藤原宏充:最も辛かった開発秘話
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藤原宏充です。
エンジニアとして長年働いていると、さまざまなプロジェクトで苦労を経験しますが、今でも鮮明に覚えているのがある新規システムの開発プロジェクトです。このプロジェクトでは、タイトな納期と技術的な難易度の高さが重なり、精神的にも体力的にも限界を感じたことが何度もありました。今回は、私の最も辛かった開発体験を通じて、その時どのように対処し、最終的に乗り越えたのかをご紹介します。
プロジェクトの概要と背景
あるクライアントから、既存システムを全面的に改修し、新しい機能を多数実装するという依頼がありました。要求された機能は非常に多く、しかもクライアントが納期を厳しく設定していたため、スケジュールが非常にタイトでした。さらに、要件が次々と追加され、納期は据え置きのまま作業量が増えていくという悪循環に陥ってしまいました。
このような状況でプロジェクトが進行する中、チームの士気は下がり始め、私自身もプレッシャーを感じていました。それでも、「クライアントの期待に応えたい」という気持ちと、「チームリーダーとしてプロジェクトを成功させなければならない」という責任感が、何とか私を支えていました。
想定外の技術的な問題
プロジェクトが進むにつれ、想定外の技術的な問題が次々と発生しました。特に、システムの一部が古い技術スタックで構築されていたため、新しい機能を組み込む際に互換性の問題が生じ、バグが頻発しました。さらに、使用するデータベースの構造が複雑で、データの整合性を保ちながら変更を加えるのに多大な時間がかかりました。
この時期には、何度も徹夜をする日々が続き、疲労が蓄積するにつれてミスも増えてしまいました。特に辛かったのは、ある深夜に重大なバグを修正したはずが、翌日に別の問題が発生し、再びコードを全て見直さなければならなかったことです。この時は、チーム全体が疲弊しきっており、何とか士気を保つための声掛けを続けましたが、私自身も限界を感じていました。
クライアントからの追加要件とスケジュール圧迫
さらに辛かったのは、プロジェクトの中盤でクライアントから追加の要件が次々と出てきたことです。機能が追加されるたびに、納期が延びることなく、スケジュールの圧迫感は増すばかりでした。クライアントとのコミュニケーションを密にし、「ここまでは対応できるが、これ以上は厳しい」と伝えましたが、クライアントの期待は高く、なかなか妥協してもらえませんでした。
このような状況が続く中で、チームのメンバーも疲れ果て、モチベーションが低下していました。プロジェクトの完了が遠く感じ、何度も心が折れそうになりました。しかし、少しずつでも進捗があることを確認しながら、メンバーに感謝の言葉をかけることで、なんとかチームの結束を保ち続けました。
プロジェクトを乗り越えた学びと教訓
最終的に、プロジェクトは納期を少し過ぎたものの、無事に完了しました。クライアントも満足してくれ、達成感を得ることができましたが、この経験を通していくつかの教訓を得ました。
まず、スケジュール管理の重要性です。特に、クライアントと要件について合意を形成し、実現可能な範囲を明確にすることが必要だと痛感しました。また、徹夜などの無理をすると、作業効率が下がるだけでなく、精神的な疲労が蓄積し、チーム全体に悪影響を与えることも学びました。
さらに、チームとのコミュニケーションも大切です。進捗や問題点を共有し、メンバーと共に解決策を考えることで、チームの一体感を高めることができます。また、リーダーとして感謝の気持ちを伝え、メンバーが安心して働ける環境を作ることも重要です。
この経験は、エンジニアとしてだけでなく、プロジェクトリーダーとしても多くの学びを与えてくれました。辛い経験でしたが、このプロジェクトを乗り越えたことで、今後のプロジェクトにおいても自信を持って臨むことができるようになりました。