全てが整った会社を辞め、全てが整っていない会社を選んだ理由 | Life
私は2015年4月、「5人目の社員」として、ITプロパートナーズにジョインしました。そして約2年間の時を経て、今はITプロパートナーズ事業部の事業責任者を任せてもらっています。年齢は27歳。午年...
https://www.wantedly.com/companies/itpropartners/post_articles/62243
ITプロパートナーズのエンジニアの五藤です。
弊社ではWantedlyに置ける採用活動を絶賛強化中で、「ITプロパートナーズに入社した理由」のフィード記事が週刊連載されております。すでに7名の社員が記事をアップしており、個人的に好きな記事はこの辺り。
そして晴れて私の順番が回ってきたのですが、どうにも私は自分の生い立ちやら仕事のやりがい的なことを語るには向いていないようで、
「どういう記事を書くと、皆様に読んでいただけるか、ITプロの企業内容を知り、興味を持っていただけるか?」
という点を追求した結果として今回の記事タイトル
「独立志向のエンジニアがフリーランス仲介サービスの会社に転職して1年たったので業界事情を赤裸々にまとめる」
というテーマに行き着いた次第です。
できるだけ事実に基づいた客観的な内容、かつエンジニアの方向けに有用な内容が提供できるように配慮したつもりですが、なにぶん会社の採用広報記事なので、ITプロパートナーズの宣伝・紹介が節々に漏れ出ているのはご容赦くださいませ。
m( )m
(そこそこ長くなりますので、早く業界事情を聞きたい!という方は「フリーランス仲介サービスの会社で1年間過ごしてわかったこと」まで飛ばしちゃってください)
入社時点で、エンジニア歴4年目くらい。ITプロパートナーズに入ってからは1年とちょっとなので、エンジニアとしては5年目。それまでの経歴としては、
という感じで、駆け出しを抜けた中堅エンジニア という感じの立場になります。
端的に言えば、「Green経由でスカウトをいただき、いい会社だと思った 」ということです。
将来的なキャリアビジョンとしては、「お金よりも自由」という気持ちがありました。その中で、「フリーランスのエンジニアをはじめとする、働き方の多様化について、ビジネスとしてだけではなく、社会的使命をもって取り組む」という会社のスタンスに魅力を感じ、転職を決めました。
なんとなく「これが正社員として働く最後の企業になるんだろうな」という感覚で、やりたい事を思いっきりできる環境で、しっかりと実績を作りたい、という思いで、エンジニア暦4年目にして3社目のキャリアをスタートする事になりました。
2016年5月入社に入社し、2017年6月現在に至るまで1年ほど、受託事業「ITプロクラウド」のディレクター兼エンジニアとして、述べ10件弱ほどの開発案件に関わらせていただきました。フリーランスの業務委託仲介を行う「ITプロパートナーズ」事業では解決しづらい、短期の新規サービス開発案件などを請け負うような流れが多く、クライアントのニーズや課題感などを聞きながら、柔軟な開発スタイルで進めていく案件が多いイメージです。
この1年間で一番大きな案件としては、調達金額1億円超のスタートアップのサービス立ち上げを1からまるっと受託、2ヶ月でリリース、そのあとの追加開発も常駐で行う というハードな案件をPM兼メイン実装担当として担当させていただく機会がありました。受託開発、というよりはクライアントと一丸となってサービスを作り上げるような感じで、スタートアップのリアルや「産みの苦しみ」を丸ごと体験する事ができました。
また、エンジニアながら、クライアントへの客先訪問も行っていたため、スタートアップのCEO、CTOの方と直接お会いして、事業の方向性や、サービス開発における課題点などをざっくばらんにヒアリングして、社内開発リソースの確保や、フリーランスや受託の活用について提案するような機会もたくさん持つ事ができました。(おそらく述べ20社くらいのスタートアップの経営者の方と面談しているのでは思います)
ちょっと長くなりましたが、この1年間の経験をかいつまんで言えば、Webスタートアップ業界を中心に、「受託開発」「フリーランス人材の活用」という枠組みで、サービス開発現場にどっぷり入り込んで支援を行ってきた、という感じでしょうか。
さて、前置きはこんな感じで、本題に入ります。
いきなり凄い内容をぶち込んでみましたが、これはまぎれもない真実です。「事業運営の中で必要不可欠なポジション」の具体的な例としては以下の通りです。
世代交代が激しく、またそれに伴いサービス開発スピードの短縮化が著しいWeb業界において、ここにあげたような専門スキル人材を確保することがいかに重要なのかは、今現在スタートアップに関わっている人であれば、実感があるのではないでしょうか。
その一方で「なぜそんな重要なポジションが、正社員でなくフリーランスなのか?」という疑問を感じる方もいるかと思います。それに対しては、この項目の対偶を考えるとわかりやすいと思います。つまり、
「事業開発サイクルの高速化が著しいWeb業界において、火急的に発生する実務ポジションに対して、従来の正社員採用では対応することができない」
ということになります。この書き方であれば、なんとなくイメージが湧くのではと思います。
ここ数年のスタートアップの爆速っぷりは本当に顕著です。スタートアップの経営者の方と話していると「資金調達元のVCから○月に成果報告を求められているので、それまでにモックアプリだけをとにかく早く作りたい」
「サービスのステークホルダーに先行して営業をかけたいので、最低限の機能を持つサービスを2ヶ月後には先行ローンチしたい」
「立ち上げたサービスがある程度軌道に乗ってきた為、まとまった人材リソースを投じて、サービスの横展開や、サービス改善を行いたい」
といった相談を受けることが多いです。こうした状況に対して、仮に従来の正社員採用スキーマを当てはめてしまうと・・・。
・採用媒体に募集要項を掲載 → 応募者と面談 → 内定 → 育成(ここまで半年かかってもおかしくない)
このスピード感では色々と間に合っていないのは明らかです。正社員が入ってくる頃には事業は次のフェーズに移り変わっています。正社員採用は文字通りの周回遅れになりかねません。
対して、フリーランス人材は、雇用契約ではなく業務委託契約。つまり、直近数ヶ月の限られた期間で成果を出す前提で契約を結ぶことになるため、当然ながら即戦力が求められます。こうした状況に適応できる人材はというと・・・
・新卒で大手ITベンチャーに入社、新規事業の立ち上げなどに参画して結果を出した後、フリーランスに転向。フリーランスとして様々なスタートアップの運営に関わった経歴を持つエンジニア
・スタートアップの創業メンバーのCTOとして参画し、バイアウトを経験。その後自分自身の事業を立ち上げる予定だが、本格的に動き出すまでの当面の活動資金としてフリーランスとして活動
と言った感じでしょうか。「さすがに盛りすぎではw」と思われる方もいるかもしれませんが・・・
はっきり言って、このレベルの人材はフリーランス市場にはゴロゴロしています。ITプロパートナーズでは、ブログ形式で、スタートアップ×フリーランスの事例をまとめておりますので、もっと知りたい!という方はぜひこちらをご覧ください。
(以下、事例内容より一部抜粋)
しかもご提案はいずれもスキルレベルの高い人ばかりで、ほかの会社でCTOしていましたというような人が何人も出てきたのには驚きました。(TechLife事例より抜粋)
スキル面はもちろん、それ以上に重視したのは柔軟性ですね。新規事業の舵取りをお願いしたいと思っていましたから、他の社員を巻き込んで引っ張っていく力は必須。そのときに重要となるのはチームのメンバーたちが頼れる人柄であるかどうかです。
今回紹介された方は、こちらが求めていることに対して「できない」ではなく「やってみよう」のマインドが強かったので、メンバーから信頼され新しい挑戦に先陣を切っていける人だと感じました。
(TechLife事例より抜粋)
以上に述べたような状況から、
「スタートアップ企業が、事業成長の各フェーズにおいて、短期的に優先度の高い専門スキルリソースを確保する手段として、フリーランス人材を活用する」
という事象が、予測や憶測ではなく、スタートアップ業界の現在進行形であり、ベストプラクティスの1つになりつつある事がわかって頂けるのではないでしょうか。
【1】で述べた内容の言い換えに近いですが、ここでは、どんなスキルがフリーランスで求められているのか、という事について、私がいろいろな案件に関わった実体験と、ITプロでの事例をベースに、もう少し具体的な例を上げていきたいと思います。
スタートアップのサービス開発チームは、立ち上げ期であれば2〜3名、ある程度運用フェーズに入ったサービスであっても10人未満と、基本的に人数が少ないため、開発しているWebサービス全般についてトータルで関わる事が求められます。開発フローなどが整備段階である事も多いため、
程度のスキルがあると、開発の中核を担うような立場で貢献しやすいと思います。
多くのスタートアップ企業が開発チームに求める評価軸の一つが「スピード感」です。単純な手の速さというよりは、短い開発期間で、実装の取捨選択をして「まず動くもの」を社内で確認できるようにしたり、表面化されていない潜在的なニーズを汲み取って実装に落とし込んだりするといった、メリハリのある開発が求められることが多いようです。
圧倒的に開発スピードがあがりました。プロダクトをリリースするまでの時間や改善スピードが格段に速くなりましたね。
(Tech Life 事例より抜粋)
リニューアルの検討にあたって重視したのは、円滑なコミュニケーションに基づくスピード感と、確かな技術力。「WEBサービスは、リリースした後が勝負です。新しいサービスが次々出てくる中で負けないためには、改修を重ねていかなければなりません。よりスピード感が大切になってくると感じていました」
(TechLife事例より抜粋)
スタートアップフェーズの開発では、要求仕様が正確に決まっている事は非常に稀です。システム的な仕様が明確になっていないアイデアベースの機能をアドリブ的に作りこんでいったり、作っていく中で、サービスとしてより良い仕組みや課題などが見えてきた場合には、当初の仕様に突き通すことよりも、柔軟に方向転換することを求められる場合もあります。
サイトで提供するサービス機能などは、実際にユーザーとの接点を持つ彼らがサイトの機能をきちんと理解して使っていくことが必要なんです。新しいサービスの導入にあたって分かりやすい説明書を作成したり、ちょっとしたことでも丁寧に直接説明している姿をよく見かけます。そうしたコミュニケーションの中から、運用上の課題などを抽出していることもあり、システムを作る側としての意識の高さに驚きます。
(TechLife事例より抜粋)
また、スタートアップ企業においては、開発体制もかなり流動的です。数ヶ月でエンジニアの数が2倍になるなんて事はよくある話です。刻一刻と状況が変わる中で、「今この瞬間に最大火力を出すためのファステストな開発方法」と「将来的な変化を見据えた開発体制の確立」の両面を見据えた行動が求められます。
ITプロパートナーズの方たちは「これをやってください」と言われたものをやるだけではなく「これをやると次はこうなるから、先にこれをやっておいたほうがいい」と先を見越した提案をしてくれるので、本当に助かりました。
(TechLife事例より抜粋)
以上、3点挙げてみましたが、いかがでしょうか。スタートアップに興味のある方、将来的にフリーランスを考えている方などはぜひ参考にしていただければと思います。
弊社、フリーランス仲介事業「ITプロパートナーズ」は、先日創業から3年を迎えましたが、売上ベースで前年比200%超と飛躍的なスピードで拡大しています。
述べ登録者数は10000名超、利用企業は900社超。
その背景には、これまで説明してきたような、スタートアップ業界におけるフリーランス人材に対する本格的なニーズの高まりがあり、直近の見通しで言えば、今後拡大していく市場でポジションを確立しつつある、という状況なのではと思います。
・・・とここまで、フリーランス万歳!ITプロ急成長中!万歳!という良い事づくめの話ばかりを続けていて提灯記事っぽくなってきたので(いや実際提灯記事なのですが・・・笑 )、ここからは私たちの事業領域に関するネガティブな側面の話をしたいと思います。
「人材業界」という世界に対して、ネガティブなイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
などなど。Google風に言えば「Don't be evil」に反する振る舞い、という表現になるでしょうか。
こうした観点から見て、実際問題、ITプロパートナーズはどうなのか?
・・・正直に言います。私は「ITプロパートナーズが悪どい商売をやろうと思えばすぐできる」と思っています。
例えば、
こうした状況にある人を「市場価値」という大義名分で切り捨てて、案件を紹介しない事は簡単です。
あるいは、フリーランス需要の裏にある「人手不足」を盾に、強気な単価やマージン率を設定することも可能でしょう。
ここ数年、「働き方改革」が叫ばれる中で、人材ビジネスに対する批判も多く見かけるようになりました。弊社が行っている「ITプロパートナーズ事業」をはじめとする人材サービスも、客観的に見れば、ビジネスモデル自体はほぼほぼ同一です。
ただ、今の会社の事業方針や、メンバーの雰囲気で言えば、そうした「悪どいことをやる」雰囲気は皆無です。断言してもいいです。
人材紹介のエージェントも、受託開発を担当するエンジニアも、社員全員、ひとりひとりが
それぞれのニーズや課題、悩みに真摯に向き合い、自分たちの利益以上に、一人一人のニーズ・問題意識に対して全力で支援し、価値を提供する事を第一に考えて、日々の業務に取り組んでいます。
・・・やっぱり自分たちで言っても説得力がないですね。笑
ただ、こうして社内の一兵卒エンジニアが、ブログという公共発信の場で、自信満々に「うちは悪い事を決してしません!」と言い張る事ができるくらいには、ITプロパートナーズではメンバー1人1人が公正な気持ちと使命感を持って事業に取り組んでいると思っていただければ幸いです。
ここまで述べてきたように、Webサービス系を中心としたスタートアップ業界は、ITやWebの技術革新とともに、組織のあり方や、事業運営のスピード感などがどんどん先鋭化していく、その真っ只中にあると言えるでしょう。実際に、現場の最前線で戦っているCEO,CTOの方とお話を聞くと、今回挙げたような人材リソースの問題をはじめとして、まだまだ様々な問題点を抱えている事がわかります。
この会社に働いて1年間、さまざまな企業や案件を通じて気づいた事は、ITプロパートナーズは、「人材」「開発」といった事業領域を通じて、そうしたITベンチャーの個別的な課題に対してリーチできる立ち位置にいる企業だという事です。
私個人のモチベーションで言えば、この激動の時代の中で、新しい事業価値を生み出そうとする起業家の方々は本当に尊敬しますし、そうした超優秀な経営者の方々を持ってしても容易でない課題に対して力ぞえさせていただき、時には一緒に悩みながら、課題解決のスキーマを組み立てていく今の仕事は、とてもエキサイティングで、知的好奇心と達成感を十二分に満たしてくれる仕事だと感じています。
激動のスタートアップ業界の中で、パートナー企業として、そして一人のエンジニアとして、今後も一つでも多くの企業に対して、全力で支援していくのが、ITプロパートナーズでの私の使命だと考えています。