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グッと固まって充実する瞬間の楽しさ – 執行役員 石田 康太

フォーデジットの執行役員を務めています。アートディレクターとしてプロジェクトに関わりながら、デザインチームだけでなく組織の横断的な役割も担っています。学生時代から音楽活動をしていて、就職もせずアルバイトをいろんなものをやってましたが、音楽活動の中でCDジャケやらビラやらを自分でデザインしていたので、その一環でバンド仲間の先輩に紹介されてフォーデジットにアルバイトで入社しました。

ツールの正しい使い方から下積みを

デザインも独学だし、最初は完全に未経験。1、2年ぐらいは本当に小さい仕事をやっていた感じです。バナーのデザインからWebページの一部、ページ構成、中ページの全体、トップページ、みたいにだんだんステップアップしてやれることを増やしていきました。まだその頃はバンド活動もやっていたし、社員に誘ってもらっても中途半端になるので断ってました。バンドが解散したタイミングで、仕事も楽しかったし、フォーデジット自体も楽しかったし、仕事としてちゃんとやろうと決めて、社員としてやることになりました。

そこからは、色々なプロジェクトを経験していく中でさらにステップアップしていった感じです。中規模のWebサイトだけでなく、規模が大きかったり、機能的な要素が強かったり、アプリだったり、と色々やっていって、会社がもっと大きなスコープで担当することが増えていく中で、あんまりアウトプットにこだわらず、クライアントとユーザーに必要なものをつくる、という感覚に変わっていきました。アートディレクターになったのも、この感覚を掴み始めてからだと思います。

身近な人が使うからこその責任感

色々経験していく中で、アプリはやっぱりすごく身近なものだし、日々使っていくものだなと思って、すごく興味が湧きました。それこそAppleやGoogleのガイドライン、専門的な書籍も見ましたし、そこで語られている思想やユーザーが本当に中心であることなどに触れて、デザインというある意味、見た目が重視されることが多いですが、もっと大きな視点があることにも気づいた感じです。

ビジュアル面でデザイナーに期待されることが多いのはある種当然だと思います。なのでビジュアルデザインには当然力を入れていますが、ユーザーテストなどに多く触れると、どんなにイケてると思っても、使いづらかったり迷ったり失敗したりする人がいます。そうなるとさすがに自分でも、こりゃ意味ない、という気分にもなるし、自分自身のデザインという評価軸も変わっていきます。目の前で自分たちが作ったものが評価されていくのはやっぱりすごくリアリティがある。

今は、本当に多くの人たちが使うプロジェクトが多いので、自分の家族や友達が使うこともあります。自分が関わって家族が使うのに、それがイマイチってわけにもいかない。やっぱりいいものを作りたいし、そういう責任を感じながらやっています。

良いものをつくるためのスタンス

デザイナーとしてクライアントに会った時は、最初は何かこう、、準備したものをプレゼンして評価される、みたいな対立軸で捉えていた気がします。どこかでプレゼンして評価されるステップがあって、そのために準備してフィードバックを受けて、また準備して、、という時間の流れが当たり前だと思っていました。10年ぐらい前に大阪のクライアントのプロジェクトをやっているとき、タケさん(COO末成)と一緒に、クライアントと毎日のように顔を合わせて、ディスカッションしたりワークをしながら進めていくことがあって、クライアントも一緒にみんなで良いものをつくる体験をしました。

プレゼンしてフィードバックして次の週の定例でプレゼンして、、、みたいなことより、もっと手前の段階ごとにディスカッションをしながら、感覚や考え方を擦り合わせながらつくっていくイメージです。一体感とか一緒につくるとか、そういうスタンスが大事だし、コミュニケーションの速さとか密度とかそういうものが大事になります。当然デザイナーとしてやるべきことはありますが、向き合うべきは人であるというか、人に向き合ってコミュニケーションをしながら、ユーザーに提供すべきものを仕上げていくということの方が、結果的にクリエイティブの質もスピードも成果にもつながっていくと思っています。

グルーブが生まれる瞬間

フォーデジットのメンバーもクライアントも一緒になって、グッと固まりになっていく瞬間があるんです。集中力が集まって立場や枠を超えて、あるべき方向に向けて前進していく感じ。何をやっているかどうかではなく、そのグルーブ感が生まれる時は本当に楽しいですね。自分たちの信じられるものになるし、結果も伴うことも多い。最近やった金融関連のプロジェクトでも、クライアントを含めたチーム一体となって一緒に磨き上げていくことができました。一体感と言っても簡単につくれるものではないですし、信頼関係を積み上げたからこそできることでもあります。なので、人同士の関係性も大事にしています。

仕事って人生の中でもすごく多くの時間を占めると思います。だからそれを楽しくやれることが大事ですよね。楽しい、というのも笑えるというより、こういう充実感や達成感みたいな楽しさがいいですし、乗り越えた後にみんなで酒を飲んだりするのは最高ですね。どっちにしても苦労はあるから、デザインの仕事がただお金を稼ぐ手段になってしまわないように、みんなと共にエネルギーを出して前に進めて、充実した時間をたくさん持てるといいなと思います。

撮影:吉田周平

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