なにをやっているのか
特定非営利活動法人セブンスピリットは、世界の子ども達が子どもらしく学び、子どもらしく遊べる環境作りを行っていくNPO法人です。
現在フィリピン・セブ島のダウンタウンにスタジオを構え、普段は物乞いなどをしている貧困世帯の子ども達にアンサンブル音楽とチームスポーツの経験を通して、ライフスキル教育に取り組んでいます。
なぜやるのか
フィリピンでは未だに多くの子ども達が学校に通うことが出来ません。セブ島の小学校卒業率は、毎年75%前後の水準を推移しています。授業料が無料とはいえ、住んでいる場所から学校までの交通費、教材費、プロジェクト(自由研究)代等、さまざまな出費がかさむことで、経済的に就学を続ける事は困難。
また、高い人口増加率を維持するフィリピンでは子どもの数が増え続け、学校教育の中で一人ひとりの生徒に十分な注意が行き渡る事もなく、落ちこぼれてしまった生徒は自然と学校から離れていってしまいます。
日本よりもよほど厳しいと言われる学歴社会のフィリピンで、初等教育さえ終える事のできなかった子ども達は、貧しさの連鎖の中に封じ込まれてしまうのです。 タバコ、酒、薬物、暴力、犯罪、早期妊娠、非行、児童労働、性的虐待…。
十分な学校教育を受ける事ができない子ども達は、校外で様々なリスクにさらされています。幼い頃から、家族を支える為に、学びや遊びの時間を犠牲にしながら、路上で、スラムで、働かなければならない子ども達がたくさんいるのです。
子ども達自身が、よりよい暮らしを実現するために、周りの仲間と力を合わせて日々の課題や挑戦に前向きに、建設的に取り組み考えられるようになるために、セブンスピリットではアンサンブル音楽とチームスポーツを無料で学べる環境を整えています。
一人ひとりがそれぞれの役割を任され、周りと強調してパフォーマンスを高めていくアンサンブル音楽・チームスポーツは、いわば小さな社会。グループワークを通して規律や責任感を学び、また社会の一員としての自尊心、自分や相手を愛する心を学んでいきます。
どうやっているのか
ライフスキルとは、「日常の様々な問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に必要不可欠な能力」としてWHO(世界保健機関)が提唱する、自己認識、共感性、コミュニケーション、対人関係、意思決定、問題解決、創造的思考、批判的思考、感情対処、ストレス対処の10のスキルです。
これは、人間の身体的、精神的、社会的健康を担保する為に必要なスキルで、特に途上国で問題となっている早期の妊娠や暴力、ドラッグ、タバコ、酒などの危険から身を守り、自らの理想とする人生を歩んでいく為に不可欠なものです。
単に音楽やスポーツのスキルを高めるにとどまらず、それらの経験を通して効果的にライフスキルを子ども達が身に付けられるよう、日本の大学研究者とともに、教育プログラムの開発に取り組んでいます。
セブンスピリットは、以下のスキルを適切に身に付けた子どもの育成に取り組みます。
◇自己実現に向けた目標達成のスキル
1)自分らしさを見つけ,夢や希望を持つこと
2)目標に向かってよりよく行動すること
3)チャレンジを続けること
4)「やればできる」と前向きに考えられること
◇集団の中で人と効果的に関わるスキル
5)社会の一員として健全に生きること
6)相手の立場になって物事を考えられること
7)良好な人間関係を作り,保てること
8)効果的なコミュニケーションが図れること