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UXデザイナーとしてグローバル案件を担当。業務内容を聞きました


サービスやプロダクトの設計に戦略フェーズから関わり、より良いユーザー体験を追求するUXデザイナー(以下、UXD)。担当する案件や役割によって仕事内容はさまざまです。フォーデジットのUXDは日々どんな仕事をしているのか?

今回インタビューしたのは、昨年MVPに輝いた岸野さん。UXDになって約4年の彼女に、現在の仕事について話を聞きました。

岸野 真琴(Makoto Kishino)
新卒から大手精密機器メーカーに入社し、インダストリアルデザイナーとして約10年ほどキャリアを積む。イギリスへ留学し、ユーザー中心・ユーザー参加型デザインを研究後、デジタル領域での実践を目指し、2020年フォーデジットへ入社。2022年下半期にはMVPを受賞。

──担当した案件について教えてください。

今までに担当した案件は、カフェチェーンのブランドサイト・モバイルアプリの改修、中小企業のDX支援サービスの開発、小口投資の新サービス検討のプロジェクトなどがあります。現在は、自動車関連のスタートアップ企業や行政のサービス、地方銀行関連のプロジェクトなどを担当しています。

また、ベトナムの日系企業のコミュニケーション戦略プロジェクトにも携わってきました。既存の製品オーナー向けアプリを基軸に、日々の製品を利用する上でのサポートや求められるナレッジの提供を通して、顧客が企業とのつながりをより深めていけるようなコミュニケーション戦略を考えるプロジェクトです。コンペの提案時から参画し、受注が決まった後は、既存アプリの利用状況分析、ユーザーリサーチ、ワークショップ、具体的な開発プランを策定しました。

──各プロセスにおいて、具体的にどのようなことを行ないましたか?

コンペ時は提案書を作成しました。提案範囲が既存アプリの足元の体験改善・次期方針を導出するためのコンサルティング構想・それを実現するための開発体制の提案と幅広く、末成さん(取締役COO)と相談しながら執筆しました。

まずは、既存アプリの利用データから、どのような人がどう利用しているのかを分析します。上申する相手はクライアントのジェネラルマネージャーですが、私たちが日々コミュニケーションをとるのはベトナムのローカルチームのメンバー。ワークカルチャーの違いから生じる認識のズレやコミュニケーションのテンポの違いに戸惑うこともありました。例えば提供いただいたデータが思っていたものと違ったり...。分析ツールが使えないデータを手作業で加工したり、必要性を説明してデータを追加で共有いただいたりと、正しく現状を把握するために細かい作業やコミュニケーションを地道に行いました。

また、現地のユーザーが実際にどのように製品を日々利用しているのかを深く知るために、彼らのライフスタイルや価値観を含めてインタビューを行いました。私はベトナム語が話せないので、インタビュアーはフォーデジットベトナムのUXDに務めてもらいました。私はオンラインで参加し、テキストの同時翻訳を確認しながらさらに深掘りしたいことをチャットで伝える、といった二人三脚で実施。余談ですが、インタビュー中に対象の方が「バイト中で、呼ばれたのでちょっと抜けます」と言ってインタビューが中断されたことも。こういったところにもカルチャーの違いを感じましたね(笑)。

現状の理解とインプットから得たインサイトをもとに、ユーザーと製品・企業との接点が生まれる手前から関係が濃くなっていくまでを通して、ユーザーペルソナごとの課題を明確にし、打ち手となる機能や適切なコミュニケーションを検討していきます。このフェーズはクライアントのローカルチームのメンバーと共にワークショップ形式で集中して議論し、施策のアイディエーションを行いました。フォーデジットの日本チームメンバーは現地に飛び、ベトナムチームのメンバーと協力してワークショップを運営。当時のベトナムチームはいわゆる上流工程に参加したことがないメンバーが多かったので、インプットをかなり丁寧に行いました。クライアント側の参加者も全員ワークショップは初めて。最初は戸惑いの見えた方々にも声かけをしていくうちに、議論は白熱。日本語・ベトナム語・英語が飛び交う空間の温度感は記憶に色濃く残っています。

その後、生み出されたアイディアの受容性を再度ユーザーにインタビューで検証し、クライアントチームと共に戦略を固め、開発に向けた具体的なプランニングを行いました。

──現地の方々とのコミュニケーションは大変でしたか?

言語の壁はベトナムメンバーの協力、ツールなどで解決することができましたが、ワークカルチャーの違いは苦労しましたし悩みました。双方の「当たり前」や「こう考えて当然」といった思い込みが大きなズレに発展してしまうので、より具体的に・細かく説明するなど、丁寧なコミュニケーションを心がけていました。

──地道な仕事も多いように感じますが、どうですか?

ユーザーリサーチで得たたくさんのファクトが集まってユーザーの傾向が見えたり、逆に一人の人にフォーカスするといろんな側面が見えてくるのは興味深いです。一人一人が複雑であるという事実をフラットに受け止めた上で、傾向を導き出していくのはすごく充実感がありますし、思いがけず自分のバイアスに気付かされ、驚くこともあります。同様に、クライアントの方々とのコミュニケーションのあり方も、積み上げていく中で見えていくこともあります。「この方だったらこういう情報があることで深い議論ができるだろうな」とか、「組織のバックグラウンドを考慮すると、どんなコミュニケーショントーンが望ましいのか?」といったことですね。

信頼に繋がるのであれば、とことんやる

──岸野さんから見て、フォーデジットのメンバーはどんな人たちですか?

「粘り強く、根性がある」という言葉が思い浮かびます。さらっと終わらせちゃえ、という考えの人はあまりいないですね。向き合うことのカロリーをセーブして、後で後悔するぐらいなら全力投球しよう!という方が多いように感じます。

──岸野さんはどうですか?

私もストイックな方だと思います。プロジェクトを進める上では、当然効率や優先順位も考えますが、重要なところは粘り強くやりたい。コミュニケーションが肝になる場面では、テキストだけでさらっと送れることでも、例えばあまりデジタルに詳しくない方には事例も載せて具体的に説明しています。私は特別弁が立つ方ではないので、愚直にしっかり準備をすることや、クオリティの高いアウトプットで信頼を積み重ねることで、誠実さが伝わればいいなと思いながら仕事をしています。

──フォーデジットで働いてみてよかったこと、大変だったことは?

良かったことは、自分と同じ思想で仕事に向き合える人が多く、信頼がある前提で仕事ができることです。風通しの良さというか、組織全体がフラットですし、役員とも、自分より若い世代のメンバーとも気軽に相談し合えます。決してチャラついている訳ではないですが、冗談を言い合えるような気負わない関係性の中で、ちゃんと仕事ができるなと思います。

大変なのは、逆説的ですがみんなが熱意を持って一生懸命なこと。そういう姿を見ていると、自然と自分も限界まで頑張れるんですよね。体力的に厳しいこともありますが、でもそれが結局楽しかったりもします(笑)。

──ありがとうございました。

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