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打ち合わせにはKYが必要だ。

尊敬しているコピーライターの方の言葉で「打ち合わせのヒーローになる」というのがあります。

これは打ち合わせの最中に、ヒトコトで、考えるべき方向を指し示したり、終盤付近で、これまで話しあってきたことをまとめながら魅力的な言葉で、ズバっと言ったりして、みんなのヒーローになるというような意味で捉えています。


じぶんもそんな存在になりたいなと、ずっと思っていたのですが、なかなかなれないことに気づいてしまいました。そりゃそうですよね。打ち合わせの中では、ぼくはまだまだ若造ですし、経験もまだまだ足りません。

「・・・ってことですかね?」とぼくが口ずさんだら、みんな「・・・ん?」って顔をされることもあると思います。

ですが、ある時、前の職場カヤックの人たちに「ブレストで、てっちゃんがいると場があたたまる」「みんながしゃべりやすくなるカンフル剤」とか言われるようになって、「打ち合わせのヒーロー」にはなれないけど、「打ち合わせのムードメーカー」にはなれるんじゃないかと思いました。


もともとぼくは、空気を読まないというか、読めない人間で、高校以来、ずっと「何コイツ?」という視線を浴びながら生きてきたのですが(クラスに1人いましたよね?)、カヤックでは、その存在を全肯定されました。

それもそのはず、カヤックには、ブレスト文化があるのです。ブレストの原則は「誰かの意見を否定せずに乗っかること」ことなので、ぼくがどれだけくだらないことを言っても、乗ってきてくれます。調子に乗ったぼくは、ますます空気を読まない人間(KY)になっていきました。

そしてある時から、そのKYの存在が、カヤックの外に行っても、歓迎されることが増えてきたのです。「今日すごい楽しかったです」「仕事じゃないみたいでした」という感想をもらえたり、初対面のお客さんからツッコミをもらったり、「だいたい人となりがわかりましたw」と言われたりすることもありました。


一般的な社会人、会社員というのは、空気を読むことが第一原則なので、誰もしゃべらない人がいる会議や、意見を出しにくい会議というのは、けっこう多いようです。そのギャップもあって、空気を読まない人と打ち合わせをするのが、新鮮に感じたのでしょう。

ぼくはこれからも、空気を読まない人、そして、空気を破る人で、いつづけようと思います。

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