takeo paper show 2018 "precision"
takeo paper show 2018「precision」特設サイト
http://www.takeopapershow.com/
最近社内ではCMFがキーワードとなっています。プロダクトをデザインしていくうえで製品の表層を計画的に作り上げていくことはとても大切です。
テクノラボが得意とするプラスチックという素材は作り方次第で、安価にも高価にも見せられることが魅力の一つだと私は思っています。そのためにはマテリアルに対し適切な表層を設定していくことが重要で、製品の“質”に繋がります。
普段はプラスチックや金属の情報を優先的にとるようにしていますが、『新しいファインペーパーの在り方を提案いたします』という言葉に、仕事に繋がるヒントがあるかもしれないと思い竹尾さんのペーパーショウを見に行ってきました。
プラスチックでも海水や竹、紙を混ぜ込ませて新しい機能や使い道を提案する取り組みが多くありますが、こちらはフェライト粉や砂鉄を混ぜ込んだその名も“動紙”
金属のような性質と、紙の軽さを活かして動きます。
軽いので磁石で浮く
金属の種類や比率で表情にも違いが出る。
すべて紙。糸や布に近づけることで紙の魅力とはなんなのか再考のきっかけになる・・・かも
バキューム型
その後表面をプレス
たしかに半透明、こういう解釈もあり!この作品はとにかく製造工程のムービーが面白かった。レーザーで不規則な穴があいていく様子はずっと見てられる。
会場の外、階段の部分では珍しい紙を自分でちぎって持ち帰ることができるようになっていました。本当に普段あまり触れないような珍しい紙が並んでいて触り心地や温度、粘りなどの特徴を体感することができます。
豪快な音を立てながらびりびり破るのは楽しく『帰ったら貼り絵でもしたいな』とテンションが上がりました。
(多摩美には竹尾のペーパーショップが入っていたのでだいたいの価格の予想がつきます・・・なんて贅沢なワークショップ!)
今回の展示は展示の見せ方も、内容も、竹尾の社員の方々の説明や人柄も、お土産もすべてがよくて私にとって“いい刺激”になりました。
よくこういった「新しい在り方」を提起するような展示の話をすると、「私は買わない」「そもそも製品になるの?」といった話になります。
もちろん新しい技術がそのまま製品になって売れればいいですが、それよりも業界が賑わうことに価値があるように思います。飛びぬけたアイデアが投下されることで、それを見た多くのひとがその素材のイメージを打破するアイデアを創出しやすくなります。(きっとそちらの製品は製造がしやすく、現実的には“売れる”製品でしょう。)2歩進みかけて結局1歩前に進むような発展が実市場を支えているのではないでしょうか。
紙もプラスチックも身近な素材ですが、竹尾さんのペーパーショウは若い人が多く活力漲る展示会でした。プラスチックもこういう盛り上がりが活発になるといいなと切に思います。