農業求人サイト「あぐりナビ」誕生までの軌跡~創業ストーリー 特別編②~ | 創業ストーリー
2018年7月1日、農業ビジネスを多角展開するアグリメディアと、農業人材トップのアグリ・コミュニティが合併をしました。アグリ・コミュニティが農業人材サービス「あぐりナビ」を立ち上げ、一気に国内ト...
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2018年7月1日、農業ビジネスを多角展開するアグリメディアと、農業人材トップのアグリ・コミュニティが合併をしました。アグリ・コミュニティが農業人材サービス「あぐりナビ」を立ち上げ、一気に国内トップシェアまで駆け上がった軌跡や、合併して新アグリメディアとして再スタートを切るまでの経緯をご紹介します。
~前回までのあらすじ~ 2014年7月7日、鍵と熊谷は農業総合ポータルサイトとして「あぐりナビ」をローンチしました。ところが「何でもサポートします」という営業スタイルが通用せず、開始2週間で“農業求人サイト”へと軌道修正。それが功を奏し、さらに不眠不休の営業活動により、徐々にビジネスを軌道にのせていきます。
「農家を直接訪問して、ニーズを聞く」というスタイルで、農業求人サイト「あぐりナビ」は、創業からすぐに順調に業績を拡大していきます。すぐに軌道にのった理由について2人は「初年度から絶対黒字を掲げていたこと。とにかく利益を出さないと生きていけなかったから」と話します。
当時SMS出身で起業する人は皆、同社創業者の諸藤周平(現・アグリメディア社外取締役)から出資をうけて起業をする人がほとんどでした。「お前らもそうなんだろ」と周りは思っている中「俺たちは自分たちのお金でやる」と宣言していたこともあり、「一切出資は受けるつもりが無かった」(熊谷)。とにかく早期に黒字化していく必要があり、2人は常に「キャッシュ(現金)は今どれくらい残っているか」を意識していた、と振り返ります。
そんな背水の陣で臨んだ営業活動も軌道に乗り、創業初年度から一定の売り上げをあげます。「何となくいけるぞ」となった時から、新たに強力なメンバーが次々に加わり、スケールさせる体制をいち早く整えます。2人の役割も、現場の営業を回っていくことから戦略づくりや経営管理に移行していきます。2人の役割も、事業推進は鍵、経営管理は熊谷と明確に住み分けていきます。
順調に業績を伸ばして、2014年の創業から3年で初年度の8.5倍の売り上げまで拡大しました。それまで、人材に特化して事業を展開してきたアグリ・コミュニティ。「農業インフラを構築し続けることで、世界を変えていく」をミッションにかかげ、ビジョンの1つにも「農業界において新たな領域に対して次々と事業創出」とあるように、2人の構想は〝人材事業〟に留まりません。
「起業した時点で、農業の中で人材マーケットがそこまで大きくないのは分かっていた」(鍵)。「人材以外へもビジネス展開するイメージではいた。ただ3期目まではとにかく人材事業を拡大することをマイルストーンとして置いていた」(熊谷)と、あくまで人材事業を皮切りに農業界全体へのインパクトを目指していることを強調します。
その言葉どおり、2016年からアグリメディアと共に歩む道を決め、2人が手掛ける領域は人材以外の分野へと着実に拡大していきます。
きっかけを作ったのは、アグリメディア社外取締役の諸藤周平でした。鍵、熊谷の2人はSMS退社後も、定期的に同社の創業者である諸藤周平に、月に1回程度の相談の機会をつくるなど「何かあったらいつでも声をかけて」と言ってもらえる関係を継続していました。その諸藤周平のアドバイスもあり「今後、会社をどうしていくのか」を真剣に考え出していた時でした。
2人は諸藤周平の紹介で、彼の弟でアグリメディア代表取締役の諸藤貴志と出会います。そして2016年8月に、農作業を学びたい人材と人手不足の農家を結びつける「ファームヘルプ」で業務提携。これにより両社は近づき、その中で諸藤周平が「一緒になったら」と声をかけたのがはじまりでした。
この話を最初に聞いたときは「可能性は広がるだろうと思う反面、単独でもいけるかもしれない、などと色々悩みました」(熊谷)「その時まだ創業して2年ちょっとだったので早すぎた」(鍵)と、2人は逡巡していました。
最終的に2人が決断をしたのは「ミッションが同じだったから」。「その共通のミッションをスピーディーに達成するための手段は、単独なのかそれとも一緒になることなのかと考えた時に、一緒になったほうが早いでしょ」(熊谷)となり決断しました。2017年4月にアグリ・コミュニティがアグリメディアの完全子会社になり、さらなるスピードアップと効率化のために、2018年7月1つの会社となり新たなスタートを切りました。
「とにかく決めたら(行動は)早い」と自らが口をそろえる2人が、「より早く、より大きくするための最良の選択」と語る両社の合併。そのスピード感と圧倒的なコミット力で、今後の〝新アグリメディア〟を引っ張ります。【完】
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