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僕が人事になった理由

僕は学生時代から中高の部活のコーチ、そしてNPO法人のメンバーとして活動をしていた。

部活動もNPOもどちらも「しなければならないもの」ではない。

それでも所属しているわけだから、そこには何か理由があるはずである。部活で言えば、「大会で優勝する」「精神的に強くなる」といったはっきりした目的がある人もいれば、「このメンバーで何かをしていることが楽しい」という人もいる。NPO法人もスキル向上、人脈作りなど理由は様々だ。

そのような環境にいると、「所属する個人の目的を達成しつつも、組織としても成果を出す」ことへの関心が増してきた。大会で勝つために辛いトレーニングを強いて、空気が悪くなってはいけない。人脈作りだけに注力をして、そもそのの団体の目的が達成されなければ存在価値がなくなっていく。

僕は学生の頃から組織活性、組織作りに興味があったのだ。


就活の時は「人事」と「人材系」と両方考えていた。しかし、前者については人事職での新卒採用を見つけることができなかった。後者については「これがベストプラクティスである」というものが存在せず、個社ごとに「良い状態」がそれぞれ存在する領域において、コンサルという立場で関わるよりも、事業会社の人事として組織のイチ員として組織作りに関わりたいと考え候補として消した。また、転職エージェントや求人媒体をやっている会社で人材に関わる道もあったが、「やりたいこと」と「やらなければならないこと」が一致しにくい仕事だと思い、その道は考えていなかった。
具体的には、転職エージェントは転職させた人の年収に応じてもらえるfeeが決まるため、やらなければならないこと(=売上拡大、個人目標達成)を考えると、年収が高い企業に紹介した方が良い。また、広告もやりたいこととしては「その人に合った企業を見つける」ことではあるが、その人に合わない企業を紹介し続けた方が広告としては儲かる。これらにもやもやを感じていた。

そこで、就活では組織として一流であろう会社に飛び込んでみようと考えた。結果、SaaS・クラウドが注目されていく中で絶対的王者に君臨し、ビジネスだけでなく社会貢献活動にも力を入れているSalesforceへ飛び込んだ。

もちろん組織としてすばらしい面をいくつも学ぶことはできたが、それ以上にSaaSの良さを感じた。月額課金だからこそ顧客と伴走できる。そして、Salesforceに入ったことで、HRTechというものが流行っていることもキャッチアップすることができた。

月額でお金を支払えば、あとはひたすら使い倒すことでコスパがよくなる、使い倒してくれることでSaaS提供している会社にも安定してキャッシュが入っていく。HRTechに関われば、僕が就活時に感じていたもやもやとは別のところでHRに関わることができるのではないかと思うようになった。

しかし、一度も人事業務をしていない中でTech側に関わっても顧客の気持ちがわかりにくいと思い、まずは自分が人事として活動し、それからHRTechに関わっていこうと考え転職を決めた。


現在は、中途採用をしているが、その中で人事の魅力、大切さを強く感じている。と同時にその人事の必要性が会社には伝わっておらず、軽視されている会社も多いことを知った。最近は採用のプロとしてキャリアを積んでいくのもありだと思っているが、そのことについてはまた別の機会に書こうと思う。

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