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ショートドラマ企画案「sjkのぼっち飯」


目次

  • 企画意図

  • 登場人物

  • シナリオ

  • #1 さんまの回

  • #2 国旗の回

  • #3 キムチの回

  • そのほかのストーリー案・展開案

企画意図

2025年1月22日のTikTokハッシュタグランキング57位に「#孤独」がランクインしていました。ショートドラマでもたびたび孤独や疎外感が描かれており、普遍的なテーマであることがわかります。

一方、関戸かのんさん(TikTokフォロワー数 78.1万人)、わたげさん(TikTokフォロワー数 120万人)、えくぼっちさん(YouTubeチャンネル登録者数 23.7万人)など、「ぼっち系インフルエンサー」とも言うべき方々が一定の支持を集めています。

そんなぼっち達が毎日のように苦慮するのが昼食、ぼっち飯です。

「他人に気を遣うくらいならぼっち飯の方がいい」「ぼっち飯は大丈夫、けど、ぼっち飯がかわいそうと思われるのは嫌」「けどたまにさびしい」など、ぼっち飯あるあるを取り入れてストーリーを作成周囲の目、そして母親の作る変な弁当と格闘する女子高校生の悲喜こもごもを描きました。

各話、400字用紙4~5枚ぼどの分量になっています。

登場人物

桜井 莉子(17)主人公

ママ(45)莉子の母親

木崎 隆太(17)イケメンの同級生

東 美沙希(17)陽キャグループの同級生

大河原 萌美(17)陽キャグループの同級生

大葉 唯(17)カースト2軍グループの同級生

ほか同級生10名程度

シナリオ

#1 さんまの回

〇高校・教室

   桜井 莉子(17)が弁当箱を開けると、焼きさんまが入っている。

莉子M(モノローグ)「さんま! しかも丸ごと一匹!」

   教室の端の席で弁当箱の中を見つめる莉子。

   教室では陽キャたちがそれぞれにグループを組んで弁当を食べている。騒々しい。

莉子M「昨日、"親戚が美味しいさんまを送ってくれたの"ってママが言ってたけど、まさか弁当に入れるとは!」

   ちらりと様子を伺う莉子。陽キャの女子グループが笑いながら弁当を食べている。

莉子M「その辺の陽キャどもなら『ヤダー、さんまとかあり得なくなーい』などとネタにするのだろうが、私にそんなことはできない。なぜなら、私はぼっちだからだ!人に気を遣って疲れるくらいなら、私は一人で弁当を食べたい!」

   陽キャ女子のグループがひと際大きな声で笑う。

莉子M「うるさいな! お昼くらい大人しく食べろよバカグループ! 仕方ない」

   と、鞄の中を弄る莉子。

莉子M「(慌てた表情で)あれ、あれ? イヤホンが無い!(気づき)あ!」

 

〇莉子の部屋(回想・朝)

   両耳にイヤホンを入れ、寝落ちしている莉子。ママ(45)が両耳のイヤホンを外して、

ママ「ほら莉子、遅刻!」

   莉子、スマホで時間を確認すると、

莉子「やば!」

   飛び起きる莉子。イヤホン両方ともベッドの上に。

 

〇高校・教室

   思い出し、苦い表情の莉子。

莉子M「最悪。陽キャの笑い声を聞きながら食べるのは苦痛! しかもさんま、超食べづらそうだし……」

   どうしようかとあたりを見回すと、バスケ部の横断幕に気づく。大きく「全集中‼」の文字。

莉子M「全集中? そうだ、今はママが作ってくれたお弁当に全集中しよう。さんまに全集中。心頭滅却すれば火もまた涼し。陽キャのバカ笑いがBGMに聞こえてくる!」

   莉子、さんまの身に箸を入れる。一直線に切り込みを入れ終わると、一口食べる。

莉子「(小声)おいしい」

   ほころんだ表情がまた険しくなると、さんまの身を丁寧にほぐし、口に運んでいく。

   職人のような箸さばき。鬼気迫る表情の莉子。

   陽キャのグループがその様子に気づき、莉子をちらちらと見ている。

   莉子、さんまを食べ終わると、おもむろに持ち上げた。

   頭と背骨と尾だけになったさんま。それを満足そうに見つめる莉子。

莉子M「さんまさん、おいしかったです。ごちそうさまでした」

   と、さんまの骨越しに陽キャの女子グループと目が合う。

   周囲を見ると、クラスの全員が莉子を注視している。気まずくなる莉子。

   と、木崎 隆太(17)がさんまの骨を覗き込んでくる。イケメンである。

隆太「桜井さん」

莉子「はい!?」

   隆太と目が合う莉子。

隆太「さんま、食べるの上手ですね」

   隆太があまりにイケメンなため。顔を真っ赤にする莉子。

莉子「あ、あ……」

   莉子、さんまの骨を弁当にしまうと教室を飛び出す。

莉子M「ぼっち飯にさんまは無理だー!」


#2 国旗の回

〇高校・教室

   莉子が弁当箱を開けると、厚焼き玉子やウインナー。

   どれにも国旗がついた爪楊枝が刺さっている。

莉子M「ありがとう、ママ!」

   莉子、涙ぐむ。

莉子M「昨日ママが『お弁当ってお友達と交換したりするの?』って聞くから、『するよ』って私、嘘ついたんだよね」

   国旗はアメリカやイギリス、カナダなど。

莉子M「爪楊枝があれば友達と交換しやすいもんね。でもねごめんママ、私、本当はぼっちだから!人に気を遣って疲れるくらいなら、私は一人で弁当を食べたい!でもそう言ったらきっとママは心配すると思って」

   教室では陽キャたちがそれぞれにグループを組んで弁当を食べている。騒々しい。

   涙が零れる莉子、慌てて手で顔を扇ぐ。

莉子M「ダメダメ! お弁当食べながら泣いてるって完全に精神病んでる人じゃん!」

   泣き止もうとする莉子だが、涙が止まらない。

   と、陽キャ女子グループのひとり、東 美沙希(17)が莉子に声をかける。

美沙希「なにー、泣いてんの?」

莉子M「最低、絡まれた!」

   莉子、懸命に涙を拭く。

美沙希「えー、どうしたの、大丈夫?」

莉子M「どうしようどうしよう、なにか言わなきゃ」

莉子「か、か、花粉症!」

美沙希「花粉症?」

莉子「花粉症なの!」

美沙希「大変だね」

莉子M「よし、信じた!」

   陽キャ女子グループの大河原 萌美(17)が割って入る。

萌美「えー、でもいま花粉なんて飛んでなくない?」

莉子M「余計な事言うな!」

美沙希「あー、確かに。(莉子に)ねー、なんの花粉症なの?」

莉子、顔を隠し弁当箱を見る。カナダの国旗が付いた爪楊枝に気づく。

莉子「メープル!」

美沙希「メープル?」

莉子「メープル! め、め、メープルの花粉症なの!」

美沙希「えー大変だね、かわいそう」

莉子「うん、ありがとう」

萌美「(美沙希に)ねぇ、メープルってなんだっけ、なんの花?」

莉子M「お願いだから余計な事言わないで!」

美沙希「あー、なんだっけメープル。メープルシロップのメープルでしょ?」

萌美「あー、メープルシロップか」

莉子M「よかったバレなかった」

   安堵する莉子。

美沙希「これ使って」

   美沙希、ハンカチを手渡す。動揺する莉子。

莉子「え、あ……」

美沙希「ほら、涙吹きなよ」

   ハンカチを受け取る莉子。

莉子M「東さん、めちゃくちゃいい人じゃん。ただのウザい陽キャだと思ってた」

   渡されたハンカチで涙を拭こうとする莉子。と、

莉子「くさっ!!」

   莉子のリアクションを見て爆笑する女子陽キャグループ。

美沙希「それさ、ずっと机の中に入ってたやつなんだよね。超臭くない⁉」

   ゲラゲラと笑う女子陽キャグループ。その様子を、感情をかみ殺すようにして眺めている莉子。

莉子「やっぱり私、陽キャは嫌い! ぼっちでいいもん! ぼっち万歳!!」

 

#3 キムチの回

〇高校・教室

   莉子が弁当箱を開けると、キンパやヤンニョムチキン、キムチなど。

莉子M「チャルモルグケヨ、いただきます」

   一人で食べ始める莉子。

   教室では陽キャたちがそれぞれにグループを組んで弁当を食べている。騒々しい。

莉子M「最近ママは韓国料理にはまっている。昨日はトッポギ、その前はサムョプサルが入っていた。私も韓国料理が大好きだ! 気になるのは匂いだけど……」

   莉子、キムチを箸で取り、

莉子M「ぼっちだから問題なしだ!」

   莉子、キムチを食べようとすると、

唯「桜井さん」

   莉子、慌ててキムチを弁当箱に戻し、フタをする。大葉 唯(17)が続ける。

唯「一緒にご飯食べてもいい?」

莉子M「ダメに決まってるだろ!」

唯「今日さ、私もぼっちなんだよね」

   唯、勝手に机と椅子持ってきて莉子の前に座る。

莉子M「おいおい勝手に机つけるんじゃねーよ!」

唯「マホもあーちゃんもよっこも休みでさ。みんな風邪だって。流行ってるのかな?」

   教室では陽キャのグループが爆笑している。莉子、ニヤニヤして、

莉子M「なるほどそうか。大葉さんは2軍グループ。陽キャの1軍グループには声をかけづらい。かといって一人でご飯は食べたくない。だからこの私に声をかけてきたのか。素人ぼっちじゃのう大葉唯!」

唯「桜井さんは風邪ひいてない?」

莉子「ああ、うん、大丈夫」

唯「食べないのお弁当?」

莉子M「くそ、匂いが気になって弁当箱が開けられない。かといって食べないのはいかにも拒否ってるみたいであとあと面倒そうだし……」

   莉子、弁当箱のフタをわずかに開けると隙間に箸を入れる。キンパを取り出し口に入れるとすぐにフタを閉じた。

唯「ごめん、やっぱ邪魔だった?」

莉子M「なに、気づかれた!?」

唯「なんか変な食べ方してるし」

莉子「ああ、うん、大丈夫」

唯「食べるとこ見られるの苦手?」

莉子M「尋問が始まった!」

莉子「うん、大丈夫」

唯「なんか匂いのキツイもの食べてるとか」

莉子M「なに?勘がいいな大葉唯!」

唯「餃子とか? もしかしてニンニク丸ごととか?」

莉子M「これはマズい!」

唯「分かった、キムチだ!」

莉子M「正解!」

   観念しましたと項垂れる莉子。

唯「分かるわー。ウチ、弟が豚キムチ好きだから時々お弁当に入ってるんだよね! じゃあさ」

   唯、莉子の弁当箱のフタを勝手に開けると、キムチを食べる。

莉子M「何やってんのよ!?」

唯「私もキムチ臭ければ、桜井さんも気にせずキムチ食べれるでしょ?」

莉子M「なんだって!?」

唯「その代わりほら、私のお弁当の中からどれかひとつ取って」

   どれをもらうか迷っている莉子。

莉子M「なんというコミュニケーションモンスターなんだ大葉唯! これはもう一緒にお弁当を食べるしかないじゃないか!」

   チラリと唯の表情を伺う莉子。

莉子M「明日も一緒にお弁当食べれたりしないかな」

   と、唯のスマホにLINEの通知が立て続けに入る。グループLINEを確認する唯。

唯「なんだ、3人とも風邪じゃなくてサボりなんだって! なにそれ!?(と電話がかかり)ごめんちょっと電話してくる」

   と、席を立ち教室を出る唯。それを見送る莉子。

莉子M「明日はいつものグループでお弁当食べるんだろうな。それに私、さっきから『ああ』と『うん』と『大丈夫』しか言ってないや」

   莉子、一人でキムチを食べる。


そのほかのストーリー案・展開案

母親の弁当が間に合わなかったため購買部で買って教室に戻ってきたら、自分の席を陽キャに占領されてしまったうえ、すごく食べるのが面倒なものを買ったのでどうにかして座りたい「きなこたっぷり揚げパンの回」や、

移動教室後にその場所で弁当を食べるようになった主人公が、下の学年のぼっちと遭遇する「移動教室編」など。

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