and factoryの第1号社員としてジョインし、会社の成長を横断的に支えてきたデザイナーのヤン。デザインだけでなく、自身の感性を表現することで活躍を続けてきたヤンが何故日本に渡ることを決めたのか。入社の背景と「想い」を改めて語ってくれました。
梁 承熙(ヤン スンヒ)
韓国でダンサーとして活躍後、デザイン書籍を輸入する企業に入社。そこで日本の美大生が作った作品に感銘を受けたことから来日を決意。日本ではデザイン学校を卒業後、and factoryに入社。現在スクウェア・エニックス様との協業アプリであるマンガUP!のデザインを主に務めている。
幼少期から続けていた「表現すること」
子供の頃から絵を描くことが大好きで、当時は漫画家になりたいと考えていました。難しいことは分からなかったのでとにかくたくさん絵を描いて、その絵を人に買ってもらうことも経験しました。
一方で高校時代に出会ったダンスも衝撃的でした。「自分を表現する方法」としてどちらを選ぶか悩んだのですが、その時は若いうちしかできないダンスを選ぶことにしました。
プロダンサーとして自身が踊るだけでなく、プロを目指す人たちにも教える経験もしましたが、厳しい芸能の道。限界を感じて退くことにしました。
心揺さぶられる作品との出会い
ダンスを辞めた後、ご縁あってデザイン書籍を扱う輸入会社に入りました。1年ほど勤める中で扱っていた書籍の中に日本の美大生が作った卒業制作があったのですが、これがとても素敵だったんです!
韓国のデザインは教育の段階から「買われるもの」を強く意識したアウトプットを求められるのですが、その作品は感性が全面に出ていて、作り手の「想い」や「自由さ」を感じたんです。自分の感性をストレートに表現出来る環境に強く惹かれて、日本に渡ることを決意しました。
難航した就職活動とand factory
日本のデザイン学校を卒業して就職活動をしたのですが、外国人であることやスタートが遅かったこともあり、なかなか結果に繋がらず苦労しました。その中で出会ったのがand factoryです。
代表の小原と取締役の青木と面接したのですが、出来たばかりの会社らしくやる気に満ち溢れて、何より2人の人柄が良く楽しく働けそうだと感じました。また他の企業はまずポートフォリオで判断される印象でしたが、and factoryの場合は既に作りたいと考えているアイデアがあり、そのコンセプトに合わせてデザインを作ってみてほしいという具体的な課題をもらいました。こういった形は初めてだったのですが、何より私を見ようとしてくれている姿勢にワクワクしたことを覚えています。
チャレンジの連続で培った「強さ」
入社後は人数も少ない中で知恵も労力も集約してひたすらチャレンジの連続。とにかくできる限り早いスピードで良いと思うプロダクトをみんなで作り続けました。
今では何があったか思い出せないほど目まぐるしい毎日でしたが、成功も失敗もみんなで共有しながら、良い意味で「学生」のようなワイワイした雰囲気で楽しみながら仕事をしていましたね。今と比べたらクオリティはまだまだだったと思いますが、あの濃い時間があったから今の私がある。そのおかげでどんなことでも乗り越えられるぐらいHPが高くなったと思います(笑)。
大事にしていること
仕事をする上で大事にしていることが3つあります。
会社の行動理念にも重なりますが、「スピード」「信頼」「クオリティ」です。
一般的にデザインは時間をかければかけるほど、クオリティの高いものが生まれやすくなると言われていますが、事業の成長スピードが早い場合は足並みが揃わなくなってしまうことがあります。
優先事項としてスピードを求めると、多くの人は細部のクオリティは妥協せざるを得ないと考えるかもしれません。でも、それならば最大限クオリティを担保出来るような代替案を作ればいいんです。またアウトプットだけでなく、過程の「報・連・相」のスピードも大事。出来る・出来ないの判断だけでなく、出来ない場合もどうすればより良い形になるか、アイデアを周りの人に発信し続けることで信頼を得ることが出来ると考えています。
つまるところ「ヤンさんに任せて良かった」と言ってもらえるアウトプットを出し続けたいと思っています。これまでは自分の感性を頼りにしたものが強かったのですが、新たにロジカルな考え方も身につけて、より高い成果をさらに早いスピードで出せるようになりたいですね。
新しく入ってくる人へのメッセージ
and factoryは自由な環境で、やるもやらないも自分次第。「ディレクションに関わりたい」「新しいサービスを作りたい」など積極的なチャレンジが可能ですが、and factory自体がものすごいスピードで成長しているので、個々が責任を持ち高いアウトプットを続ける必要があります。
私もそうなんですけど、たくさんの結果を出したいと常に考えている、少し欲張りな人の方が合うかもしれません(笑)この早い環境を楽しんで真剣に仕事と向かい合いたい方、お待ちしています。