模型の製作: バンダイ 1/144 RG ガンダムエピオン
趣味のプラモデルの製作記事を書いていこうと思います。第一弾はガンプラです。ガンプラについては、ここで説明する必要はないくらい知名度はあると思います。
昨今、令和のコロナ禍以降くらいでしょうか、このガンプラが街の模型店に行っても買えない状況が続いてます。いや、店に行けば何か販売されていると思いますが種類は少なく、例えば「ズゴック作ってみたい!」と特定のものを目当てにいっても無い可能性が大きいでしょう。他ジャンルでも、人気商品のため店頭やネット通販でも即完売、というのはあるわけですが、正直ガンプラもそうなってしまったのか・・・とう気持ちはあります。80年頃の発売初期に戻ったとも言えなくないですが。
それは置いといて、何を作るかというと、
その名は「エピオン」
こちらの「RG ガンダムエピオン」ですが、需要より生産が多かったようで、店頭で普通に売ってたので買ってきました。「ガンダムエピオン」とは1995年のTVアニメ「新機動戦記ガンダムW」に登場する所謂ラスボスです。1995年というと、ちょうどエヴァンゲリオンが放送された年で第三次アニメブームの頃ですね(諸説あります)。なぜか、この敵対組織が開発したロボットには最初に主人公の少年が勧められて搭乗し、逆にライバルが先に主役ガンダムに乗ってて、その後でライバルが気を失っているすきに主役ガンダムへ乗り換える流れだったと思います。とにかく話の流れが急展開するドラマで、あらすじだけ振り返って読むとめちゃくちゃですが、リアルタイムで見た時は先がわからず楽しかったですね。
キャラクターの話はキリがないのでプラモデルの話をすると、この RG、リアルグレードと読みますが、手のひらサイズの模型にバンダイの技術を凝縮した小さなハイエンドモデルです。お値段もそれなりです。あまりにも小さく精密なため、作るのも大変ですが、ちょっと動かしたらパーツが取れた、折れて壊れたという話も目にします。どんな具合なのか、実際に作ってみましょう。
パーツ
パーツの全体です。小さくなりすぎて申し訳ないです。しかも影がついて良く分からないですね。とにかく数が多い雰囲気は分かってもらえると思います。可動と色の再現のため妥協のない構成になっています。あと写ってないですがシールと武器用のコードが入ってます。
ここでちょっと驚きなのは、最近のガンプラは買ってなかったのですが、あの「ポリキャップ」がありません。ポリキャップとは関節をスムーズに動かし、プラスチックの摩耗を防ぐパーツだったのですが、最近の素材の進歩でポリキャップ(素材はポリエチレン)が無くても良くなったようです。
脚の製作
脚の製作から始めます。これはたまたま組み立て説明書通りなのですが、プラモデルによっては、例えば頭を最初に作る場合もあるかも知れません。個人的には脚から腰、胸と、立てるように下から上の方へ作る方が好きです。
グレーの部分はちょっと組み立てちゃってますが、くるぶしから前の部分でこんなパーツです。バックのカッターマットの白い実線が1cm間隔です。このロボットの場合は可動部分があるのでやや多めかも知れません。クリアグリーンなんか、普通ならシール貼ってすませる部分です。
出来上がるとこんな感じ。ゾイドの頭じゃなくてガンダムのつま先ですよ。
と、ここで急に思い立って、細部塗装を先にします。
ディテールをはっきりさせる「スミ入れ」。薄めた塗料を流し込むようにして、余分な部分をふき取ります。左がスミ入れ前、右がスミ入れ後。言われないと分からないくらい自然な方が良いと思います。
ネジ・・・ではないでしょうが、丸い部分をゴールドに塗ったり、ケーブルっぽい部分をイエローで塗ったりしました。ガンダムマーカーというペンタイプの塗料でちょこちょこっと色を入れていきます。
では組み立て再開
説明書を良く見て間違えないように組み立てます。間違えて無理矢理はめ込もうとすると破損する可能性もあります。画像の組み立てにはあてはまりませんが、向きが違ったとか、挟むパーツを忘れてたとか、はめ込んだ後で外そうとしても外せなかったりもしますので注意が必要です。
この画像は分かりにくいかも知れませんが、パーツの切り口が後で丸見えというパターンですね。慣れてくると、手間をかける部分と雑でもいい部分がなんとなく分かるのですが、こういった落とし穴が出てくる場合があります。ここはついでにゴールドで塗装してみました。
と、こんなペースじゃ果てしない内容になるので、途中飛ばして腰から下のフレーム部分だけ作りました。脚から作れば、このように途中で立てておくことも出来ます。これだけでもスタイルいいですね。
これだけ内部構造があると、とりあえずフレームだけ作ってメカ感を味わうという楽しみも可能です。
これは片足まで作った残りのパーツです。脚のパーツが丁度枠の半分に配置されていたということです。知らない人からすれば当たり前に見えるかもしれませんが、完成時の部分ごとにパーツがまとめられているというのは実際にはあまりないことで、こういうメーカーのこだわりにニヤリとしてしまいます。
手首パーツ。指の造形が良く出来てます。一時期、指が可動するパターンもありましたが、それだと武器がしっかり保持できなかったため、結局固定指に落ち着いたようです。ただ、開いた手が左手しか無いのは残念。
腕のフレーム。どれだけ関節があるんだって感じです。
頭のパーツです。バックの実線目盛りが1cmです。パーツを無くさないよう注意が必要です。
目の部分、グリーンと周りの黒い部分がパーツで分かれていて、このようにピッタリ収まります。初期のガンダムだと全部塗り分けだったのですが、ちゃんと出来た子供はどれくらいいたんでしょうか。
ここまでで、とりあえずフレーム主体で人型になりました。
ポーズ付けてみたりとか。本当はもっと曲がると思いますが折れてしまいそうです。フレームむき出しなので、関節軸の位置と曲がる向きも分かりますが、外装つけて動かすのは怖いですね。
ひと休み AIが作るガンプラパッケージ
ここで少しひと休み。ふと、AIでガンプラのパッケージを作ってみました(Microsoft の無料 Image Creator 使用)
今風の感じで本当にありそう。予想以上の出来です。肘関節のディテールや太もも前部分のパネルラインとか、いかにもという感じです。よく見るとガンダムじゃなくてガンダ「ミ」になってますね。ガンダムエピオンとしては後ろで飛んでる方のが意外と近いかも・・・ あと、右下のメーカーロゴらしき部分が、現在は赤じゃなくて青になってるんで、AIの学習が進んだら青になるのかも知れません。
組み立て再開
組み立てを再開し、途中を端折って外装をつけて基本部分が出来ました。
ダークブルーとダークレッドで、悪役風というかライバル風の感じが出てます。そういえば赤いパーツは実は2色構成なんですけど、肉眼で見てもあまり違いが分かりません。フレームのみと比べると、やはり肩や腰まわりにボリュームが出ますね。実際に持つと重量感もあります。
その他の組み立て
本体以外の部分を組み立てます。
プラモデルではパーツを見たり、組み立て説明図を見た時に、特に「早くここを作ってみたい!」と思わせるハイライトと言える部分があります。このプラモデルでは、この色分けを再現する枝みたいなパーツがそれでしょう。パーツはもちろん合いますし、切り取り跡部分もほとんど目立たないようになります。ただし、見ての通り、ここは重なったように見えるだけで実際に可動はしません。
可動する内側のパーツを取り付けます。ここも説明図を良く見て、間違わないように取り付けます。左の画像は間違った取り付け、右側が正しいです。間違ってもパーツは組めるので注意が必要です。
完成した翼。内側の羽が開いた状態と収納された状態はこんな感じです。ちょっと話が戻りますが、赤いパーツが2色あるのがこの画像だと分かりやすいと思います。
背中に付く噴射ノズルパーツ。ここだけメタリックカラーで塗ってみました。画像だとメタリックの反射なのか単なるツヤの反射か分かりにくいですね。中央のノズルが、元は左のパーツと同じ色のプラスチックです。
武器など
このガンダムエピオンでは、銃タイプの武器はなく、ビームソードと鞭みたいなものだけになります。その鞭みたいなパーツがこれです。
インサート成型と呼ばれる技術で、この場合はピンクのプラスチックの周りにブルーのプラスチックを流し込んで、生産時点で組み立て済になっているというわけです。このガンダムエピオンで使われているのはこのパーツだけですが、他のプラモデルですと関節フレームや可動する指などが、この技術で組み立て済みになってたりします。昔はガンダムのボディの青赤黄の色分けをワンパーツで再現するとかもありましたが、今は無いんじゃないでしょうか。フィギュアの目の再現とかでは使われていると思います。
で、さくっと出来ました。ビームソードと本体はコードで接続します。
完成
武器を持たせて完成です!
台座は別売のを使ってます。
ソードを構えたポーズ。何てことないように見えますが、持ち替えに合わせて腕の角度を調節したり、また、鞭を外して差し替えたりするのも何気に面倒です。もっとかっこいいポーズは、本家メーカーページや、他のレビューサイトなど御覧ください。ポーズ付けるのも試行錯誤で思った以上に大変です。
変形
それでは変形させてみます。まず、手を外して爪みたいなのを出します。
翼を広げて、脚を背中側にエビぞりのような形で回します。股関節ごとグググッっと動きます。ここが折れそうで怖いです。
つま先を顔状に変形させて、鞭みたいなのを尻尾にすれば変形完了です。
変形自体は一見するとそれほど複雑ではありませんが、股関節の移動が壊れそうで怖いです。あと、このスタンドに接続するパーツを股関節部分に取り付けるのですが、これがまた、変形させて空いた狭いギリギリの部分に取り付けるので、無理矢理はめ込むと壊れそうです。このリアルグレードシリーズは「2回変形させたら破損する」という噂がありますが、なるほどです。
さて、これで終わりではありませんよ、もうちっとだけ続けます。
シール貼り
細かいマーキングシールがありますので、これを貼っていきます。マーキングは好き嫌いあると思いますので、嫌な人は貼らなくて良いでしょう。なんか文字っぽいものがあるのですが、細かすぎて読めるのか潰れてるのかさえ分かりません。
出来れば、クリアーの余白は出来るだけ切り取った方が良いのですが、切り過ぎるとちぎれやすくなったり、くるくる丸まって貼りにくくなったり、そもそも切り抜き自体が面倒だったりしますので、まあ、余裕があればお勧めします。このマーキングを切って貼る作業が全体の半分とは言いませんが、1/3くらいはかかった気がします。
貼る際には、細かい作業が出来るピンセットが必要だと思います。指だけじゃ恐らく無理でしょう。精密じゃないピンセットでは台紙から剥すのも難しいかも知れません。画像にあるのは模型メーカー「ハセガワ」の極細ピンセットで、毛一本とかでもしっかり摘まめます。
で、貼る途中の画像は撮ってなくて、いよいよ完成です。
このポーズで頭の上まで全高13cmほど。私が見ている27型モニタでは、画像の方が実物より大きいです。ここからまた変形させると壊れそうなのでやめておきます。
俯瞰からの撮影。模型誌のグラビア風?に撮ってみました。
余暇時間のすべてをこれにつぎ込んでたわけではなく、少しずつ作業をすすめて2か月くらいでしょうか。パーツはそれなりに多く細かいので、壊したり無くしたりしないよう注意深い作業が必要です。出来上がった達成感、充実感はありますが、やはり組み立ててから動かして遊ぶには繊細すぎる気がします。ただ、フレームだけよりも外装を付けたほうが逆にしっかり固定されるので、丁寧に動かせば破損の危険は少なくなると思います。足首の関節が昔のボールジョイントとは違うので、しっかり設置させるのが難しいです。上の写真もバランスがギリギリで立っている状態です。
この、ガンプラに限りませんが、プラモデルに何を求めるかが人それぞれだと思いますので、最終的な評価は人それぞれになるでしょう。価格もそれなりですので、興味ない人におすすめするのは厳しいかと思います。私の場合は、対象の立体物が欲しいというよりも、作る作業、いや、作らなくてパーツを眺めるだけでも、「プラモデルとの対話」に楽しみを感じます。特にガンプラであれば、可動とそれを実現するパーツ分割、素人では分からない強度保持のコツとかもあるだろうし見ていて飽きません。また、人によっては「こんな所、完成したら見えなくなるじゃん」と無駄に思うかもしれませんが、このモデルでも、本当に見えなくなる所でもディテールが細かく入っていて、デザイナーのこだわりと、それを実現するバンダイの余裕も感じられて、本当に恐ろしいプロダクトだと思います。
ちょうど世間では、この RGシリーズで初代ガンダムの version 2 が発売され、version 1 と比較してる人も多いかと思います。お盆休みに入り、休日を家で過ごすには作りごたえのあるガンプラはぴったりですので、模型店や通販を見てみるのもお勧めします。ただ、RGの version 2 は恐らく売り切れで入手出来ないと思います・・・
おまけ AIが作るガンプラパッケージ その2
ユニコーンガンダムみたいに外装の隙間から下の赤い構造が見えてるのか、ただのマーキングなのか、AIは自分では分からないでしょう。しかし、左端のは・・・何でAIはこれを生成しようとしたんでしょうか・・・?