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【CEDEC 2019 シリーズ④】ニューラルネットワークのAIについての感想


皆さんこんにちは。2年目エンジニアの DH です。

私はCEDECでニューラルネットワークを使ったAIの応用例を学んできました。
まず、ニューラルネットワークって何?っていう方がいると思うので
みんなが大好きな犬で簡単に説明してみましょう。

ニューラルネットワークを犬で例えると?


生まれたばかりの赤ちゃん犬にお手をしても、
どうやったら餌がもらえるか分かりません。

なので走ったり、振り向いたり、寝たり、色んな行動をします。

その中で飼い主の手に手を乗っけた時に、
ちゃんと餌をあげるようにします。

そうすると犬はお手って言われたら、
手を出せば餌がもらえるぞ!って学習するわけですね。

そうすると次に手を出したときに犬はお手をするようになります。

つまりニューラルネットワークを使ったAIは、
“良いこと”をしたらご褒美をあげて、だんだん理想の行動に近づけさせるというものです。
(本当はもっと複雑なので、気になった方はご自分で調べてみてください!)

3Dアクションの敵AIをニューラルネットワークで?

私が一番興味深かったセッションは3Dアクションの敵AIを、
ニューラルネットワークで作ってみるというものでした。

さて、敵AIにとって先ほどの”良いこと”とは何でしょう?
私はやはり敵ですからゲームとしては
“プレイヤーにダメージを与える” というのを思い浮かべました。
発表されている登壇者の方も同じ考えだったようで、
はじめは単純にプレイヤーにダメージを与えたら餌(ポイント)を与える方法でAIを学習させたようです。
結果がどうなったかというと・・・


遠距離から永遠と同じ攻撃を繰り返すAIが完成していました!
すごい効率的ですね!でも違う、これじゃない感!
たしかに将棋の最強AIを作るなどの目的なら勝つために最高効率を出すべきかもしれません。
しかしゲームではプレイヤーを飽きさせない、興奮させるようなおもてなしをするべきでしょう。
実際の動画がとても印象的だったのですが見せられないのが残念です・・・

それから様々な “良いこと” を設定して理想のAIに近づいていきました。
例えば、敵に近づく、前回とは違う行動をするなどですね。
また、“良いこと”の設定をキャラごとに変えることで近距離系AI、遠距離系AIなど様々な種類を設定可能とのこと。幅が広がりそうです。

今回は3Dアクションゲームでしたが2Dアクションゲーム、RPG、シュミレーションなど、“良いこと” の設定を工夫すれば応用できそうですね。
例えばRPGでしたら “味方のHPをギリギリまで減らす威力の技を選択する” とか良いのではないでしょうか。
強すぎずギリギリの戦いを演じてくれそうです。

↓今回お話させていただいたセッションはこちらになります。

「強い」を作るだけが能じゃない!ディープラーニングで3Dアクションゲームの敵AIを作ってみた
株式会社Luminous Productions 上段 達弘 氏
https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5c8f2a755dbc1

その他のAIについてのセッション

最後に今回私がCEDECで聞かせていただいたAIのセッションを
簡単に紹介したいと思います。

AIにゲームをデバッグさせることは出来るのか? 〜ゲームAI専門会社モリカトロンの挑戦〜
モリカトロン株式会社 本城 嘉太郎 氏
https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5d1c06b2116c4

モリカトロンさんはゲームのデバッグを受け持つ事業をされているのですが、その中でAIにゲームをデバッグをさせるという取り組みをしているとのこと。
決まった操作を自動でしてくれることで人の作業の負担を減らしたり、
人間の操作では見つけづらいバグを見つけてくれるかもしれませんね。

ニューラルネットワークを用いた音声信号によるリップシンク(口パク生成)技術
株式会社CRI・ミドルウェア 押見 正雄氏・飯島 健太氏・上田 賢次郎 氏
https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5c99c80682572

入力された声に反応して3Dキャラクターがその文字通りの口の動きで口パクをしてくれるAIの紹介でした。
ただパクパクするだけでなく、”おはよう” ならちゃんと ”おはよう” の口の動きをしてくれます。
男性の声、女性の声、綺麗な声、だみ声など膨大な音声データをひたすらAIに覚えさせて実現させたとのこと。
完成された口パクモーションはリアルタイムで動かしてるとは思えないくらい自然に動いていました。
また、2Dアニメーション時代の口パクパターンを人力で作り続けた苦労話も聞けて大変興味深かったです。

いかがだったでしょうか。
ゲーム内のロジックのAIだけでなくゲームを盛り上げる要素、検証する仕組みにもAIは応用されているようです。
今後どのような応用がされていくのか楽しみですね。

(DH)

元サイト:https://blog.amata.co.jp/2019/10/29/cedec2019-2/
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