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経営者が語る 起業背景と新サービス『UPCYCLE』

今回はPR公式のインタビュー記事で、弊社 代表取締役社長CEOの松原に起業背景や、8月5日をもって公式に情報公開された新サービス『UPCYCLE(アップサイクル)』(以下、UPCYCLEと明記)について聞いてみました。

松原 脩平 プロフィール
株式会社A1A 代表取締役CEO
新卒で株式会社キーエンスに入社。営業として主に中部地方の自動車関連メーカーを担当。その後、投資会社に移り、ベンチャーキャピタル業務に従事。設立間もないスタートアップの投資育成を手がける。 その後、A1A株式会社を創業、現在に至る。

目次

  1. 「日本代表を目指す」サッカー少年から、「企業代表を目指す」起業家へ
  2. 「Buyerforce」の発想
  3. 調達・購買部門だからこそインパクトが出せる
  4. 新サービス『UPCYCLE』について
  5. 経営課題から逆算した採用活動

「日本代表を目指す」サッカー少年から、「企業代表を目指す」起業家へ


ーー 創業背景、創業のきっかけについて教えてください。

松原 私自身、小さい頃から起業したいと思っていたタイプの人間でした 。
きっかけはいくつかあるのですが、子供の頃はずっとプロサッカー選手を目指していたんです。
ただその一方で自分の周りにいた人たちがどんどんU-15とか日本代表に選ばれていくという現実があって、自分が中学を卒業して高校に入るときにこの先の人生をどうするかという選択を迫られたタイミングがありました。
サッカーの強い高校に行くのか、ユースなどに行くか、 もしくは別の選択肢を取るのかを選ぶ必要性があったんです。

「第一回埼玉県国際ジュニアサッカー大会」より


その時に相談した父からの言葉にインパクトがあって、「サッカーをやることだけが日本代表になる道じゃない。会社を作って日本代表になる道もあるんじゃないの?今の日本には世界で戦ってる会社ってたくさんある。そういう会社を作るのもいいんじゃない?」
それがきっかけで 、 その頃から自分自身で起業するといういうことを志してきたというのがあります。

ーー起業を目指すことがキャリア形成にどんな影響を与えたんでしょうか。

松原 最初に選んだキャリアでは「営業ができるようになるか、ものを作れるようになるか、どちらかになりたい」と思って、「営業ができるようになりたい」 と決めて会社に入ったっていうのが最初です。
その後、どのようにしたら起業できるのだろうと考えた時に、事業を作れるのか、あるいはお金を引っ張ってこれるのか、起業の仕方が分からないと起業できないと思ったので 、 VC(ベンチャーキャピタル)に行きました。そこで様々な経験を積んで今に至るという経歴になります。

起業すると決めてからは事業内容を考えることをずっとしていたのですけれど、最初はBtoCの事業を作ろうと思ってみたり、いろいろな選択肢を考えていました。しかし、あるところまで行くと「自分がやる理由って何だろう」と考えるようになりました。
その時に、私自身が元々キーエンスという会社にいて製造業に携わっていた経験があって、その後転職するときに、会社の課題で『新規ポジション・新規事業を考えてください』っていうお題があったんです。その時に出した新規事業案というのが、実は『製造業の購買』に関する事業だったんです。それを思い出して、そういえばあの時に出した課題に改めて向き合おうと思ったんです。 

「Buyerforce」の発想

ーー 『製造業の購買』に関する新規事業とはどんなものでしたか?

松原 キーエンス社在籍時代の話なのですが『同じ会社の中でも工場や担当の方が違うと同じものなのに違う値段で買ってもらえることがある』ということが、すごく不思議だなと思っていたんです。
お客様の社内で情報が共有されていないということなので、営業からすると『違う金額で売ってもバレない』という思考に繋がってしまいますよね。
キーエンス社はSFA(営業支援システム)などのツールを使った営業管理がすごくしっかりしていた会社だったので、そのような事象に違和感を持ってました。

「購買価格が社内で情報連携・共有されていれば10%とか20%とかもっと安く買えるのに、なんでそれをやらないんだろう」って。

この課題を深く掘り下げる中で、ビジネス側でいうSFAが購買にはないなと思ったので、買う方達向けのバイヤーフォース(Buyerforce)みたいなものを作るのがいいんじゃないかなと思ったのが創業のきっかけでした。

調達・購買部門だからこそインパクトが出せる

ーー あらためて、調達・購買活動への価値提供にこだわる理由について教えてください。

松原 調達・購買のお仕事って、ものづくりにおいて重要度が高いのですが、日本で調達・購買部門で働くバイヤーさんを支援することに特化した会社ってA1A以外にないじゃないかなと思っていて、だからこそ、私たちA1Aがやらないといけないと思ってます。

調達・購買部門では『同じ会社内なのに情報が共有されていないことで違う値段で買ってしまうっておかしいよね?』って思って、そこにビジネスチャンスがあると信じて事業をはじめたのが調達・購買部門を選んだ理由だったんです。

事業展開をはじめた頃は、調達・購買の方々について"商売の対象者"という距離感だったんですが、実際に調達購買部門のことを必死に勉強して、直接お話を聞いたり、一緒にたくさんの時間を過ごす中で、「調達購買の方々は自分たちの身内」という意識が強くなって、今では「この人たちのためになりたい」と強く思うようになりました。

「調達・購買担当者が付加価値を出すべきだ」と真剣に考えている会社やサービスは他にないなって感じるし、「彼らがもっと輝くべきだ」という風に思っています。


ーー 調達・購買活動がもたらす経営におけるインパクトについて教えてください。

松原 数字の話だけで言うならば、製造業界の企業は、売上の大体6割ぐらいが原材料や部品の調達コストになりますので、例えば3,000億円の売上の会社だったら大体1,800億円くらいが外部に支払っているコストということになります。

仮に0.5%でも削れると9億円ぐらい変わるので、これは経営におけるインパクトがかなり大きいのではないかと思っています。
量産メーカーの製品というのは、様々な部品を組み合わせて製造されているのですが、その殆どは外から調達された部品なんです。

外の製品に多くを依存しているので、何かひとつの部品において「性能が低い」、「仕入れられない」、「価格が高い」というような状態になってしまうと自社の製品生産のコントロールができない状態になってしまうんです。

私は「製造業において調達やサプライチェーンというのは経営の制約条件である」という表現を好んで使っているんですが、これはサプライチェーンや調達・購買が優れていてると経営やものづくりも柔軟にできるし、その逆だと経営やものづくりにおいて非常に大きな制約になってしまうということです。
企業の買い物で調達品が占める割合が大きいからこそ、非常に重要なものだと思っているんです。

キーエンス社で営業をしていた時は、工場に入る営業スタイルだったんですけど、「工場はやっぱすごいな!」って思うんですよね。本当に感動するんですよ。
あの精緻に設計された工程、プロセス、ラインとかを見るとすごく美しいと思うし、それを日々改善してるんですよね。0.1秒改善したいとか、0.01ミリの精度を改善したいとか、そういうことをしてるんですよ。

ただ、製品って様々な部品の集合体なので、私が工場で見ていたものは全体の20%くらいのものづくりであって、外からのものについてうまくサプライチェーンや調達・購買活動と組み合わせてあげないと良いものづくりにはならないんだろうなっていう感覚をすごく持っていました。
情報共有できていない場面も数々見てきたので、調達・購買活動が善化することで、ものづくりってかなり大きく変わってくるんじゃないかと思っています。

新サービス『UPCYCLE』について

ーー 8月5日に情報公開された新サービスUPCYCLE について教えてください。

松原 UPCYCLEは製造業の調達・購買部門のバイヤーさんが、サプライヤーさんから受領した見積書を、システム上にアップロードするだけで、見積書に記載された見積明細情報が活用できるよう綺麗に整理してデータ化・加工してくれることで構造化データを生成して、UPCYCLE上で比較・分析によってデータに基づくコストダウン余地の発掘が可能になるというサービスです。

調達・購買部門のバイヤーは、見積業務に平均約40〜60%の工数を使い、そのうち約半分の時間は比較表作成のために受領した見積書の転記・入力作業、見積査定のためのデータ整理に時間を使っています。
そのため、本来やるべき付加価値の大きい比較・分析作業に時間を割くことができていないのが実情だったりします。
UPCYCLEを活用してもらうことで、調達・購買部門の方々が、単純作業ではなく、データに基づくコストダウン検討に多くの時間を割けて、組織として調達コスト最適化の実現に取り組むことができるようになると思ってます。

UPCYCLE 製造業向け調達データプラットフォーム | アップサイクル製造業向け調達データプラットフォーム。見積査定業務の効率化や、原価低減余地の分析精度の向上によって、根拠ある調達購買活動をup-cycle.jp


ーー 新サービス『UPCYCLE』の誕生背景を教えていただけますか?

松原 ちょっと前段からの話になってしまうのですが、我々が最初に提供しはじめたのがRFQクラウドというサービスでした。

調達・購買部門のバイヤーが、調達先であるサプライヤーに対して「バラバラの見積書フォーマットではなくて、私たちが用意した様式に沿った形で情報を出してください」ということをRFQクラウドというシステムを通じて依頼していただくEDIの仕組みでした。
ただ、これがなかなかうまくいきませんでした。なぜうまくいかなかったかというと、仮にこのEDIの仕組みを通してバイヤーからサプライヤーへ見積入力の依頼がされても、嬉しいのは調達・購買部門のバイヤーだけであって、サプライヤーさん側は入力作業の手間が増えるうえにメリットが何もないってことが発生したんです。
結果として、「サプライヤーさんが情報を入力してくれない」という状態に陥ってしまい、そもそも情報を構造化するということが不完全な状態になってしまったんです。もちろん、バイヤーたちは基幹業務である原価低減活動やコスト分析が十分にできないということになり、本質的課題を解決することができませんでした。

そこで我々は考えたんです。
「どうしたら非構造化データが構造化データになり、バイヤーが基幹業務に活かせるのか?そして、サプライヤーも協力してくれるんだろう」って。
従来はバイヤーが、ひたすらエクセルなんかを使って受領した見積書を転記して非構造化データを構造化する、ということをやってましたし、RFQクラウドでは構造化する役割をサプライヤーに押し付けたことで、本質的な課題解決にリーチできなかったし。
どちらのアプローチもうまくいかなかった。結局、誰かが大変な思いをすることになってしまう。
そんな時に「じゃあデータ化は私たちがやろう!第三者である私たちがそれを担えばいいよね」という結論に辿り着きました。
サプライヤーからの見積情報の構造化は我々が様式を揃えて行い、バイヤーは構造化データがすでにある状態から、基幹業務である原価低減活動やコスト分析にしっかりと時間をかけてもらえるようなサービスにしようって。

ーー 『UPCYCLE』の可能性や展望を教えてください。

現在のUPCYCLEはそのサービス特性として、
①非構造化データを受け取る

②それを構造化データに変換する

③その構造化データを活用できるようにする
という3ステップなんですが、このステップって再現性があると思っているんです。
様々な分野で非構造化データって本当にたくさんあって、そのたくさんの非構造化データをUPCYCLEの中で集約して、調達・購買活動に関わる様々な方が好きな形で情報を取り出せるようにできるという仕組みを提供していこうと思っています。

経営課題から逆算した採用活動


ーー 今後のUPCYCLE展開に注力するうえで経営視点で課題と思われていることを教えてください。

様々ありますが、大きくは2つのことを話したいなと思います。
一つ目は「事業における選択と集中」、二つ目は「人財採用」です。
私は、UPCYCLEって無限の可能性があると信じているんです。
調達・購買活動に関わる非構造化データってたくさんある。だからこそ、そこから生まれるべき構造化データも連鎖的に多くなる。
構造化されたデータの活用方法も既知の手法から、潜在的な利用方法までいっぱいあるはずなので、すごく大きな可能性があると思ってるんです。

そう!UPCYCLEを展開するのにあたって今の課題は何かっていったら、「いっぱいやりたいことがある」ことなんです。この"やりたいことリスト"を我々が「なぜ」それをやるのかってことを事業として深く探求して、広げる、窄めるってことを同時並行でどんどんやっていく、でも単純に広げるのではなく、提供するプロダクトの機能やサービスの仕様ひとつとっても、「真に本質的な課題にリーチできているのか?」ってことに向き合っていくことが必要じゃないかなと。

人財採用についてですが、さっき話した『UPCYCLEの3ステップ』は、グローバルの調達・購買部門、要は世界中で同じ仕組みを展開できると思っていますし、ペインが確実にあたるってわかってたりします。
今A1Aの中にグローバル展開に対して知見を持ってる人がいるかというと、いない。
プロダクトを増やしてマルチプロダクトをやっていきたいとなった時にプロダクトマネジャーがたくさん必要だけど今プロダクトマネジャーは数人しかいない、というような状況なんです。
やりたいことはいっぱいあるけど、それを担う人や組織がまだ十分ではないと思っています。

だからこそ今採用活動にはすごく力を入れていますし、とことん候補者の方々のキャリア形成や動機なんかにも向き合いながら取り組んでいます。


ーー 最後に製造業の調達・購買分野に関わるという面白さについてお考えを聞かせてください。

製造業の調達・購買部門ってまだまだ価値を提供できる、改善できる余白が多くて、これまであまり支援されてきていなかった部門だと感じてるんです。
これまで調達って「物を買うのってそんなに難しいことじゃないよね」って見られ方をされてきた気がしていて、経営が調達・購買活動に投資する意思をあまり見せてこなかったということがあるんだと思います。
それ故に、我々のような調達・購買活動に特化したサービスベンダーもいないし、その結果デジタル化が全然進んでこなかったんだろうと思うんです。

つまり「デジタル化の最後のフロンティア」みたいな状態で残ってしまっているんですね。まだまだ価値提供領域の余白がある世界だからこそ、新しい価値を創造していく面白さがあると言えるはずです。

この先、調達・購買部門がものづくりに果たす役割がどんどん大きくなっていくとなった時に、この状況を今A1Aが解決しないと調達・購買部門の能力開花がされないままになってしまい、より良いものづくりや製造業の経営に遅れが出てしまう。私たちはそれくらい使命感を持って日々取り組んでいます。

そんな時によく考えるのは、A1Aがたくさん持っている"やりたいことリスト"です。A1Aの課題を解決し、余白を埋めていってくれる人の活躍が、まわりまわって製造業や調達の発展、もっと言うならば、ものづくり大国である日本の国力を維持して発展させることにダイレクトに繋がるんじゃないかって思っています。
そうなると、自然に経営課題から逆算すると、そんなことを一緒に解決していけるような方々にジョインしてもらい、一緒に組織を創っていきたいなと思うんです。

-- ブログをご覧頂きましてありがとうございました。

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