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スタートアップだからこそ知っておきたいCloud Adoption Framework(後編)

◯Azureの何からやればいいの?

CAFはAzureのものなので、Azureの話をしなくちゃいけません。

Azureランディングゾーンというものがあって、これはサブスクの中で作るべきリソースのまとまりです。

このランディングゾーンを意識するといいと思います。



まずコストマネジメント、モニターの仕組みがあって、そしてモニターの仕組みからシェアードサービス、ネットワーキング。

さらにネットワークウォッチャー、セキュリティセンターのような外部サービスと連携してガバナンスを保ちます。

IAM、Policyのようなセキュリティが入ってきて、ガバナンスとの間にアプリケーションが入ってきます。

それがアプリケーションテンプレート。

AzureだとARM(Azure Resource Manager)が入ってきたりします。

このランディング全体を考えて、まずはAzureを設計するのがいいという話です。

ただAzureランニングゾーンの設計ってすごい難しいんですよ。結構時間がかかります。

そこで僕のおすすめはブループリントです。



CAF基盤のブループリントが予めあって、これをAzure上に作成して導入します。

ランディングゾーン内のアプリケーションは、ガバナンスと管理が出来上がったら導入していく。

そのブループリントには

Azure Active Directory

Security Center

Azure Policy

が入っています。

それら外側と連携できるようなグループ連携の中には

Storage Accounts

Log Analytics

Key Vault

のようなリソースが最初から入っています。

ここに自分だけのアプリケーションを載せて連携させていくという考え方です。

このARMのテンプレートがあるので、これを使ってまずデプロイしてみて、そこにアプリケーションを載せていくというやり方ですね。

そうするとクラウドネイティブな使い方が最初からできるわけです。


◯まずテンプレートを埋めることから始めよう

既存のシステムを移行するか、新たにクラウドを導入するかという論点もあります。

新しくビジネスを立ち上げるか、それとも既存のビジネスを刷新させるかということなのですが、どちらにするかでアプローチも変わりますから、決めていく必要があります。

そこでお伝えしたいのが合理化の5Rプランニング



リホスト、リファクター、リアーキテクト、リビルド、リプレイスの5つのRです。

これは移行かイノベーションかを決める時に使える計画です。

やたらと色んな計画を作り散らかすよりも、この5つの計画から選んだ方が早いです。

まずリホスト。

これは既存のレガシーな仕組みの構成を崩さずにAzureに持っていくやり方です。

リフト&シフトという手法で持っていく場合も多いんですが、ホストが変わるだけなので、僕はあまりお勧めしていません。

リホストをやったところでクラウドネイティブにならないし、課題が残っちゃうからですね。

おすすめと言いますか、まず目指すべきところはリファクターです。

リファクターは既存のサーバー、インフラ側のアプリケーションだけを取り出してパッケージ化し、PaaSに移行するやり方ですね。

これはコード修正がどうしても入りますが、最小のコード修正でいけるはずです。

リアーキテクトはさらにマイクロサービスに再設計するもの。

リビルドは全部作り直しです。いわゆるスタートアップはリビルドから始まりますね。

もう一つ、スタートアップでやっているのがリプレイス。

ビジネスを運用する基盤を自分たちの好みで一から作るのではなく、SaaSに置き換えてやってしまおうというものです。

これが合理化の5R プランニングです。

他にも多くのステップ、ツールやテンプレートがあり、クラウド導入のための動きが網羅できるようになっています。

CAFは広大な領域をカバーしているので、まずはテンプレートに情報を埋めることから始めるといいでしょう。

そこから始めるだけでも価値があります。

チームメンバーで集まって一緒に書くのもおすすめです。


◯CAFは手を動かす仕組み

CAFはスタートアップにおけるCIO的役割があるんじゃないかなと思います。

クラウド導入をベースとしながらも、組織や経営KPI、セキュリティ、統制ガバナンスなど経営に必要なやるべきことが一式入っているので、エンジニア出身でない経営者はとても有効で活用できます。

スタートアップにはエンジニア出身者もいますが、そうでない方もいるわけです。

ぜひCIO的な役割としてCAFを導入して頂くのがいいかなと思います。

スタートアップにとってクラウドは経営そのものです。

CAFを通じて経営におけるクラウド戦略を実践し、DXできるようにする。

それがスタートアップの使命だと考えています。

CAFを使って単にクラウドを導入するのではなく、クラウドに適した企業文化を作り、クラウドと共に成長するビジネスポートフォリオを作っていくことがとても大事ですね。

今回は以上です。

ではまた~(おわり)

☆本記事はオルターブースYouTubeチャンネルの配信動画をもとに再構成しています。

☆配信動画の本編をご覧になりたい方はこちらから!(小島発表パート 1:41:32~2:03:17)


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