こんにちは!GAUSS(ガウス)でインターンをしている畠山です。
私は主に、AIの精度を上げるための学習データの収集やアノテーション作業を行なっています。
今回はGAUSSで主に開発している「AIカメラ」について紹介します!
AIカメラの概要
AIカメラとは、カメラで撮影した画像や動画をカメラに接続されているAIが解析して、人や状況を検知する一連の連携したシステムのことを指します。
今までは、カメラで撮影された写真や動画を人が確認していました。そのため、映像の内容を確認する上では、人の力が必要となり、時間やコストがかかってしまいました。また、長時間画像や動画を見続けるため、高い集中力が必要となり、精神的にも非常に大きな負担のかかる作業で、ヒューマンエラーが発生していました。
AIカメラの発達により、人間による画像や動画の確認がAIカメラに代行されるようになりました。具体的には、防犯カメラを通して、撮影された映像をAIが解析し、あらかじめ登録した異常パターンを検知した場合に、管理者に通知を送るシステムなどが挙げられます。その結果、管理者は長時間映像を監視する必要がなくなり、生産性の高いタスクを行えるようになりました。
「エッジAIカメラ」とは?
エッジとは「ネットワークの端」、すなわちネットワークのうちユーザ端末に近いところを指し、エッジコンピューティングは情報を一時処理するためのサーバをエッジに置くことで、システムへの負荷を低減させるネットワーク技術です。
弊社ではエッジデバイスとして「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使用しています。
ではエッジAIカメラとクラウドAIカメラとの違いはどのようなものでしょうか。
GAUSSでは、二者の重要な違いは「目的」の違いにあると考えています。簡単に言えば、クラウドAIカメラは「見る」「貯める」目的であり、エッジAIカメラは「使う」目的です。
エッジAIカメラのメリットは大きく3つあります。
【①リアルタイム性】
クラウドAIカメラと異なりネットワークに依存しないため、即時性が高いうえ、ネットワークの弱い環境でも使用できます。
【②プライバシー保護】
クラウドを用いない点は、プライバシー保護の観点でもメリットであるといえます。
【③通信費用削減】
データをクラウドにアップロードする必要がないことから、通信費用を削減でき、費用対効果が高いといえます。
一方でデメリットとして、クラウドAIカメラと比較してAIモデルの管理が煩雑であること、AI開発のための初期投資がかかること、ハードウェアの運用・保守のための工数が大きいことが挙げられます。こうした点から、参入障壁が高くなっています。
以上をまとめると、
クラウド上で管理することでデータの貯蓄・保存が可能となるクラウドAIカメラ
現場において即座にデータを利用できるエッジAIカメラ
という特徴がわかると思います。
近年はエッジAIカメラの発達により、高度な画像解析と物体検知結果をリアルタイムで確認できるようになりました。従来のAIカメラはクラウドAIカメラが主流でしたが、上記の特徴を踏まえると、千分の一秒単位での重要かつ繊細な運用にはエッジAIカメラが適しているといえます。
そこで、GAUSSが開発しているエッジAIカメラ「GAUDiEYE」をご紹介させていただきます!
GAUSS株式会社:GAUDiEYE
GAUDiEYEは、独自AIが簡単に搭載でき、高精度のAI・メンテナンス性の高いIoT管理システム(GAUDiHUB)がありながら、AIカメラを低価格で提供できる製品です。
[GAUDiEYEの主な特徴]
- 画像認識による物体検知・アラート通知(メール、プッシュ通知、パトランプ等)
- AIによる最適なエリア指定が可能
- 現場映像を教師データとして、AIを学習させて、現場のAIを最適化
- 遠隔からでも複数のAIカメラを管理、監視することが可能
- 貴社製品の付加価値向上、新規サービス立上げのためのローコード開発が可能
[解決できる課題]
危険エリアの立入禁止 / 安全装備(安全帯、ヘルメット、保護メガネ等)の利用状況の検知 /クレーンの旋回範囲の立入の検知/混雑検知 / 交通量カウント / ふらつき・転倒の検知etc.
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000027358.html
このように、製造・建設・介護など現場の安心・安全に貢献し、万が一の労災を予防したり、発生時の記録が残したりできるAI機能搭載カメラです。
以下、具体的な導入事例を見ていきましょう!
GAUDiEYE 導入事例
製造業 ー機械操作時の労災事故防止ー
製造業の現場では、高速で動く機械に安全装置がついておらず、接近して作業をする時に労災が発生してしまう、という課題があります。
GAUDiEYEは、危険エリアへの人の侵入を察知して警告灯を鳴らし、労災の発生を防止することができます。
製造業 ー自動倉庫エリアの災事故防止ー
自動倉庫では、荷崩れが発生した際に人手で手直しする作業が発生します。その後、目視で人がいないことを確認して自動倉庫を再運転させるため、労災発生リスクが高くなっています。
危険エリア内の人を察知して警告灯・警告音を発動させるGAUDiEYEは、こちらでも活かすことができます!
土木現場 ー吊荷作業時の人払いー
土木作業の現場では、パトランプ(パトカーに載っているような、警告音を鳴らす赤い回転灯)による作業員への注意喚起が行われていますが、本当に人払いができているかの確認は目視となっています。そのため、死角にいる作業員に気づかず、労災が発生してしまうというリスクがあります。
GAUDiEYEによる侵入検知は、属人的な確認作業による労災リスクを補完することができます。
警備会社 ー夜間のスケートボード注意喚起ー
夜間、警備エリアに侵入してスケートボードをする人々に対して、警備員はその都度注意をしています。これでは警備員の負担が増えてしまう上に、本当に警備すべき対象に警備工数が回らなくなってしまいます。
GAUDiEYEは禁止エリアに侵入したスケートボーダーを検知してパトランプを鳴らします。颯爽と走るスケートボーダーに対して、GAUDiHubを用いたAI学習によって検知精度を最大化させることができます。
GAUDiEYEの機能は、警備における課題を解決する一助ともなっています!
まとめ
現在、様々な現場でAIカメラが導入され、人間の目では難しいタスクをこなしています。しかし、それは人間の仕事が奪われているということではなく、社会の効率を良くし、人間ならではのクリエイティブ力の向上につながると考えます。今後もAIモデルの進歩に期待しながら、私自身もAI開発に従事していきます!