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ジュニアヨット教室物語26

Photo by Shota Nakano on Unsplash

「それじゃね」

「また、来週な」

本日使ったヨットを全て艇庫に片付け終わると、初回のヨット教室は終了となった。

仲良くなった佐々木や小林は、横浜のマリーナを出ると、帰り道は磯子方面なので、洋ちゃんたちとは別方向へと帰って行った。

「それじゃな」

「片桐先生、ありがとうございました」

片桐先生の息子、同い年の片桐二郎は、お父さんと一緒に、横浜のマリーナまで来ていたので、行き帰りは、お父さんの運転する車だった。

片桐先生の車は、横浜のマリーナを出ると、遥か先に走って行ってしまった。

「さあ、帰ろうか」

「ええ」

洋ちゃんは、健ちゃんと横浜のマリーナを出ると、少し離れた根岸駅に向かって歩き出した。

「ぜんぜん知らない子ばかりだったし、通ってもつまらないなと思っていたけど、同い年の友達もいっぱいできたし、来週からのヨット教室も楽しみになってきたですね」

洋ちゃんは、笑顔で健ちゃんに話しかけた。

「そうですけ」

笑顔の洋ちゃんに対して、健ちゃんの方はそれほどでもなさそうだった。

「皆、楽しそうなお友達ばかりだったじゃないですか」

佐々木や小林などのことを思い出しながら、洋ちゃんが言った。

「まあ、楽しそうといえば楽しそうな方達ばかりでしたね」

健ちゃんは洋ちゃんに答えた。

「いつも、僕が通っている塾にいる人たちとは、ぜんぜん違うタイプの子かな」

「そうなんだ」

「今まで放課後は、学校が終わると塾に行っている時間が多いので、塾の子たちといる時間が長いんで」

「塾にいる時間が一番長いんだ。やっぱ、健ちゃんは俺と違って優等生だな」

「そんなことは、無いですけどね。ぜんぜん優等生じゃないから、勉強がわからないから塾に通っているんですし」

「それはそうだね。でも、確かに、普段から塾に通っている子っていうと、俺らとは、ぜんぜん違う感じのタイプの子なんだろうな」

洋ちゃんは、健ちゃんに答えた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

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