2003年の創業以来「インサイドセールス」という分野に特化したビジネスで着実な成長を続けているアップセルテクノロジィーズ株式会社。
今回話を伺ったのは創業者であり代表取締役社長を務める高橋良太さん。起業の経緯や経営において大事にしていること、今求めている人材、今後のビジョンなど語っていただきました。
起業家人生の原点となった出会い
-高橋さんは学生時代に会社を立ち上げたとお聞きしました。なぜ就職ではなく起業という選択をしたのでしょうか?
僕がこの会社を創業したのは、22歳の大学4年生の時です。きっかけは友人に誘われて参加した上場会社の代理店事業説明会でした。それまでの僕はバイトに明け暮れ、将来やりたいこともなく、就職活動も真面目に取り組んでいませんでした。説明会に参加したのもなんとなく。特に何か期待感を持っていたわけではありませんが、今思えば、夢中になれる何かを探していたのかもしれません。
そして、この説明会に登壇していた社長との出会いが人生の転機になりました。ぼんやりとしていた将来像がはっきり見えたのです。「社長のような大人になりたい」「経営をしてみたい」と。
そこで就職ではなく起業を選択しようと決意しました。
それから僕は社長から経営のイロハだけではなく、人生哲学を学ばせていただきました。初心や恩義を忘れないこと、縁の始まりに敬意を払い感謝すること、人や環境に対して絶対に不義理はしないこと。「人を徹底的に大事にする」という強い信念を持つようになったのも、この頃からです。
ノウハウがプロダクト。アップセルテクノロジィーズのオンリーワン戦略
-現在、アップセルテクノロジィーズ社ではインサイドセールス事業をはじめ様々な事業展開をされています。創業当時からの変遷をお聞かせください。
創業時はどこにでもある通信事業の代理店でした。 100席あれば100人が同じ営業活動をしていて、 毎日「何件!」と目標を掲げて地道にテレマ―ケティング活動をしていました。売上至上主義を掲げるのであれば、この事業を続けていくという選択肢もありました。しかし、それでは他社との差別化は出来ません。オンリーワンの存在にはなれないのです。
そこで、2008年に今の事業基盤であるCRM事業を0から立ち上げて、 売上を追いかける体質から事業の深堀とB2B領域へと方向転換しました。
アップセルテクノロジィーズは、コールセンターと言っても単純に「光ファイバーを売ってます!」「カスタマーセンターをやってます!」ではなく、企業のインサイドセールスや社内の一部門、社員様として業務を毎日行っております。
アウト・インバウンド、リサーチ、24時間対応、監視業務、多言語対応、あらゆるニーズに応えることができます。おそらくこれだけのマルチ型のコールセンター運営を実際に行っていて、全て自前で用意できるのは当社くらいだと自負しております。
さらに、トークマニュアルの自動生成技術、将来収益予測など、今まで積み上げてきたノウハウをAI化したプロダクトを自社開発し、提供しています。※特許出願中
IT業界はある日突然、自分達を超えるプロダクトが生まれる可能性がありますが、僕らの業界は経験値から生まれるノウハウがプロダクトであり、これは時間と数に比例しますので、ある日突然超えられることはないのです。さらに属人的なノウハウを仕組み化、数値化もできるAIプロダクトもあり、今のアップセルテクノロジィーズ社には言葉や感覚だけではなく他社と差別化できる武器を持ち合わせています。今後もサービス価値を高め、圧倒的なオンリーワンカンパニーになれるように努力をしていきます。
-今後どのような展望を描いているのでしょうか?
弊社は世界を代表するグローバルインサイドセールスカンパニーを目指しています。
将来的にはもちろんIPOを目指していますが、ようやく事業を伸ばしていくための全体的な体制が整ってきたので、 2020年はとにかく事業を成長させることだけに集中いたします。
コールセンター事業はストック型ビジネスなので、収益が安定する一方、倍々成長は見込めません。そのため、すでに箱と人と取引先を持っている会社をグループ化していく。M&Aで拡大路線を作っていきます。
あと3年で迎える創業20年に向けて、 2020年は大事な1年だと置いています。
「企業選び」は「人選び」
-会社を経営する上で一番大切にしていることを教えてください。
先ほども触れましたが、僕の信念は人を徹底的に大事にすることです。だからこそ人を大切にしています。
「じんざい」という言葉には3つの意味があると思います。
「人材」は会社も自分も材料であり、何かあればお互いにドライに別れる関係。
「人罪」はバリューを発揮することなく、ただその場にいるだけの存在。給料を支払い、給料をただ受け取るだけの関係。
そして「人財」は会社もその人を大切に想い、自分も会社を大切に想う、互いが財産であるというパートナーシップです。
僕は「人財」が何よりも会社の財産だと考えています。
だからこそ、この会社に新たに入ってくる人には、会社の規模でも ビジネスモデルでもなく、「人」に賛同してもらいたいですね。
「この人達と働きたい!」そう直感で思ってくれた人に入社してもらいたいと思っています。僕たちにとっても「新しい家族に迎え入れたい」そう思える事が採用基準の大切な大切な価値観の一つです。企業選びは人選びなのです。
何をやるかより誰とやるかがとても重要です。いい会社の定義は様々ですが、僕は人財が一番会社の中で輝く組織を創りたいと強く思っています。
-どのような人が活躍できるのでしょうか?
うちはベンチャー企業なので、無い仕事は自らの手で創るというスタンスです。やりたい仕事があるならば、愚痴や不満ではなく、事業計画を創り、本気で提案すればいい。出来ない、やれない理由を述べる暇も意味もありません。不満や愚痴をこぼす前に、結果を早く出せばいい。考えるより、 とにかく行動することが大事です。
今この会社で活躍している人は、このような人たちです。
新人のうちはスキルや経験が乏しいため、なかなか結果が出ません。でも、それを自覚し一生懸命に人一倍努力をしている姿が見えれば、上司をはじめ周りはきっと支えてくれます。
一方で、スキルも無いのに努力しない、ヤル気もそこまでない、 叱られた後だけしばらく頑張る、 モチベーションの上下が激しい人は誰一人共感も応援もしてくれません。
大事なのは努力をし続けることです。努力なくして成長はしません。さらに、優秀な人は素直さと謙虚さも持ち合わせています。
他の人の意見に対して「なるほど!」 「それもいいね!」 「まずやってみよう!」 「そんな方法もあるんだね!」とポジティブに受け入れる精神があるかどうかです。良いものはイイ!と感じる素直さ。 周りのベストを受け入れる謙虚さ。この二つが自己成長への近道です。
社員には仕事のスキルを高めることはもちろん、人としてのあり方や生き方もまた高めていって欲しいと願っています。
「無知であること、無垢であること」は武器となる
-最後に求職者へのメッセージをお願いします。
どんな会社が合うのか? どんな仕事が向いてるのか?明確な目標を決めようとすると迷いが生じますし、そもそも難しい事だと思います。しかし、どんな人が好きか? どんな社会人になりたいか?漠然とでもイメージのし易い目標設定であれば、そう難しくはないはずです。今の自分の心に素直に聞けば良いのですから。そこからトップダウン式で、そのためには?そのためには?と、深掘りをしていけば答えは見えてきます。
学生と僕ら大人との違いであり、社会に出る前だからこそ最大のアドバンテージは、「無知で真っ白であること」です。そのピュアな感性、直感力を企業選びに活かしてもらいたいと思っています。頭でっかちにならず、自分の心の声を信じてほしい。きっとそれが良き道に導いてくれるはずです。
20代の可能性というのは、それ以降の世代と比べ、2倍、3倍と圧倒的な成長力を秘めていると思っています。経験がなく無知だからこその吸収力。白でもなく、 透明でピュア。キレイなピカピカのグラスに勢いよく水が溜まっていく。そしてそのグラスの底は柔らかく、無限の拡がりを見せる。30代の脂の乗ってくる時。 40代のビジネスマンとしての味が出る時。 50代の経験を積んだ安定感。
その未来を迎えるにあたり最も大切な時代が20代。会社の看板が大きくても、優れた商品やサービスがあっても、それらは人を本質的に成長させる事はありません。
20代は仕事のスキルを高めることも大切ではありますが、人間性を磨き、人間力を高めることはさらに価値があると思います。そして手前味噌ではありますが、うちの会社はそれが叶うと思っています。自らをアップセルしたい方はぜひ応募して欲しいなと思います。