですよね(笑)
茶置:ぼくは前職は、葬儀屋でした。世の中にとって必要な仕事だと考えていましたし、自分で会社も興していましたので特に転職は考えていませんでした。そんなある日、今の上司である石田から「元気?」って軽く連絡があり食事をすることに。【&AND HOSTEL】について話を聞き、この事業を世に広めたいと思いました。納得いくまでとことん働けるのって、体力面でも気力面でも限られた期間だと思うのですが、その限られた期間をこの仕事にかけたいと思いました。
入社を決めたもう1つの大きな理由は、石田の人格です。以前から石田については、ずば抜けて行動力があって、物事をカタチにする力が非常に高い人だと感じていました。彼の働き方やマインドを知りたいと思ったんです。
境:大学卒業後、就職予定だった企業の内定を辞退し、幼少の頃から追い求めていた音楽活動を続けました。音楽を続けながらも独学でデザインの技術を磨き、今は仕事とバンドの2脚のわらじで頑張っています。ゼロから何かを生み出すという意味では、デザインも音楽も共通する部分が多いと感じています。根源にあるのは「誰に何を届けたいか」ということと「差別化の追及」ですね。
Wantedly経由でand factoryに何度か足を運んでいた際、石田がIoT照明Philips Hueを操作して見せてくれたんですよね。その時に純粋に「面白い!」と感じたのがand factoryに入社を決めた理由です。直観的にIoTの世界にワクワクしたもの感じたので、今実際にショーケースを形作ることができて嬉しいですし、これを通じてたくさんの方にIoTデバイスを手にとっていただけたらと思います。
ー池田さんは自衛官だった時期があるんですよね?しかも「体力検定協議会」で西日本の陸上自衛隊2万人の中でNO.1の結果だったとか?!
池田:まぐれですよ。まぐれ。今は普通の一般人です(笑)。でも厳しい規律のなかに身を置いていたことで、上下関係や仲間意識など心身ともに相当鍛えられて、自衛隊に入隊して本当に良かったと思っています。ただ自衛隊の体力No.1の賞を貰った時に、一般社会でも活躍出来るのではと思い、自衛隊とは真逆のIT業界に飛び込もうと決意しました。
その後はBtoBのビジネスに携わってきたのですが、目の前の顧客だけでなく、もっと広くエンドユーザーに認知してもらい、喜ばせるBtoCビジネスがしたいと思い始めたんです。そんな時、コンサル会社時代の元同僚の飯村から【and factory】の話を聞いて興味を持ちました。
さらに飯村の「出来上がったサービスをただ広めるのではなく、何もないところから自分たちのサービスを1から創ろう。かなり大変だけど絶対そっちの方が面白いし、0→1を一緒にやろう!」という言葉が心に響き入社を決めました。
ーみなさん【&AND HOSTEL】の可能性に魅かれてジョインしたんですね。実際にand factoryに入ってみてどのように感じていますか?
境:とってもやりがいを感じています。仕事に対して求められるスピードもクオリティーも非常に高いので、緊張感はあります。いや、ほんと、以前であれば半年かけて成立させていた仕事が1ヶ月でカタチになっていてすごいです。その分、アンテナをはって何でも貪欲にインプットするようになったと思います。インプットしないとアウトプットできないですもんね。
茶置:正直に言って・・・
めっちゃ楽しいです!
自分の仕事にやりがいも社会的な意義も感じていますし、そのやりがいある仕事を信頼できるメンバーと一緒にできる。もうこれ以上のことはないですよね。
池田:テレビ放映も増えたり、各社からのお問合せもいただいたり、注目していただいているなと感じています。また今回のAmazon社もしかり、素晴らしいプレイヤーとご一緒できていることを嬉しく思っています。それはand factoryに、そういったプレイヤーと協業できるだけの実力をもつメンバーが揃っているからだと思っています。
ー今後【&AND HOSTEL】拡大に向けて 自分の役割は?チャレンジしたいことは?
池田:【Amazon Launchpadストア】との取り組みのように、協業先を増やし、いろいろな方面を巻き込んでいきたいですね。
茶置:まず運営体制など足元を固めることはもちろんですが、境と協力してビジュアルアイデンティティーにもこだわっていきたいと思っています。全国にどんどん【&AND HOSTEL】を増やしていくうえで、ビジュアルアイデンティティーはとても大切な要素だと思うので。
境:そうですね。そこは確実にやっていきます。
あと、僕は最終的にはIoTを通じてヒトの体験をデザインしたいと考えています。テレビが発明されてお茶の間の過ごし方が変わったように、我々の事業を通じて人々の時間の過ごし方が変わったり、行動が変わるようなデザインができればと思っています。
池田、茶置: うんうん、それだよね!
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元自衛官、元葬儀社経営、バンドマン。一見なんの共通点もないようにみえる3人ですが、インタビューから見えてきたのは、人生における基本的なスタンスが非常に似ているということでした。
それは、自分がどうありたいかということよりも、「自分が世の中に届けるべき価値」について真剣に考え続けているということ。そしてその価値を生み出すことに対してストイックなまでに真摯に取り組む姿勢を持っていることです。
これまで別々な価値を届けるために違う人生を歩んできた3人ですが、彼らが次に価値を創っていきたい、世に広めたいと感じたのが【&AND HOSTEL】でした。これまで違う道を歩んできたからこそ、それぞれに得意分野があります。それらを融合させて新たな化学反応を起こし、【&AND HOSTEL】からどんどん発信していきますので、どうぞ今後の展開にもご期待ください。