【テックブログ】企業が所有する機器を管理、Oracle Maintenance Cloudについて
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Oracle Maintenance Cloudとは
クラウドと名前についていますが、「クラウド」の語から思い浮かぶネットワーク越しにサーバーやストレージを利用するサービス形態を指すものとは異なります。Oracle Maintenance CloudはSCM(サプライチェーン・マネジメント)内のモジュールの一つで、企業が所有する製造や物流などのプロセスを効率的に管理するためのツールです。
Oracle Maintenance CloudはSCMモジュールとして、所有する機器(機械や設備やコンピュータなど)を管理します。企業が所有する機器は数も種類も多く存在するため、管理も効率が求められます。所有機器は「アセット」ともいい、ビジネス用語としてのアセットは、「企業が保有する換金性のある資産や財産」であり、「現在から将来に活用することで収益をもたらす価値のあるもの」を意味します。
Oracle Maintenance Cloudを詳しく見ると以下の二種類の役割があります。
1.予防メンテナンス
2.作業オーダー
所有機器を定期的にチェックする予防メンテナンスにより、壊れる前段階での修理に対応します。Oracle Maintenance Cloudは、所有機器の状態をモニタリングし、必要なメンテナンスを予測、計画を立案できます。所有機器寿命を延長することで、トラブルも未然に防ぐ効果が期待できます。
作業オーダーは、所有機器の修理や点検を行う指示書に相当します。Oracleメンテナンスクラウドは、作業オーダーを作成し管理をサポートします。また、メンテナンス記録やアセット(所有機器)状態のレポート出力も行い、メンテナンスの進捗状況の把握も容易です。Oracleメンテナンスクラウドは、企業の資産である所有機器の効率的な管理、トラブルを未然に防ぐツールと言い換えることもできます。
参考:Oracle Maintenanceの概要
自社所有機器の保守管理を行うモジュール
OracleのSCMの1モジュールとしての保守管理(=MNT)をMaintenance Cloudといいます。モジュールの仕組みは生産(WIP)に近い形です。
※サンプル画像
Oracle社が想定している利用方法
「Oracle Maintenance Cloud」をOracle社としては工場の生産用機械など資産を保守、固定資産で管理することを想定しています。また、自社が保有する生産用機械などのメンテナンスを管理することを目的としたモジュール作成や、資産登録してOracle ERPのFA(固定資産)との連携をすることが可能です。
また、資産保守や固定資産管理以外に、自社の資産をレンタルするビジネスモデルでのメンテナンス管理として使用することも利用方法のひとつです。レンタル業で、顧客から返却された商品のメンテナンス管理として利用もできます。
Maintenance Cloudサンプル画面
以下にOracle Maintenance Cloudのサンプル画面を掲載しますので、ぜひご覧ください。
下図が「アセット(所有機器)の管理」画面です。アセットの基本情報から、保守パーツ情報、組込メーター情報など多岐にわたる情報を管理します。
下図が「保守作業オーダー」で工程を管理する画面です。
これらの機能を使い、所有機器の状態をモニタリングから必要なメンテナンスを予測、計画を立案できるのは素晴らしいですね。
まとめ
実際にシステムを動かしながら勉強会が行われました。今回はデモ環境のため、メンテナンス案件が二件のみ表示されましたが、実際の案件ではかなり多くの工程が組み込まれ細かい業務が要求されます。「自社が保有する生産用機械などのメンテナンスを管理」をイメージした内容でしたが、お客様の業務や保有内容によっていろいろな切り口でご提案することができそうだと社内からの声があがりました。「こんな提案ができるのでは」「あの企業様ならこちらの提案が」などと、勉強しながら参加者がわくわくするような展開となるのは楽しいですね!!
ADXではこのような勉強会と実際のトレーニングを日々数多く行っています。お客様のご要望をお客様専門チームが高い技術力をもって実現いたします。
Oracle ERP Cloudの公式パートナーとして数多くのスペシャリストが在籍しておりますが、日々技術力を高めるために資格取得にも力をいれています。