チューリンガムで働くメンバーのことをお伝えするインタビュー企画を始めます!
初回は代表の田原さん(@_namahagesan)にインタビューしました。ビットコインにハマったきっかけや創業メンバーとの出会い、チューリンガムの事業への思いについて伺います。
初回は代表の田原さんにインタビューしました。ビットコインにハマったきっかけや創業メンバーとの出会い、チューリンガムの事業への思いについて伺います。
プロフィール
田原 弘貴 - 代表取締役 CTO
東京大学文科一類入学後、在学中に中小企業診断士に合格。
東京大学大学院学際情報学部在籍中にTuringum株式会社を設立。
ブロックチェーンエンジニア及びリサーチャーとして技術部門を統括し、2023年5月より代表取締役に就任。
親会社クシム取締役CTOを兼務。
ビットコインに熱中した大学時代
ー 学生時代のお話を聞かせてください
地元の公立中高に通っていました。特に目立ったことはなく、普通に過ごしていて、ビットコインなどのクリプト(暗号資産・ブロックチェーン)については、この時期には触れていませんでした。
大学は東京大学文科一類に進学したのですが、法学の授業が退屈で、途中で理転して工学部に移りました。
ー 工学部での経験はどうでしたか?
東大工学部は起業する人も多いですし、学生インターンではなく、フリーランスエンジニアとして働いている人もいました。そういう風土がある学部で、学部の先輩にはGunosy創業者で、現在はLayerXの代表をされている福島さんもいます。
周りの人の進路も、院進学や就職以外に「起業」も選択肢に入る学部で、自分で事業をやるとか、何かチャレンジすることが珍しくない環境だったのはよかったですね。
学部卒業後、僕は大学院に進学しましたが、一年で辞めてチューリンガムを創業し、事業に専念しました。
ー クリプトに興味を持ったきっかけは何だったんですか?
大学1年か2年の頃、経済に関心があって勉強していた時期がありました。その一貫で中小企業診断士の資格試験を受けて合格しました。
中小企業診断士に合格すると協会が主催する研究会に参加できるようになります。事業再生やIT・DXなどさまざまなテーマで研究会が開かれているんですが、研究会で発表すると少額ですがお金をいただけたんです。
40代や50代の方が主な参加者なので、その方々からすると大した金額ではないのですが、大学生からするとありがたい金額だったんです。
その研究会発表のために参加者の方がまだ詳しく知らなさそうでビジネス的に面白いトピックはないかと調べて見つけたのがビットコインでした。実際にビットコインをテーマに発表したら評判も良く、自分も熱中するようになり、そこからミートアップや勉強会に参加するようになりました。
ー ビットコインのどんなところに興味を持たれたんですか?
元々文化人類学が好きで、その中でもお金にまつわる現象に興味がありました。例えば一万円札はただの紙で、これ自体に一万円の価値はないけど、一万円として流通していますよね。それは何故か、人はいつからどのように価値を認識し始めるようになったのか、といったことを知るのが好きでした。
ビットコインを調べていくにつれて、昔から興味のある「価値」や「宗教」といったテーマや大学で学んでいる暗号学やエンジニアリングなど技術的な知識、その両方がビットコインに深く関わっていることがわかったんです。
自分が昔から好きな分野、専門的に学んでいる分野、両方の論点が出てくるので、「自分がやっていきたいのはこれだ!!!」という感覚でしたね。
チューリンガムメンバーとの出会い
ー チューリンガムのメンバーとの出会いを教えてください
出会いは今から5年前の2018年ですね。当時僕はブロックチェーンの学生団体に参加したり、大学の寄付講座アルバイトをやっていたのですが、その繋がりでチェコ・プラハで行われるEthereum Devcon4に参加できることになりました。
(Devconの合間にプラハ観光しました)
このときにたまたま同じホテルに滞在していた日本人の方と仲良くなり、帰国後食事会に誘ってもらいました。この食事会に、参加していたのが創業メンバーであるカナゴールドさん、うどんさん(現アドバイザー)、そして僕が誘った大学の後輩である伊藤さん(現テクニカルマネージャー)でした。
2016年頃からブロックチェーンの注目度が増すに連れて、勉強会やミートアップで出会う人の数もどんどん増えていきましたが、この食事会で出会った人たちは特別に優秀で、それぞれ専門分野があり、驚くほど詳しかったんです。
奇跡的に話が盛り上がり、とても馬が合ったこともあって、「せっかくだからみんなで一緒に事業をしたいよね」という話になりました。
キックオフ初日に新規事業が頓挫する経験も乗り越え、チューリンガムが始動
ー それからすぐに事業を始められたんですか?
会社員や学生をしているメンバーがほとんどだったので、いきなり事業を立ち上げるのは状況的に難しく、初めは週1回秘匿計算チェーンのEnigma(現Secret Network)やDeFiについての勉強会を開いていました。
勉強会をしていくうちに自分たちでクリプトの事業をやりたい気持ちが芽生え、世間的にDeFiブームの兆しも見え始め、2019年に本格的に事業展開することになりました。
(創業当時の写真)
ー 初めはどのような事業をやれていたんですか?
当初、僕らはEnigmaを使ったビジネスを構想しており、自分達でプロダクトを作ろうと考えていたのですが、プロジェクトのキックオフとしてみんなで集まった日にEnigmaプロジェクトそのものの解散が発表されました。エニグマがICOを行った際に証券法に違反した行為があったとSECに指摘され、エニグマを元にプロダクトを作ることを諦めざるをえなくなったんです。
本格的に事業展開するに当たって会社を辞めてきた人もいるので、「俺仕事辞めてきちゃったのにどうしよう」という声もありましたね。笑
ー まさか初日にそんなことが起こるとは。
ただ当時の関係先からいくつかのDeFiプロダクトに関する開発案件をいただき、そちらに取り組むことになりました。イーサリアムを使ったトークノミクスの設計やDeFiそのものの設計に始まり、この設計が理論的に成立しているかどうかの金融工学的な検証も行いました。
イーサリアムが盛り上がってきたタイミングと重なったので、できることが増えてとても楽しかったです。
ブロックチェーンがあたり前になる未来
ー 改めてこの領域への想いを教えていただけますか。
創業当初に秘匿計算の分野で事業をやろうと思ったのも、ブロックチェーンをみんなが使う未来においてはプライバシーが重要になるんじゃないかという考えだったんです。みんなに使ってもらえるブロックチェーンのプロダクトを生み出すというのは今後もやっていきたいですし、そこが目標というのは創業から変わっていません。
あとはやっぱりビットコインが好きで、ビットコインでもイーサリアムでもそうですが、自分の資産をいろんな形で創意工夫を凝らして運用できます。
金融商品だったり、自分の資産を主体的にいじれる楽しさみたいなものは、他のものだとなかなか味わえない。これはブロックチェーンでしかできない体験だと思います。
ー そうだったんですね。
あと、実際に今海外で暮らしててクリプトの送金はやっぱり便利に感じます。
今はドバイで暮らしているのですが、外国人だからか、これまでも不審な支払いとかあると一時的にカードや銀行口座が使えなくなることもあるんです。そういう時も僕はクリプトの送金が使えたので、あまり困りませんでした。これはちょっとした例ですが、このように選択肢が増えることも価値だと考えています。
ー 確かに取れる選択肢が増えるのは価値がありますね。
一般の人からするとブロックチェーンを活用するのはまだまだハードルが高いことは認識していて、このギャップを埋めたり、そもそもそういうハードルを感じさせないプロダクトを作れたらいいなと思っています。
冒頭でもお話ししましたが、僕にとってクリプト領域は自分の本来の興味と大学で学んでいた技術が重なる分野なので、やっていて純粋に楽しいです。そして僕がクリプトを触りはじめた頃に感じた、クリプトによって自分のポートフォリオやそれ以上のものを自由に選ぶことができるという、日常の選択肢が増える感覚が多くの人に広がっていくことは大きな価値だと信じて、日々励んでいます。
ー 直近1,2年でやりたいことはありますか。
結構ブロックチェーンの分野もいろんな分野が増えてきていて、例えばDeFiでも完全に分散的にやるのか、それとも古くからある金融商品に寄せるのかとかいろんなタイプの商品が出ています。エンターテイメントでもGameFi、NFTなどがあります。
チューリンガムはこれまで様々な業界、商品でプロジェクトをやってきているからこそ、引き出しの幅が広いことが強みなので、GameFiだけにこだわるとか、DeFiだけにこだわるのではなく、様々な業界におけるプロジェクトを生み出していきたいです。
仕事を純粋に楽しむことができる環境
ー チューリンガムで働くことの魅力をお聞きしたいです。
事業的なところですと、日本でブロックチェーン事業をこれほど多く行っている会社はなかなかないので、知見が蓄積されているのが一番の強みです。そして大変ですが、ブロックチェーン事業の1から10まで一貫した過程に関われるのは、楽しいところだと思います。
チューリンガムに入社された方からは「業務がすごく新鮮で楽しい」って言ってもらうことが多いです。様々なプロジェクトがあるので、一つとして同じ業務はないですね。
ー 組織の魅力は?
中の人が見えないと言われることも多いのですが、穏やかないい人が多いですよ。ただ物腰が柔らかいだけの「いい人」じゃなくて、自分で何が大事かを考えられる「いい人」が多いと思います。
人に優しさを向けられる人が多いんですが、優しさの裏に何があるかっていうとやっぱりみんな自分がやっているプロジェクトや一つ一つの業務に興味を持ち、そして仕事をちゃんとやり遂げる責任感を持って自分の仕事をしてる。だからこそ人に優しくできているのかなと思います。
ー 未来の仲間に向けて一言お願いします!
チューリンガムの仕事は非常に新鮮で、同じ業務が一つもないので、常に新しいことにチャレンジできると思います。
人が生き生きと働くにはやりがいを感じられる業務と良い人間関係の両方が必要ですが、その両方があるので、仕事を純粋に楽しみたい方にとってはとても良い環境があると思います。
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