こんにちは。広報の伊藤です。
前回の創業インタビューに続き、第2弾として、『おとりよせネットのセールスプロデューサー・田中愛』のインタビューです。
日本最大級のお取り寄せの情報サイト『おとりよせネット』で、全国各地のお取り寄せ品や販売するEC・通販ショップさんにたくさん出会い、店舗サイトへの送客や認知度をあげるために日々奮闘しています。
食品通販の地方店舗を支えるセールスプロデューサーとしての仕事を語っていますので、ぜひご覧ください!
全国のおいしいお取り寄せ品を、モニター審査員が食べた口コミとともに紹介する「おとりよせネット」。そこで数々の掲載店舗を人気店舗にしてきたのが、セールスプロデューサーを務める田中愛。「店舗に寄りそうようにしている」と語る彼女の“手腕”とは?
慣れないWeb業界への転職。基本は対ヒトであることを忘れない
「みんなの暮らしを、もっと楽しく、わくわく、心地よく」 をビジョンに複数のライフスタイルメディアを運営するアイランド。2003年には「おいしいお取り寄せの逸品」を選りすぐって紹介する、お取り寄せの情報サイト「おとりよせネット」をスタートし、2018年秋で15周年を迎えます。
日々たくさんのお取り寄せ品に出会い、販売するEC・通販ショップとユーザーの架け橋役を担うのが、2006年アイランドにジョインしたセールスプロデューサーの田中です。元々アイランドのサービスのユーザーでもありながら、30代を前にまったくの異業種からの転職でした。
田中「前職では、電力会社のPR業務をしていました。電気を使った料理イベントを企画したり、展示の案内をしたり、ITとはかけ離れたところにいました」
入社後は、料理ブログのポータルサイト「レシピブログ」、朝のライフスタイルマガジン「朝時間.jp」の広告営業担当となります。
「レシピブログ」では食品メーカー、「朝時間.jp」では寝具メーカーなどが営業先となり、それぞれのサービスごとに広告プランも業種も異なるため、最初は戸惑いを感じながらも、田中は人とのコミュニケーションが好きだと感じるようになりました。
その後、2015年から担当となった「おとりよせネット」では、広告出稿している食品EC・通販店舗ごとに広告メニューをカスタマイズして提案する必要がありました。
田中「営業自身も企画を考えていく。だから肩書きはセールス“プロデューサー”なんです」
「おとりよせネット」がスタートした2003年頃は、お取り寄せ市場がまだ今ほど認知されていない状況でした。生活スタイルの多様化やスマートフォンの普及に伴い通販需要が盛り上がり、「おとりよせネット」もメディアに取り上げられることで認知度も高まりました。2018年現在は、食に感度の高い30代から40代の女性がメインユーザーとして利用しています。
また、サービス開始当初からのコンセプトとして、「店舗の規模の大小に関係なく純粋においしい物を紹介する」、「全国のおいしい物を扱う店舗にスポットを当てよう」という想いがあります。
田中「店舗は1人や2人という少人数のショップから、デパートに商品を卸している店まで様々。その中で、『おとりよせネット』に掲載している商品は4500にもなります。担当しているものは、基本、全部食べているので、舌が肥えすぎて困ることもあります(笑)」
狙うは地方再生。掲載された店舗が年末年始も休めないほどの人気店に!
「おとりよせネット」を担当してから、以前のやり方ではうまくいかない場面が増えます。「おとりよせネット」に掲載されている、食品EC・通販店舗の中には、年輩の方でパソコンが苦手な人もたくさんいました。
そこで田中は、まず相手の話を徹底的に聞くことを大事にしました。時には、1時間も電話で話すことも。
田中「基本はできる限り、直接、相手先に伺うようにしています。でも九州や大阪など店舗が遠方の場合もあります。その場合は電話やメールを駆使したやりとりにしています。また、SNSでつながっている店舗の場合、新商品の発売や、サイトが新しくなったという情報をあらかじめ調べておいて、店舗との会話に盛り込むようにして、距離は遠くても、心は店舗の近くになるべくいられるように心がけています」
「相手の要望を伺ってそれをいかに真摯に返していくかが大事」――おとりよせネットの広告プランは複数あり、その効果をうまく店舗に伝えることができるかが、セールスプロデューサーの手腕にかかっています。
掲載商品によっては、宣伝効果が出るまでが長期的になってしまう場合もあります。「おとりよせネット」の広告プランは、基本的に年間契約なので、どのシーズン、タイミングで注力していただくか、どの商品を売り出していくかが重要となります。
売上に貢献できた提案ケースが、山形県の「かわいい動物パンの店Shou Shou」さん。金太郎あめのように、食パンを切ると可愛らしいパンダやうさぎの顔が出てきます。
まさにインスタ映えも狙えそうなユニークな食パンは、女子会をテーマにした広告特集のテーマに合うはず。そう考えた田中は、掲載を提案しました。特集に掲載された後は、「おとりよせネット」ユーザーからの送客効果が高く、年末年始の休みがないくらいの注文が殺到しました。2018年3月現在も、注文から発送まで1カ月もかかるという人気ぶりです。
田中「各店舗に合わせた時期や特集を提案できれば、地方に沢山あるショップをはじめとした、地方創生を盛り上げていけるかもしれないと自信につながりました。もちろん、全部同じ対応でやればよいと言うわけではなく、プロデュース力が重要だという点にセールスプロデューサーという仕事の奥深さを感じています。
少人数で運営している店舗でも、毎年売り上げを伸ばすことができる。規模とかまったく関係なく、ECをうまく使うと売り上げや認知度も上がり、広がっていく面白さがあるんです」
売り上げゼロからヒット商品開発まで……店舗との終わりなき二人三脚
田中が「おとりよせネット」で、基本としている姿勢は変わりません。
田中「常に現状把握を心掛け、どうしたいのか店舗に聞くようにしています。その中で、おとりよせネットとして店舗にできることを検討し、店舗に合わせてカスタマイズしています」
しかし最初から、順調に売り上げが伸びる店舗だけではありません。「おとりよせネット」に掲載されている店舗の中でも、大阪の「甘泉堂」さんは、最初は自社だけでの集客に苦戦されていた店舗のひとつでした。実店舗自体の売り上げが落ちていたため、何か手を打たないといけないと考えネットショップを開設。しかし、2年間もの間、売り上げがゼロだったと言います。
そこで、商品を「どういう風に売っていけばいいのか」と思い検索をしていたところ、「おとりよせネット」と出会います。「ここで一度試してみよう」という甘泉堂の岸谷辰也さんの決断が、奇跡を呼びます。主力商品でもある「生チョコ大福」という商品が、「おとりよせネット」に掲載して2、3日の間ですぐに売れはじめていったのです。
岸谷さん「個人の和菓子店は、春冬が強いんですが、夏物がまったく売れません。しかし『おとりよせネット』の検索自体は母の日やお中元の季節である5、6、7月が伸びるというアドバイスが、当時の営業担当者の方からありました」
「その時期に売れる商品を持っていない。適切な時期に売れる商品を当てはめれば効果が出る」――そう考えた甘泉堂の岸谷さんは、新商品を考えて「おとりよせネット」への掲載を決意。なんと閑散期であった夏が繁忙期に変わりました。田中が2015年から営業担当になり、アドバイスとともに年間プランを積極的に活用し、2017年は前年比120%増の売上を達成しています。
セールスプロデューサーとしてこれからも良質なサービス提案を店舗へ
最近では、ECサイトを利用し買い物をするユーザーも増え、店舗側も全国で商品を売りたいと考えるようになっています。その中でも、「前回出した時こうだったから次はこうしたい」と、計画を練るような店舗もあります。
田中「『おとりよせネット』の特集に載せる前にサイトのリニューアルを勧めたり、『写真を変えてみませんか』と提案してみたり、店舗のプロデュースを積極的にしています。良くしたいと思うと終わりがないんです」
「おとりよせネット」は、ECサイトの売り上げというよりは、店舗サイトへの送客や認知度をあげるお手伝いになるので、いかにそこを増やすかというご相談になってきます。
田中「どういった商品であれば効果が期待できるか、最近はこんな商品が話題になっているなど、編集部にも相談をしながら一緒に考えて提案していくようにしています」
すべての店舗に「おとりよせネット」からの効果を感じてもらいたい。そのために、今日も田中は店舗とのコミュニケーションに試行錯誤しながら、より良いサービスを目指しています。