ジュニアヨット教室物語43
Photo by Maksym Mazur on Unsplash
「ただいま!」
「お帰りなさい」
洋ちゃんは、ハロウィンのプレイベントから戻ってきた。
「どうだったの?ハロウィンは」
お母さんは、洋ちゃんに聞いた。
「まだハロウィンじゃないよ、プレイベントね」
洋ちゃんは、お母さんの言葉を訂正した。
「こんばんは」
「あら、こんばんは。初めまして、あなたが松田さん」
「はい、宜しくお願いします」
松田は、洋ちゃんのお母さんに挨拶した。
「夕食は?」
「まだ、何も食べていないよ」
米軍の住宅地では、お菓子をもらって歩き回っていただけで食事は何もしていなかった。
「お菓子は、こんなにもらってきたけど」
洋ちゃんは、自分のもらった分のお菓子の入った紙袋を、お母さんに見せた。
「あら、こんなにたくさん!うわ、アメリカの甘ったるいお菓子とかもいっぱい入っているじゃないの」
お母さんは、洋ちゃんから紙袋を受け取ると、中身を確かめた。
「これ、みんな一辺に食べたら、歯とかおかしくなるわよ」
そう言うと、お母さんは、洋ちゃんからお菓子を取り上げてしまった。
「え、俺のもらってきたお菓子なんだけど」
「だから、お母さんが管理して、おやつの度に少しずつ出してあげますよ」
「学校とかでも、休み時間に食べたいんだけど」
「その時は、朝、学校に行く前に食べれる分だけ渡してあげますよ」
お母さんに、お菓子はキッチン棚の高いところにしまわれてしまった。
「ほら、夜ごはんにしましょう」
お母さんは、不満そうな顔をしている洋ちゃんに答えた。
「松田くんもお腹空いたでしょう?」
「はい、いただきます」
洋ちゃんと松田は、テーブルの席に座ると、お母さんの出してくれた夕食を食べ始めた。
「あ、シウマイだ」
松田は、お皿にのったシウマイを食べていた。
「松田くんは埼玉の方だって聞いたから、横浜らしいものと思ってね」
お母さんは、シウマイを美味しそうに食べている松田に言った。
「俺、シウマイって好物なんです」
「そうなの、それは良かったわ」
夕食を食べ終わった後は、リビングに移って、そこでテレビを見ながら、お喋りをしていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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