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【備忘録】北海道食品事業者応援「スマイルマルシェプロジェクト」を立ち上げてみた、まとめ(裏側編)

最初の町でスライム倒し続けている場合じゃない!

企画から実施まで10日ほどでスタートしました。
 その間に、大手の企業なども巻き込む一方で、とにかくスタートすることに固執しました。通常なら、様々な企業を巻き込む中では各社の稟議や情報共有、細部確認などが必要なことになってくるかと思います。「急がば回れ」で1つ1つ確実にして確認していく方が結果的には早く到達する可能性があるのもその通りだと思います。後述しますが、判断ミスや共有の遅れなどそんなことやまほどありましたし(笑)
が、そんなこと関係ない。
 北海道物産展の中止、観光業のほぼ100%STOPで売り先が0に近くなった事業者が困っていて、彼らを応援出来ないか、から始まっているので、困っているのは分かるけど、こちらが準備万端までまっていてねとはなりません。ドラクエみたくボスキャラは倒すまでのんびりまってくれているので、スライムを倒しまくってレベルアップして装備を整えて、なんてしている暇はないのです(笑)

パーティを組むには、魔王が必要!それと専門職業!

1.目標とコンセプトで即座に事業者を巻き込む
 イオンモール旭川駅前とヤマト運輸からお話をいただいたとはいえ、プロデュースと運営はまちがいなくこちら、そしてそのためには巻き込む企業が必要となってくる。しかし、先ほど書いたようにスピードを緩めず進めたい!ということで、重要なのは明確な目標とコンセプトです。
目標は、共感しやすい「北海道食品事業者の応援」とし、コンセプト(何がしたいのか)は、「ペイフォワード(恩送り)」とし、この活動を通じて多くの北海道食品事業者の売上に貢献し、笑顔を生み出すことに価値があるとして口説き落としていきました(笑)
 魔王を倒すという明確な目標と、魔王が倒された後の平和な世界をつくるということが分かりやすいからこそ、仲間になってくれる人がいるのです。あ、でもドラクエだと倒した敵が仲間にして欲しそうにこっちを見てくることも・・・(笑)まぁこれは、最初は敵対的だったり我関せずな人たちが、こちらの熱量や気持ちを汲み取って、なんてきれいごとではなく、こちらを利用した時の打算が動いた時に声をかけてくるアレと同じか・・(笑)今回もいたな~、応援団に入りたいといって何1つリソース提供も出来ず、こちらのお願いも1つも受け入れられなかった会社...( = =) トオイメ目
 とはいえ、この目標やコンセプト、なんでもかんでも綺麗に着飾ってしまうのも諸刃の剣です。良いことしてるんだからというような感覚に陥りやすいですし、独り相撲にもなりがちなので唱える時は気をつけましょう。

2.稟議が不要な範囲で動く=通常運転の範疇での協力を要請する
 数年前にもドラクエを題材にというか事業に照らし合わせて講演をしたことがあるけど、やっぱりドラクエってヒットしたのが分かるな~、音楽やビジュアルなどはもちろんだけど、よくできている。カジノでスロットにいって、Bボタン固定して一晩中寝ている間にお金稼いだのが懐かしい・・(世の中そんなに簡単に大金は稼げませんがw)
 話がそれましたが、目標やコンセプトとなる魔王の存在のように大事なのが、「餅は餅屋」ということですね。色々な企業や人を巻き込む際に、稟議や確認という行為は大なり小なりついてきます。なんでもっと早く決めてくれないんだろう、とか思っていてはダメです。
 ポイントは、すぐに決済できる範囲のものごとを最大化して求めること!
 スポンサー(資金)集めの時は話が別ですが、お金よりもスキルとスキームがあれば動かせることの方が多いと思います。なぜなら、結局お金を使ってスキルとスキームを購入しているからです。今回の応援団各社には資金援助をしてもらってもいませんし、申し出てもいません。求めていたのは各社のもっているリソースの活用です。イオンモール旭川駅前には、場所を提供してもらい、ヤマト運輸には流通とネットワーク、旭川信用金庫には食品事業者の声掛け、など。例えば、AMAYADORIはSouseiMarcheのロゴを依頼した経緯があり、今回その派生形ということで、スマイルマルシェのロゴを制作してほしいと依頼して数日で完成させてもらいました。各社、出来る範囲のことをお願いして、それが足されて行けば1つのパーティとなるものです。
 それと、もちろん相手側にも得する何かは必要です。先ほど書いた打算が先にある企業は論外ですが、熱量とそれに見合う対価が何かを見極めなくてはいけません。それも各社それぞれですので、こちら側も相手企業や相手業界のことを何も知らずに飛び込んでいって好き勝手想いやコンセプトを説明してもうまくはいかないと思います。今回の応援団企業も兼ねてから付き合いがあり関係性もある企業に声をかけています。これは、私自身のネットワークというリソース活用ですね。

コンティニューも無ければ、教会で復活の呪文も存在しない!いざ、討伐へ!

さて、目標もありパーティも組んだ!あとやることは、街を出てモンスターを退治していくことですね。
 何が大事か?それは「覚悟」ですね(笑)ドラクエと違い、仲間が死んでも教会に行けば蘇るわけでもないですし、全滅したらセーブポイントから戻れるわけではありません。ということで後にはひけない覚悟をもって進むしかありません。
 スピード命!でやってますので、準備万端、完全無欠とはいかず、進めながら完成へとしてますので、当然ボロとミスはお友達です(笑)致命傷を負わない限り、薬草を食べて回復しつつ(つまい即座に業務改善・修正)前へ前へと進むしかありません。
ということで、いろんな予想外や修正などの中から、まさに備忘録として思い返せるようにいくつか書いていきます。

■北海道物産展なのに1商品、お楽しみセットの爆発
 これ、意外と誰からも突っ込まれない(思っていた人は多そうだけど)のですが、サイト開始直後にひとまずと掲載した「お楽しみセット」(現在販売終了)が前回書きましたが10日で12,000件も売れましたが、北海道物産展っていいながらこの1アイテムでいいのか?と。
 実はこれ、当初は順次様々な事業者の商品を販売していく予定でした。(現在の新サイトが当初のイメージです)
 が、あまりの売れ行きにその対応だけでパンクしてしまい、到底他の商品を準備・掲載する時間がとれませんでした。そう、これも準備不足の失敗と言えば失敗ですね。

■配送が明らかに間に合わない
 そして、そんなに大量注文が来るとは思ってもみなかったので、発送準備が明らかに間に合わないことが明確でした。出来るだけ多くの事業者の商品を、出来るだけバランスよく詰め合わせをとパズルのような組み合わせを、
事業者の在庫数量とリードタイムなどを計算しながら延々とパズルの組み立てをしていきました。と同時に、出てくる問題として

ー配送のキャパオーバー
 当初予定していた場所では広さも人手も全く足りなくなりました。そこでヤマト運輸と調整して旭川にある北北海道の荷物が一度集まる広いヤマトの拠点を配送拠点とし調整し難を逃れることに成功

ー配送日時と遅延の案内
迅速な発送にはいけないことが分かったので購入者へお詫びのメールをしましたが、驚いたことに、数百名の方から暖かいご返信をいただきびっくりしました。中にはこちらの体調にお気遣いいただく方まで。これにはスタッフ一同元気をもらいました。
(もちろん、お叱りの声もいただいております)

■そもそもSTORESでは限界がきた
当初、オンラインサイトでSTORESのサービスを活用していましたが、明らかに限界がきました。誤解を招くと困るので最初に言っておきますが、STORESの仕組みがダメというものではなく、手始めにちょこっとオンラインショップをやってみるという方にとっては無料で始められることも含めてSTORESはいろいろな面で重宝しますが、本格的な事業体制でオンラインショップをやるには機能が足りていませんでした。これはこちらの想定外としかいいようがありません。

 例)受注伝票が全員分でてこない
 途中で、お客様からまだ発送されていないとお問合せをいただき、順番にやっているはずなのに?!と思い調べてみると確かに抜けていました。CSVで受注データを一括DLしていたのにも関わらずです。で、STORESに問合せたところ、5000件までしか一括でDLできないと。しかし、1日で5000件を超えていると、STORESの仕組みでは時間まで区切っての検索機能がなかった為、結局1つ1つ手作業で引っ張り出す作業になりました。

 例)問い合わせ対応がSTORESでは出来ない
 これも、大量に問い合わせがくるとこうなるのか~と思いましたが、お客様はSTORES経由で問合せしてこれるのですが、こちらからSTORES経由で返信ができず、これが1日1件程度なら気になりませんが、数百件とかにもなると都度メールアドレスをコピーして別のメールソフトから返信。後でかくにんするにもSTORESとメールを両方確認しないと追っかけにくいという問題もでてきました。
 結果として、1か月でオンラインショップをちゃんとやるには何が大事かが見えてきたので、新しいサイト構築をする際には、費用が多少かかっても自由度があり、かつそのシステムの中で大半のことが完結するものを探しだし、今はMakeShopを活用してサイトを構築しています。

■どうする?問い合わせ対応が間に合わない
 機能としても書きましたが、何せ問合せ対応がメール・システム・電話経由でどんどんくるので対応が間に合わない状態が当初続きました。問い合わせ対応が遅れることでまた問い合わせとお客様不満が増幅・・・と。
 そこで、弊社の中にコールセンター経験10年のつわものがいたので、彼女に問合せ対応業務のみをひたすらやってもらうことになり、解消しました。この時ほど彼女が頼もしく思えた日はない!(本人にも伝えましたが笑)

■支払いが間に合わない!
 これは裏話も裏話ですが、食品事業者の応援プロジェクトでいかに資金を早く回してあげるかというのも重要だと考えていましたが、割と早い入金サイクルでもできますよという提案を食品事業者へしていました。
 明確な事業者批判へと繋がるので細かい部分は政府の機密文章よろしく真っ黒な感じになるので箇条書きにしますが、
 ・当初の予定をはるかに超える売上がたち
 ・当初予定していた、キャッシュフローができなくなり
 ・ファクタリングで何とか急場をしのぐことに成功
というドタバタ劇がありました。結果として事業者へは支払いができましたが、ファクタリングを活用したこととその額が大きかったことで手数料も莫大、12000件も商品を販売した結果、送料無料(もちろん弊社負担)などもあり、売上数千万、利益0円(むしろマイナス・・・)というまさに支援事業?慈善事業?状態に陥りました(笑)
 そして、持続化給付金の対象からも見放されましたよね...( = =) トオイメ目

差別化とブレイクポイントは何か?

とまぁこんな感じで少しの例を書いても色々とやらかしておりますが、一方でここまで伸びた理由はなんだろうか?というのも気になります。私の推察としては

■早かったから
■ネーミングがキャッチ―だったから

の2つかなと思います。
 4月上旬、札幌商工会議所のSOSなども話題になっていたりもしましたが、先行事例はまだまだ少なかったです。スピード命!が功を奏したのだと思います。4月後半~5月に入り、よやく大手企業や有名どころが同様の取組を、まさに稟議と合意と準備をしっかりしてスタートされております。大手はネームバリューがありますのでそれだけで売上もとれることと思いますし、様々な企業が取組をされるのはとてもいいことだと思います。うちは各事業者には怒られるかもしれませんが、大手有名お菓子屋さんのような全国的なネームバリューがある事業者ではないところへの支援が中心なので差別化もできておりますし。
 それと、オンライン北海道物産展というサイトのネーミングがメディアやSNS含め分かりやすく興味を持ってくれたのだと思います。ネーミングはやはり大事ですね。。。苦手ですが(笑)

お客様の声、喜怒哀楽もあるが・・・前へ前へ

今回の取組では、お待たせしたり思っていた商品と違ったりというお叱りの声などもそれなりにいただきました。分母が大きければ割合が小さくてもそれなりにあります。こちらの不手際が原因でのものもありますが、残念ながら趣旨を理解されていなかったり、思い込みだったりというのもあり、そうしたのも改めて勉強になりました。
 が、その一方で先ほども書きましたが、嬉しい感想をくださるかたも大勢おり、このプロジェクトをやってよかったなーと本当に思いました。(いいがかりクレームを受けている時は、こんなのやるんじゃなかったかなと思うこともしばしばありましたが笑)
 そして、概要編でも書きましたが、売上の一部を活用した子ども食堂の準備も進めているので笑顔の連鎖、ペイフォワードを続けていきたいと思います。

余談:やっぱり北海道食材はうまい!

と、まぁこんな感じで裏側の話もまだまだありますが、ひたすら長文になってしまいますので、重要なところだけを備忘録として残しておきます。
 最後に余談ですが、今回こうしてプロジェクトを通じて数十社の事業者と取引をすることとなり、お菓子から海産物から知らない商品とたくさん出会いました。その全てを食べるには時間がかかりすぎてできておりませんが、食べていく中で、やっぱり北海道は食の宝庫だしどれも美味しいな~と感じました。
 中でも、マーレ旭丸さんの「じゃがいか」この商品は、当初の予想していたクオリティとのギャップもありますが、めちゃめちゃ美味しかったです!


食品としては「いかとじゃがいもの煮つけ」なんですが、いかの味が染み込みまくっており、かつほくほくさが絶妙なじゃがいもがなんせ美味しい!!
もうこれだけをひたすら営業して売り歩きたいぐらいに美味しい!!
が、しかーしやはり旨いものにはこだわりがあり、その美味しさがだせる9月にしか仕込まないとのことで、気に入って詰め合わせセットなどにもばんばんつかっていたら、まさかの仕入終了となってしまいました(笑)
9月に仕込み終わったら、早速また仕入させてもらい、まずは私が食べよう・・・何せ、発送で使いすぎて結局1袋しか食べれなかった・・・。

コロナ問題落ち着いたら、こうして出会った食品事業者さんのところへ訪問する北海道行脚をしていきたいなと思案中。。。

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