バリュー体現者の仕事のあり方とは?MVP受賞の背景に迫る
※この記事は2025年2月20日にnoteに掲載した内容を転記しております。
出前館のバリューを体現し、周囲に良い影響を与えながら活躍した社員に贈られる「MVP表彰」。今回は、「ホスピタリティ賞」を受賞した佐藤さんと、「チャレンジ賞」を受賞した中尾さんにインタビューしました。
社内のつながりを広げ、働きやすい環境づくりに貢献した佐藤さん、新規サービスの立ち上げという大きな挑戦に粘り強く向き合った中尾さん。受賞に至るまでの過程、お二人が仕事を通じて大切にしてきたこと、そしてこれからの挑戦についてお話を伺いました。
佐藤 菜月
経営企画本部 経営企画部 広報・PRグループ
広告制作会社、専門商社を経て、イベント会社で広報・新卒採用を担当。2022年8月に出前館に入社し、社内外の広報業務に従事。社外広報では、プレスリリースの作成やメディア対応を通じて出前館の取り組みを発信。社内広報としては社内報の立ち上げを行い、企画・運営を担当。情報発信を通じて、企業の価値向上と組織の活性化に取り組む。
中尾 航
戦略事業開発本部 クイックマート事業部 リテール営業グループ
人材サービス会社、AI開発企業を経て、2022年7月に出前館に入社。新規加盟店の開拓や出店支援に携わった後に、エンタープライズ営業部で営業活動に従事。現在は「Yahoo!クイックマート」の営業として、既存加盟店の追加出店支援や販促提案、売り上げ向上施策の立案などを通じ、事業の拡大に取り組む。
目次
社会課題への挑戦と、自ら切り拓くキャリア
社内のハブとなり、部署を超えて社員同士をつなぐ
「最後まで諦めない」という想いが実を結んだ瞬間
進化するデリバリー業界、その最前線で挑み続ける
社会課題への挑戦と、自ら切り拓くキャリア
── まずは、出前館に入社された理由について教えてください。
中尾:「地域の人々の幸せをつなぐライフインフラ」というビジョンに共感したことが入社の理由です。地方出身者ということもあり、学生時代から「東京一極集中」や「地方創生」といった社会課題に関心を持っていました。卒業論文でも地方創生をテーマに取り上げ、地域の暮らしをより良くする方法を考えてきました。
そんな中で出前館のビジョンに触れ、自分の課題認識と重なっていると感じたことから入社を決意しました。
佐藤:私は中尾さんの入社から1ヶ月後の2022年8月に出前館へ入社しました。入社を決めた一番の理由は、キャリアの幅を広げられると感じたことです。
前職ではBtoBの広報を担当していましたが、次のキャリアではBtoCの広報にも携わり、より多くの方々に向けた広報活動がしたいと考えていました。そんなときに出前館の求人を見つけ、デリバリー業界がコロナ禍においても成長していたことや、市場の変化に適応しながらさらに進化していくフェーズにあることに惹かれ、入社を決めました。
── 現在、お二人はどのような仕事を担当していますか?
佐藤:経営企画部で社内外の広報業務を担当しています。社外広報では、メディア対応やプレスリリースの配信などを通して、出前館のサービスや取り組みを世の中に発信しています。ただ情報を届けるだけではなく、加盟店・配達員・ユーザーといったさまざまな視点を踏まえ、出前館の役割を多角的に伝えることを意識しています。
社内広報では、社内報の企画・運営を担当し、会社の動きや経営層のメッセージを社員の皆さんに伝えています。組織としての一体感を高められるよう、現場のリアルな声をすくい上げながら発信することを心がけています。
中尾:私は入社当初からクイックコマース(リテール領域のデリバリー)に携わっていて、現在は戦略事業開発本部で「Yahoo!クイックマート」の営業を担当しています。「Yahoo!クイックマート」は、出前館とLINEヤフーが共同で開始した新しいサービスです。
私の主な役割は、既存の加盟店のサポートを中心に、追加出店の促進や販促提案、売り上げ向上のための分析を行うことです。加盟店と密に連携しながら、売り上げを伸ばすために何ができるのか、どのような施策が効果的なのかを試行錯誤する日々を過ごしています。
社内のハブとなり、部署を超えて社員同士をつなぐ
── 今回、お二人は全社のMVPとして表彰されたとのことですが、そもそも、この賞はどのようなものなのでしょうか?
佐藤:出前館のバリューに基づき、「ホスピタリティ賞」「チャレンジ賞」「クリエイティビティ賞」の3つが設けられています。各賞には複数名がノミネートされ、その中から1名ずつ選ばれる仕組みです。今回、中尾さんは「チャレンジ賞」、私は「ホスピタリティ賞」に選んでいただきました。
── 受賞が決まった際の率直な感想を教えてください。
佐藤:「驚き」の一言に尽きます。広報は裏方の仕事が多いので、こうした表彰の場で名前が挙がること自体が珍しく、実際に名前を呼ばれたときは頭が真っ白になりました。表彰の舞台では何を話したのか全く覚えていません(笑)。
中尾:私も自分が受賞するとは全く想像していなかったので、「誰が選ばれるんだろう」と他人事のように表彰式に参加していました(笑)。名前を呼ばれた瞬間は、「まさか自分が?」と驚きましたが、その直後には、これは自分一人の成果ではなく、周りの人たちの支えがあったからこそ得られた賞なのだと実感しました。
── お二人とも、まずは驚きが大きかったんですね。受賞理由についても教えてください。
佐藤:社内のつながりを広げる取り組みを評価していただいたようです。組織の拡大にともない、経営陣からも「部署を超えたつながりを大切にしたい」という声が上がっていましたが、実際には交流の機会が限られている状況でした。
そこで、「もっと気軽に話せる場があったらいいな」と思い、社内の人を誘ってスポーツ大会や、食事の場を企画したりといった活動を続けていました。誰かに頼まれたわけではなく、純粋に「みんなで楽しく集まれたら」という気持ちで始めたものでしたが、毎回30〜40人ほどが集まり、自然と社内のつながりが広がっていきました。広報としての業務というよりも、自発的な活動に対して表彰いただいた形でしたね。
昨年開催されたバブルサッカー大会の様子
中尾:私もボーリング大会に参加させてもらったのですが、これまで話す機会がなかった人とも自然と会話が生まれて楽しかったです。あらためて、社員同士のつながりの大切さを感じました。こうした機会を自発的に作れる人はなかなかいないので、佐藤さんの存在は会社にとって貴重ですし、会社のハブのような方だと思っています。
── 広報業務のみならず、社内コミュニケーション活性化の役割も担われていたんですね。どのような背景から、このような活動をされてきたのでしょうか?
佐藤:特に「役割」として意識していたわけではありませんが、働く時間は人生の中でも長く、せっかく出前館を選ばれるサービスに成長させていきたいという同じ志を持っている人が集まっているのだからこそ、職場が働きやすく、楽しい場所であればいいなという思いは以前から抱いていました。
社内で顔見知りが増え、部署を超えたつながりができることで、仕事がしやすくなったり、思わぬ形で助け合えたりすることもあると思います。広報という仕事柄、社内のさまざまな部署と関わる機会が多いので、これまで培ったつながりを活かして、少しでも社内の雰囲気を良くすることに貢献できればと考えています。社員同士の関係性が深まっていく様子を見ることができ、私自身も嬉しかったです。
受賞者に送られた賞状。それぞれオフィスや自宅に飾っていただいています
「最後まで諦めない」という想いが実を結んだ瞬間
── 中尾さんの受賞理由についても教えてください。
中尾:「Yahoo!クイックマート」のリリースに向けて、粘り強く取り組んだ姿勢が評価されたようです。サービスリリースまで1ヶ月を切る中、大手加盟店との契約がまとまらず、社内外の関係者とギリギリまで調整を続けていました。手に汗を握る状況でしたが、なんとか期日までに契約を締結することができました。
サッカーでいうと、試合終了間際のロスタイムで同点に追いついたような感覚です(笑)。最後の最後までメンバーみんなで力を合わせた結果、無事にゴールを決めることができました。
佐藤:「Yahoo!クイックマート」の立ち上げにおいて、中尾さんは特に重要な加盟店の契約を担当していました。もしこの契約がまとまらなければ、サービス開始時のラインナップにも大きな影響が出るほど、重要な案件だったと聞いています。
出店に関しては、単に契約条件を整えるだけではなく、加盟店との信頼関係を築くことが欠かせません。中尾さんが日頃から誠意を持って向き合い、粘り強く取り組んだからこそ、この契約締結を実現できたのだと思います。
── プレッシャーの大きな仕事だったかと思いますが、中尾さんが最後までやり遂げられた理由は何ですか?
中尾:私自身、元々は心配性な性格なので、「本当に契約締結できるのか」という不安はずっとありました。それでも最後までやりきれたのは、周りのメンバーが誰一人として諦めていなかったからです。
チームのみんなが「まだ終わっていない」「最後まで頑張ろう」と前向きに取り組んでいて、その言葉に支えられました。自分一人だったら、途中で気持ちが折れていたかもしれませんが、周りの熱量に引っ張られる形で、自分も最後まで粘ることができたと感じています。
── 周囲のメンバーの支えが大きかったのですね。お二人が仕事をする上で大切にしていることについても教えていただけますか?
中尾:「変化を楽しむ」ことです。「Yahoo!クイックマート」は新しいサービスのため、正解がなく、試行錯誤を重ねながら形にしていく必要があります。言い換えれば、「変化が前提」の環境です。
以前の会社では、サービスがすでに成熟しており、大きな変化が起こることは少なく、組織全体として慎重な姿勢が根付いていました。一方、出前館は状況がめまぐるしく変わり、常にスピード感が求められます。最初は戸惑うこともありましたが、次第に「変わるのが当たり前」という意識に変わっていきました。今では、むしろ変化がないほうが違和感を覚えるほど、新しい挑戦を前向きに楽しめています。
佐藤:私は、行動指針の一つである「熱を通わせる」を大切にしています。広報の仕事は自分一人で完結するものではなく、社内外のさまざまな人の協力を得ながら進めるものです。他部署の方々から情報を提供してもらう機会も多いため、誠実かつ迅速な対応を心がけています。チャットやメールだけでは伝わりにくいと感じたときは、直接話しに行き、相手の温度感を感じ取りながら対話するようにしています。
こうした日々のやり取りの中で、広報として社内の皆さんに助けてもらう場面も多くあります。依頼に対して快く対応してくださる方ばかりで、感謝しかありません。皆さんの協力があるからこそ、広報の仕事が成り立っているのだと常々感じています。
進化するデリバリー業界、その最前線で挑み続ける
── お二人が出前館で働いて感じている「面白さ」や「やりがい」について教えてください。
佐藤:デリバリー業界は、コロナ禍で急成長し、その後市場が成熟へと向かうという大きな変化を経験してきました。その中で、出前館は「テクノロジーで時間価値を高める」というミッションのもと、サービスを進化させ、新たな挑戦に取り組み続けています。
私自身、挑戦と変化の最前線で広報として情報を発信し、出前館の価値を社会に広めていくことに大きなやりがいを感じています。また、ミッションやビジョンに共感し、同じ方向を向いて働く仲間がいることも、この会社の魅力の一つだと感じています。
中尾:佐藤さんがおっしゃったように、デリバリー業界はここ数年で大きく変化しました。現在では、デリバリー業界の各社が新たな成長の柱としてクイックコマースに注力し始めています。
出前館は確固たる基盤を持ち、さらにYahoo!ショッピングのネットワークを活かせるという強みもあります。この強みを最大限に生かしながら、新しいサービスを広め、より多くの人に価値を届けることができるのは、非常に刺激的で面白いですね。
── 最後に、これからチャレンジしていきたいことについて教えてください。
中尾:まずは、「Yahoo!クイックマート」というサービスをより多くの人に知ってもらうことに注力したいと考えています。まだリリースして間もないため、認知度は決して高くありません。サービスの価値をしっかりと伝え、より多くの方に利用していただけるよう、営業としてやるべきことを一つひとつ積み重ねていきたいと思っています。また、私が出前館に入社した理由の一つに、「地域の人々の幸せをつなぐライフインフラ」というビジョンへの共感があります。今後は、「Yahoo!クイックマート」に限らず、さまざまなソリューションを通じて、このビジョンを実現する取り組みにも携わっていきたいです。
佐藤:今回、社内のつながりを強くする取り組みを評価していただきましたが、今後も社内のハブになるという意識で自発的に行動できたらと考えています。また、広報という仕事は、直接的に売り上げをつくるわけではありませんが、会社の情報を正しく発信することで、企業やサービスの価値を世の中に伝えていく役割を担っています。私自身、出前館の方針や働く人たちの姿勢に共感しているからこそ、自然と「この会社の良さをもっと伝えたい」と思いながら仕事に取り組めています。純粋に、この会社のことが好きで、一緒に働くメンバーが好きなんです。この想いを大切にしながら、これからも出前館の魅力を社内外に伝えていきたいと思います。
取材・執筆/早坂みさと