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コラボデザイン論/柳澤貴保

グローバリズムはデザインだけの問題でなく、時代そのもの、あるいは時代の移行期の問題です。我々は変化を求め、それが文化の交流を促しました。変化の成果をいかに蓄積・管理し、移してゆくかが大切です。それにはデザイナーだけでなく、文化人類学や歴史学など専門領域からの援助が必要になっています。

日本がいい意味での国際性を得るために、「コラボレーション(コラボ)」をキーワードとして提案したいと思います。協力して作業し合うということです。グローバルになるということは、人間としての共通の価値観ができるということです。コラボレーションを通してグローバルな文化、デザインが作り出せるようになると思います。日本はすでに、みにくい都市を造ってしまうなどの失敗例を持っていますが、将来リーダーになるために「コラボレーション」を考えてみるのはどうでしょう。

国際化といわれる中で、海外で仕事や生活をする時、アイデンティティーとそのクオリティーを考えています。その中でデザインは、暮らしをより快適に、文化的にするために必要なものです。

人類は600万年の歴史を持ちますが、、デザインの第1段階は4万年前の氷河時代です。北の氷山が解けると人間は赤道付近から北に動き、氷山が広がると北から赤道付近にとタテに移動しました。1万年前から20世紀にかけては文化は東西のヨコに動きました。

デザインはプラスチックの掃除機のデザインだけではなく、世界をもう一度住みやすくするという大きな意味を持っています。イタリアでは、1960年代に地域性を無視したインタナショナルなスタイルに対する反対がありました。デザイナーとしての責任は、破壊されつつある地域のアイデンティティーから出発することにあるでしょう。

柳澤貴保

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