営業は、AIに勝てるのか
こんにちは。
本日は、AIが台頭した後、営業は生き残るのかをテーマに記事を書かせていただきます。
営業以外、タクシー運転手という仕事に目を向けると…既に、中国では無人タクシーの実証実験中。
先を越されたか?中国で自動運転による無人タクシー営業中 | NHK | ビジネス特集【NHK】中国では完全無人の自動運転タクシーがすでに客を乗せて営業していますwww3.nhk.or.jp
一説によると2025年を目処に「原則無人タクシー化」を目指しているとのこと。
アプリで呼べる、事故もない(ヒューマンミス)、人件費もかからない
忘れ物をしてもいつ誰が乗ったのかデータで残る・・・
いろいろなメリットが有るし、個人的に一度乗ってみたいと思った。
ただ、この技術の進歩でタクシー運転手という職業が脅かされているのも事実。
技術の進歩で多くの仕事が失われていく、生まれていく中
「営業」という仕事はどうなるのか?
目次
- 営業マンは20年で100万人消滅!「営業不要」で生き残る企業の条件
- AIが台頭する前に、すでに営業職の立ち位置は脅かされつつあるといえる。
- DX化で既に淘汰される営業職
- 厳しいノルマ、高い報酬なら最適?
- AIが「営業」を行うと…?
- 2025年の営業の世界
- 営業はいらない。という意見が出てきてもおかしくない。
- コンサルティングセールス
- その他のセールス
- エモーショナル・セールス
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営業マンは20年で100万人消滅!「営業不要」で生き残る企業の条件
営業マン受難の時代を証明するかのように、この20年の間、営業マンの数は2001年の968万人から、2018年にはついに864万人にまで減少した。これはピーク時に比べて、約100万人の営業マンが消滅したことを意味している。
https://diamond.jp/articles/-/227850
AIが台頭する前に、現状を見ていく。
インターネットの台頭、PLGモデルによるSaaSを初めとしたビジネス展開、コロナ蔓延による対面商談の減少、自粛、ECの普及…
すでに実施されているDX化も一因となり、すでに営業と呼ばれる職種についている人数は現象している。
一方、相反するデータもある。
なぜ、営業職が減少しているにも関わらず、営業事務職が増えているのか?
トップセールスが残り、事務作業を行う担当者が増えたから?
そういった理由も0ではないだろう。
しかし、この中にはインサイドセールスも含まれる。
いわゆる旧来の営業スタイルからインサイドセールスを用いたThe MODEL型組織に転換している企業が増えているともいえる。
しかし、他にも理由はある。
実際、データで見るとインサイドセールスを導入している企業は11.6%。
これは、欧州の1/3にあたる割合。
インサイドセールス以外の要因とはなんだろうと考えてみると…
セールステックの導入や営業業務の効率化による、営業人員の削減も挙げられるだろう。
AIが台頭する前に、すでに営業職の立ち位置は脅かされつつあるといえる。
企業において、経営者と主に直接売上を作る、会社にお金を持ってくる事のできる職種が営業である。
企業成長において、お金、売上を上げていくことは避けては通れない。
にも関わらず、営業がなぜ減っていくのか。
また、営業が減っていく、減ったと仮定しても「企業が継続的に成長できる」のだろうか?
お金、売上を作れる仕事だと前述したが、国内全体で見ると「法人営業の無駄」は顕著。
日本の営業担当者は働く時間の25.5%を「ムダ」であると回答。
金額換算すると年間で約8,300億円もの経済損失
39.2%の組織で「顧客情報の管理方法は明確ではない/わからない」状態となっており、顧客情報が明確に整理、共有されていない「やみくも営業」状態であることが明らかに。
買い手が営業担当者による訪問を希望する理由は「営業担当者の誠意」と「安心感」。
しかしそうした根強い訪問信仰が残る一方、訪問によって見せた「誠意の対価」として顕著な成約率アップが得られるとは限らない。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000037724.html
そもそもの営業という仕事には無駄が多い。
こういった営業の無駄が、テレワークに伴い爆発的に広がったCRM/SFAを始めとしたセールステックで顕在化。
結果として外資、日系問わず話題になるレイオフやリストラ、営業職以外への転職などもあり、営業人口が減ったともいえるだろう。
DX化で既に淘汰される営業職
現職の営業が無駄の顕在化等多くの理由があり、減少しているが、営業を目指す方々はどうだろうか。
https://1dau.co.jp/eigyoushoku-kitui/
どの企業もプレッシャーの感じ方はそれぞれあるが、ノルマや目標設定をしていく企業がほとんどだと思う。
このノルマというプレッシャーから、営業職を避けたいと感じる人が一定数いることは事実。
また、営業職に就いている20代の平均年収は403万円。
直近でも大きな伸びは無い。
加えて、セールステックで効率化、一部代替ができてくると…新規採用の人数が現象する可能性は十分にあると言えるだろう。
一方、外資系企業のような「ノルマ、目標にシビア」なイメージが有る企業の人気は相変わらず高い。
業種にもよるが、新卒年収:1,000万、30歳で年収:3,000万という営業もザラ。
こうみると、ノルマ、目標にシビア、レイオフなどのリスクがあっても、相応の報酬が約束されていると魅力的な仕事になりえると言える。
ここは面白い。
厳しいノルマ、高い報酬なら最適?
では、ノルマと報酬について考えてみよう。
厳しい環境でも、納得できるインセンティブがあると人は動くのか。
具体的なデータが無いが…
「日本企業の中で、従業員が納得する金額でインセンティブを支給している法人」はおそらく20%にも満たないと思う。
また、インセンティブ制度があったとしても、この制度を満足に享受できるのは「一部のトップセールス」のみで、
厳しいノルマ、目標を課されているミドル、ボトム層の営業が納得する金額が支給されているケースは珍しいと思う。
労働人口が減少していることから、営業はもちろん多くの企業から人が減少していくことは間違いない。
そうなった時、競合他社のトップセールスと戦うのはミドル・ボトム層の営業かもしれない。
納得できる報酬でない、厳しいノルマ、減っていく見込み顧客…
DX推進のみならず、このような側面で見ても営業が現象する理由となりえるのではないかと思う。
※そもそもの人口減少の影響も大きい
※データ含め諸説あり
AIが「営業」を行うと…?
ここまであえて、マイナスの側面から営業人口の減少を見てきた。
多くの意見があるが、少子高齢化による労働人口の減少等大きな問題は避けては通れない。
そして、この少子高齢化による労働人口の減少を打破するきっかけとしてAIが注文されていることも事実だ。
2025年の営業の世界
ここからは、想像の話をする。
AIがこのように進歩したら…という仮定の話だが…
・リード獲得その方WebマーケティングはAIで最適化
・流入リードのオートナーチャリング
・顧客の興味関心に合わせたセグメンテーション配信
・Chat botによるオンライン質疑応答
・トップセールスクローンによる商談、プレゼン資料の自動生成及び最適化
・MA/AIによる追加ナーチャリング、購買促進
・AIによる社内稟議、見積もり、NDAその他の事務作業代行
・競合比較、想定ROIの自動算出 ・運用大切の最適化
・サポート体制(AI)の提示、製品体験(PLG)
・電子署名、キャッシュレスによる購買手続き、支払い設定
・活用度合いに合わせた1to1で行うCSの実現
このような流れが全てAIで代替されるとするとどうだろう?
一部は既にAIでも開発・実装されているものもある。
上記は夢ではなく、近い将来このようになってもおかしくないだろう。
また、上記以外にも「経営AI」のような想像のできない業務をAIが行うかもしれない。そのくらい早い速度でAIは進歩している。
仮に、2025年上記のような社会が実現した場合、現在の営業という仕事は必要だろうか?
感情を抜きにすると、計算ミスなどがないと思われるAIで、売り込まれることもなく自分のタイミングで検討をし購買判断ができるのはメリットもある。
営業はいらない。という意見が出てきてもおかしくない。
販売のみを行う営業はいらなくなる。これは意見としてあるだろう。
既に、説明を行う営業…説明係のような営業は求められていない。
商品を説明して、売り込んで、御用聞きをして…
こういった旧来の営業スタイルは既に衰退していると言える。
説明だけであれば自分で調べたほうが早い。
営業前に調べたい、体験したいという顧客は80%以上とも言われている。
では、顧客の課題にフォーカスとした営業はどうだろう?
仮説を考え、課題を特定深掘りし、解決策として製品提案を行う営業…
とても重要なスキルだが
「課題判断AI、優先度チェックまで行い、自社にあった安価なサービスを探します」
「企業組み込みAI、業務を感知して適したシステムを自動でプログラミングします」
といったAIが出てきた場合に、重要視されるスキルであるかはなんとも言えない。
コンサルティングセールス
そこで重要になる、いま注目されているのがコンサルティングセールス
セレブリックスの今井さんのNoteでも触れられている営業の有名なスタイル。
このような記事もあります
コンサルティングセールスとは、一方的に商品・サービスを売り込むのではなく、顧客の課題に沿った解決策としてあらゆる方法を提案する営業手法です。
いま抱えている顕在化している課題だけでなく、その課題の本質や根本となっている課題も見抜き、最適な方法を提案します。
その名の通り、コンサルタント的な視点を持ち、顧客の課題解決のための提案を通して自社商材を売り込みます。
ただし必要があれば、自社商材だけでなくあらゆる解決方法を提案することもあります。
コンサルティングセールスは顧客の課題やニーズを理解した上で提案しなければいけないため、顧客との信頼関係構築が必須です。
信頼関係の構築により顧客が自らについて話しやすい環境を作ることができるので、顧客についての理解を深められます。
顧客と信頼関係を深めることにより、顧客のエンゲージメントを向上させてリピート購入やアップセル・クロスセルを促す効果も期待できるでしょう。
https://product-senses.mazrica.com/senseslab/sales/what-is-consulting-sales#i-5
この人が思考する部分はなかなかAIで代替をしていくことは難しい…と思う。
近しいことはできても、ビジネスを行う、購買判断を行うのが人である以上、そこをすべてAIで代替していくことは難しい。
そう考えると、コンサルティング・セールスというのは現在のすべてのセールスが生き残るため、お客様にさらなる価値を届けるために重要な要素だと思う。
その他のセールス
もし、コンサルティングと言われる職種まで完全にAI化されたら…という仮説に立って考える。
上記のようなコンサルティングセールス。。。以上のAIが出てきたとする。
クローン技術も高まってきている中、トップセールスのクローンが世の中に広がると…
可能性は0ではないかもしれない。
有名なセールスコンサルタント、ジグ・ジグラー氏の言葉でこのような言葉がある。
「営業は、感情の移動である」
営業という仕事は、顧客の勧業を動かす仕事。
この観点で考えるとどうだろうか?
感情を理解し、感情を動かす。これは人にしかできない、AIでは代替できない分野だと考える。
エモーショナル・セールス
相手の感情に訴え、心を動かす営業。
エモーショナル・セールスという考え方は生き続けるのではないだろうか?
まとめ
マイナスの側面から、営業という職業を俯瞰して考えてみました。
色々と書いてきましたが、営業という仕事はAIに代替されない。と感じています。
一方、工夫のない説明係のような営業や、ただ売り込むだけの営業はお客様に求められなくなっていくと思います。
営業として、お客様にどのような価値を提供できるのか。
AIやITなどの技術に負けない営業スキルはなんなのか。
毎日の業務で少しづつ考え、努力を積み重ねることでこれからの10年、20年間「お客様にとって価値のある営業」でいることができると思います。
どの仕事もAIによって脅かされる反面、AIによって生まれる仕事も多くあります。
冒頭に触れたタクシー運転手。昔でいう人力車を押すようなお仕事の方でしょうか。
名前は変わっても、残る仕事もある。
車の発展でなくなった仕事もあるが、自動車メーカー、整備工場、レンタカーなどなど生まれた仕事も多いはず。
AIとうまく付き合っていくためにも、過剰な脅威は感じず、現状に満足もしない。
営業という仕事が世の中から完全に消えるその日が来るまで、目の前のお客様のために走り続けることのできる営業でいたいと思います。
以上です。
お読みいただきありがとうございました!