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デザイナーが見えるもののためにしている、見えないこと#1 ブランドを整理する

連載の第二弾をどんな内容にしようかかなり悩んだ。

第一弾の「好きなデザインってなんだ?」というのは会社の思想に寄り添ったテーマでした。社内外から思いのほか反応があって、自分たちもそれなりに意義を感じたので連載をつづけることになり、第二弾。

部署のOKRに伴ってつくりたいと考え、「自分のコアバリューってなんだ?」と仮称でチームのNotionにメモったらすごいブーイング。「お題が重いよ」ということで再考。考え直したのがこれ。

デザイナーの最終成果物はアウトプット。可視化できるものを納品することが求められます。ですが当然アウトプットする以外にいろんなことをしています、というはなしです。

納品物から直接見えることはないけど、熱量を持って夢中になって取り組んだこと、それがそれぞれのコアバリューと繋がっているはずだと信じているので、今回は最近参加したプロジェクトでこだわったところや苦労したところ、気づきがあったところをそれぞれ自分の視点で書いてみようと思います。

ブランドを整理する

A.C.O.はロゴマークやデザインガイドラインを作るお仕事をたくさんいただいています。そこには多くの想いがこもったビジョンであったり、期待を乗せて我々のところに来るので、何とかしてそれを表現するべく様々なデザイントライをします。そこにも膨大な「見えない」作業はあるのですが、ブランドを伝えるために私が無くてはならないと感じているのは、その”想い”や”期待”がきちんと整理されているかどうかです。

整理するのは「ブランド開発」として案件化しているものもあれば、していないもの、社内のものまで色々あるのですが、それぞれ必ず「ビジョン」があるのです。みんな社会に何かしらのいい影響を与えたいと思っているのは同じです。それが何なのか、唯一無二の価値は何か、他と違うそこにしかないものは何なのか、オリジナリティをみんなが理解し共有できるように言語化するのです。

一見遠回りのようなリサーチや、フレームワークを使った整理、専門家にアドバイスしてもらったりして、そのものならではの「らしさ」にフォーカスできるよう試行錯誤しています。

情報がどこでも誰でもすぐに手に入る時代に、「それっぽいロゴ」や「きれいなデザイン」また、「〇〇に近いサービス」が作りやすくなっているからこそ、そこにしかない個性・独自性が絶必なのです。今はデザイナーがヒアリングだけでエッセンスを掬い取って、こういうことじゃないですか?とすぐに形にしてしまうことはそのブランドの可能性を狭める危険性があると思うのです。

何を立たせて何を捨てるか。

それが見えてきてやっと「見えるもの」を作り始めます。


by Naoko Okiyama

桑沢デザイン研究所卒業。デザイン事務所を経て、現在に至る。アートディレクション、フォトディレクション担当。デザイン部マネージャー。

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