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【レポート】女性樹木医×ママ社長対談 後藤瑞穂さん×島袋尚美

都内の会議室にて、2人の法人代表女性による対談が行われました。

弊社代表の島袋尚美と、株式会社 木風(こふう)の代表取締役、会社を経営しながら、ご自身も現場で樹木治療や樹木診断を行っている現役の女性樹木医、後藤瑞穂さん。

今世界的に取り組まれているSDGsやエコにも関連する「緑を守る」ことや、女性経営者としての考えなど、ご自身の経験から語られる魅力的な対談が実現しました。

2人とも沖縄や熊本など、東京に比べて樹木の多い土地で育ったこともあり、対談風景は和やかでざっくばらん。

そんな樹木が豊かな公園のベンチにいるような空気満載の2人の穏やかな対談を、広報部から贈ります。

第一話 奄美のデイゴの樹木治療を行ったきっかけは幼少期にあり?

島袋尚美(以下:島袋):奄美群島のデイゴの樹木治療をなさってるんですよね?(※デイゴ:沖縄県の県花。奄美群島や小笠原諸島にも群生する5~6月に咲く赤い花。「島唄」の歌詞にもなっている)

後藤瑞穂さん(以下:後藤):そうです。デイゴ保全事業を今やってて。こんなに一面に咲いてるんですよ(記事上部の画像参照)。

島袋:すごい。ちなみに奄美にご縁があったきっかけって何かあるんですか?

後藤:おばあちゃんがお医者さんで、昔奄美大島にお医者さんが少ないってことで、おばあちゃんが行ってたんですよ。そのときは私は子供で行けなかったんですけど、父が付き添って行ってて、帰ってくるときに奄美大島の星の砂をお土産にくれて。その砂がサラサラしててきれいで、「こんな素敵な島に行けていいな~私も行きたいな~」って憧れがあったんです。

そしたら大人になってから奄美に関連する人にご縁があって。そのときにデイゴ並木を見て、これはすごいなと。

でも虫の被害で花付きが悪くなっているって聞いて、何かできたらいいなってボランティアで樹木診断とかしてて。

その時は奄美の樹木医さんがいたんですけど、亡くなったんです。

で、私が樹木診断をしてるからって、役所の人とかがいろいろ繋いでくれて仕事がくるようになって、治療を本格的にするようになりました。

島袋:奄美は今後そういうものに力入れていきそうですよね。自然を守るみたいな。島産のものを、とか。

後藤:そうなんですよ。でも私、マーケティングとか販路をどう作るかとかわからないので、(そちらは)そういうの専門家でいらっしゃるでしょ。

島袋:そうですね、やったりしてます。

後藤:なので、そういうのも聞きたいなと思って。クラウドファンディングとかやろうと思っているんですが、プロモーションとか、そういうのを。今度(奄美大島に)一緒にいきませんか?丁度今月末行くんですよ。

島袋:産まれちゃう(笑)。私、来週沖縄に帰るんですよ、里帰り出産。(※島袋は8月出産予定)

後藤:あら、そしたら(出産の)スタンバイしなきゃ。

第二話 デイゴのツアー開催企画進行中!? まだまだ調査は継続中

後藤:代官山と奄美大島と葉山にあるお洋服屋さんとコラボ商品つくろうと思ってるんですよ。デイゴ活用事業の中の一つにしようとしてて。

売り上げの一部をデイゴの治療費に回すとか、そういう形にしていきたいと思ってるんですよ。

摘むの大変なんですよ、葉っぱはいいんですが、花が。

だからみんなで行って、花つみツアーみたいなのを来年できたらいいなと思ってて。

島袋:(スタッフに)うちのお店も、ワークショップツアーにしたらいいんじゃない?

後藤:そういうのあったらぜひ一緒にできると。

島袋:でもすごいですね、デイゴがこんなにいっぱい

後藤:大木が64本あるんですよ。天然記念物指定の。

でもまだまだ調査が続いてまして。

いままでデイゴヒメコバチが原因だって言われてたんですが、違うんじゃないかっていうことに気付きまして。

神戸大学の先生の文献から違うことに気づきまして共同で調査しています。

私も真犯人を探すべくさらに調査を本格的にやろうって段階。

どうやらキクイムシという別の虫が菌を持ち込んで弱らせていることがわかってきました。

まだまだ調査は続いてるんですよね。

第三話 樹木医になるには?必要なのは実務経験、試験は座学!?

後藤:大学は私なんと美術短大だったんですよ。

島袋尚美(以下:島袋):全然違いますね。

後藤:仕事も、デザインの仕事を最初してたんですよ。

島袋:お父様の会社で…。

後藤:いえ、最初は別の会社に勤めてたんですけど、しばらくして子供が生まれてから父の会社を引き継いで、熊本でしばらく。

島袋:そのときに(樹木医)の勉強をしてたんですか?

後藤:最初は、元々植物が好きだったので、デザインもランドスケープデザイン(景色や風景のデザイン)をしてたんですよ。建築系とかインテリアとかのデザインじゃなくてお外のデザインを。

島袋:なるほど。

後藤:それで、植物の仕事にはずっと携わっているんですけれども、樹木医の知識と技術はデザインにも活かせると思って受験したんです。それから樹木医になって20年、緑の業界に入って30年って感じですね。

島袋:樹木医って珍しいですね。周りにいないです。

後藤:まだあまり知られていないですよね。

島袋:植物のお医者さんですね。

後藤:樹木医は日本緑化センターってところが認可してるんです。

誰でも試験は受けられるんですけど、経験が7年以上か、もしくは大学で指定の科目を履修すると、1年の実務経験とかで受けられるとか。

だから最近は若い人の合格がけっこう増えてきましたね。

でも試験は本当に座学の試験だから、受からないんですよね、経験があっても。

論文とかがあるから、これがけっこう難しくて。まずは勉強ができないと受からない試験なので、受験の段階では実務経験は活かしにくいのです。

なのでそれを教える通信講座も運営してます。

第四話 経営の鍵は、合宿!?

後藤:放棄された山林を活かしたビジネスとして、墓つくりたいんですよね、樹木葬。樹木葬のビジネスもしたいから、いろいろと焦ってます。

うちの会社、みんな優秀ですが、まだ個々のチームは独立していないので、チームリーダーみたいなのをつくっていきたくて。

島袋:そうですよね。自分の次を育てるって大事ですよね。

後藤:いろいろトライ&エラーやってたら、数年前は社員の独立などでストレスで胃炎で倒れて、救急車で運ばれて。じゃあ今後の経営どうしようってなりましたね。今は落ち着いてるんですけど。みんな優秀なんですが、新しいチームリーダーが誕生するまでは至っていません。

島袋:これやっといてで全部やれちゃう人は独立しちゃいますよね。言われたことをしっかりこなす人は、自分の代わりにはなりにくい。

後藤:そうなんです。だから、次のステージは、私じゃなくても成り立つ会社にしないといけない。

なかなか”脱みずほ”をするのは難しいけど、だからこそ木風のブランディングをしっかりしていって、木風って名前で仕事が来るように仕上げていきたいです。

誰がやめてもいい会社にしておかないと、業務が回らなくなっちゃうから。それが次の目標ですね。なかなか難しいんですけど。

島袋:私の場合は、みんなが自分のお店、ってなったら意識が高くなりました。コンセプトとかも全部みんなで考えてもらうようにしたんです。「お金出すからやってみ」とすると、みんなが「自分のお店」という意識が高くなったなって。

あとは、合宿とかしてみたらいいんじゃないですか?

後藤:合宿ね、社員旅行をやろうと思ったんですよ。でも、コロナで緊急事態宣言になってしまい、行けなくなっちゃって。

また、10月とか、来年とか、デイゴの花が咲いている時期に行きたいですね。

島袋:私も年に1〜2回、8時間ぶっ通しの合宿をやっています。今後我々はどうなっていきたいか、みたいな。自分達の考えを発言する場をつくったら、3回目から機能し始めましたね。1回目はあんまり(笑)

第五話 今後のビジョンは?緑の価値を知ってほしい!

後藤:樹木医の資格をとって20年です。

若い内に都会でチャレンジしなきゃだめだろっていうのと、田舎には樹木医の仕事がないから、価値あるところにいかないと意味がないってことで、田舎より都会向きの仕事だから、都会に行きなさいって父にいわれて39歳のときに上京しました。

父はビジネスマンとして成功しているので、成功している人のいうことは間違いないなって。

島袋:確かにそうですね。

後藤:樹木医は東京の方が価値があるなって。

島袋:(地方では)全く価値を感じてないことが、東京では価値があったりしますもんね。ちなみに、欲しいつながりなどありますか?

後藤:樹木遺産のスポンサー企業がいてくれたらありがたいです。その方々が訴求したいエリアなどの木を助けられればと思います。

島袋:やることを探している企業さんもすごく多いし、地域密着にしたい企業さんもいらっしゃいますしね。もしいらっしゃったらご紹介します。

後藤:ありがとうございます。

島袋:(樹木医が)今後活動増えそうですよね。

後藤:そういわれて20年です(笑)

島袋:(笑)緑地をつくるとか、土地の価値をさげないとか、日本もようやく取り組み始めましたね。

後藤:まさにそうなんですよ。樹木や自然の資産を向上させるっていうのを私達はやってて。つくばのりんりんロードは、私が診断して、切っちゃダメって言ったんです。

島袋:あの辺り、15年くらい前に行ったことあります!

後藤:多分、そのころ入れなかったエリアです。

島袋:チャリでぶっとばせる(笑)

後藤:チャリで筑波山までいけるところ(笑)木を切ろうとしてたので、切らないほうがいいって言って。聞いたら(そこを)宅地にして売りたいからということで、どうしたら保全できるかなっていろいろ診断したら、人気の分譲地になりました。木があるだけで全然景観も雰囲気もちがうし、治安もよくなるじゃないですか。

私の目標は、樹木の力で世界を豊かに、経済的にってことなんです。経済をよくして、環境も美しくして。平和に暮らせる世の中をつくりたいんです。

島袋:子供が産まれてから、緑が多くて治安のよいところで子育てしたいと思い、そういった論文を探したことがあるんですが、意外となくて。緑があることによって経済的にどうなるのかという論文が日本にはあまりないですよね。英語だと出てくるんですが。もうちょっと緑の大切さを認識してほしいですね。

後藤:それですそれです。それをやりたいと思ってて。

島袋:緑化って自分の中でテーマだったので、お話できて嬉しいです。今度、何とか地所ってつくところに論文を持っていきましょう(笑)

後藤:どうやってお金にするかっていうのを(笑)そこ弱いので力をお借り出来たら嬉しいです。

つくばも、やりはじめたら土地が飛ぶように売れたんですよ。そういうのが論文になっていないのが残念なんですが。

島袋:ぜひ、そういった論文を拝見したいです。


<公式サイト>

株式会社ゆいまーる 公式HP

島袋尚美 X

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ジャングルブルワリー 公式HP

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