A10 Lab 創業ストーリー
A10 Lab 創業ストーリー
ミッション「テクノロジーでみんなを幸せに」を掲げる原体験
〜学生時代どんなことに熱中していましたか?〜
大学時代はメディア学部で学びながら、医療系TV番組制作の仕事に一番熱中して取り組んでいました。業務委託契約で寝る間を惜しんで、映像制作や医療のことを学びながら仕事をして、まさに没頭という状況でした。結果として、とても高い視聴満足度を得ることができ、自分が作り出した価値がお金に変わるという初めての体験になりました。
少し遡ると、もともと映画監督になりたかったんです。中学時代に友人からプレゼントとしてもらった「AKIRA」「攻殻機動隊」をキッカケに漫画・アニメなどの映像作品にハマりました。私が当時大きな影響を受けたように、作品は人に影響を与えることができ、その人の人生をより良くする可能性を秘めています。映画監督になりたかった理由として、“映画や映像作品が好き”という想いが根底にありますが、そういった“作品がもつ力”に憧れていました。
ソニーで得た新規事業立ち上げの経験
〜ソニー時代はどんな仕事をしていましたか?〜
ネットワークサービスの仕事に携わりたくて、ソニーに入社しました。映像制作の仕事を続けたい一方で、中学生の頃にはインターネットの登場でネットの世界にハマっていたので、ネットワークサービスを作りたくなりました。インターネットは広く、より多くの人々に情報を届けることができます。当時、「プレイステーション 3」のCellを使ったグリットコンピューティング構想という、PS3をはじめとするCellプロセッサを搭載したあらゆる機器(=Cellマシン)同士が接続される次世代構想があって、ソニーへの入社はそのような事業に憧れていたことが大きな理由です。
入社当初は映像機器を販売するBtoBの営業を担当し、今では一般的になっている「4K」という映像の規格が登場した初期段階で、4Kの映写機を使ったデジタルシネマをビジネスにする仕事に携わりました。新しいものを世の中に届けることが好きで、この事業の他にも新規事業をいくつか担当しました。代表的な事業としては、定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」の立ち上げです。大企業でないとなかなか経験できない規模の仕事を任せてもらい、裁量を持って自由に仕事をできたことが印象的です。
みんチャレ誕生前夜
〜「みんチャレ」を開発するキッカケは何だったんですか?〜
私は学生時代、アーケードゲームに300万円ほど使うくらいゲームが大好きでした。ゲームをしているときは人は幸せを感じます。しかし、ゲームを止めるとその幸福も終わってしまいます。PlayStationというゲームの会社で働いているときに、そこに限界を感じていました。幸福について調べていくと、「人は自分から積極的に行動を起こすと幸福を得ることができる」という研究結果に辿り着きました。
ゲームは連続的に「自分から積極的に行動を起こす」ことで幸福感を得ることが出来ますが、ゲームという設計された一時的な幸福ではなく、より多くの人が人生を通して幸福を得ることができるような仕組みを作りたいと考え、アプリの開発を始めました。
偶然ですが、ちょうど良いタイミングでソニーが新規事業創出プログラムの募集を開始しました。「これはチャンスだ!」と思ってすぐに応募したところ、オーディションで採択されて、本格的にプロジェクトがスタートしました。アプリローンチ後、約1年間はソニー内の組織として、さまざまな支援の下、開発・運営を行なっていました。
※ソニーから起業に至る詳しい経緯は下記をご参照ください。
できる,ひろがる.ソニー銀行 起業家訪問シリーズ 社長が語ってくれた起業のこと エーテンラボ株式会社
多くの人からの支援があって実現できた起業
〜ソニーから独立する際に印象に残っていることはありますか?〜
ソニーを辞めて一緒に会社を立ち上げるメンバーを見つけられた幸運と、ソニーの方々が今までにない新しい独立のスキームを作ることにとても協力的で、スタートアップを送り出す姿勢に「今まで良い会社で働かせてもらえた」と改めて思いました。弊社はソニーの新規事業創出プログラムから独立した最初のプロジェクトで、独立後もソニーで開催されるイベントで登壇する機会が何度かあり、個人としても繋がりがあります。またバリューとして掲げている「自由闊達にして愉快なる理想工場の実現」はソニーの設立趣意書にある文章で、もともと「こういう場で力を発揮する社員の人達と一緒に働きたい」という想いから入社した経緯があります。自分で起業してみて、今では「自分もそういう場を作りたい」と思っています。
〜大企業から独立して起業することに対してリスクや迷いはなかった?〜
好きなことをやりたい時にやらない方がリスクだと考えているので、リスクはありませんでしたし、迷いもありませんでした。今は大企業からスタートアップにいく人も増えています。もしスタートアップに興味・関心があって、でも一歩踏み出せない人がいたら「まずは自分ができる範囲でアクションを起こしてみよう」と声を掛けたいです。気になっている企業やプロジェクトがあるなら自分でしっかり調べて、話を聞きに行ったり、さらに週末だけ参加してみて、それが面白いと思ったのであれば、やりたいことをやらない方がリスクだと思っています。
「人類の革新」というビジョンに向けた想いとその原動力
〜起業してから一番印象に残っていることは何ですか?〜
多くの人から助けてもらえるようになりました。一人では辿り着くことができないビジョンに向かって行動していると、チームメンバーやステークホルダーだけではなく、様々な方からビジョンを実現するためのサポートを得られたことに起業当初は驚きました。
「人類の革新」というビジョンは、映像作品に対して学生時代に抱いた「その人の人生をより良くしたい」「人に影響を与えたい」という想いから掲げました。
技術で便利な世の中になってきていますが、幸せにはなっていない。そんな想いでソニーという“技術の会社”で仕事をしているときから、私個人のビジョン、ミッション、バリューを作っていました。それを「みんチャレ」の構想を考える段階で改めて言語化し、チームの共通の想いを表現したのが現在のビジョン、ミッション、バリューになります。
〜ユーザーとのコミュニケーションで意識していること、これからやっていきたいことはありますか?〜
ユーザーとの約束を守ることを大切にしています。約束って何かというと、例えば「安心感」「心地よい空間」「励ましあえる」「自分が変われる場所」のように、ユーザーが何となく感じているみんチャレのブランド、期待していることに応えていくことです。
あとは、人間が作っているサービス、ということを敢えて出しています。作り手の存在を感じていただける、人の温もりがあるサービスにしたい。サービスや製品には、その裏に人の想いが込められているはずなのに、なかなか見えないことが多いんです。みんチャレユーザーには、私たち作り手の想いも届けたいと思っています。ありがたいことにユーザーからは多くの感謝の言葉を頂いています。「このアプリのおかげで今まで続かなかったことが続けられるようになった」や「同じ目標の仲間とコミュニケーション取りながら楽しく挑戦出来ています」のような言葉は、私たちの大きな原動力になっています。
セルフマネジメント✖️チームワーク
〜エーテンラボの好きなところを教えてください〜
メンバーが全員、プロフェッショナルな意識を持ってセルフマネジメントできる個人であり、日々成長しながら、とてもよいチームワークができているところが好きです。そのチームワークを維持するために、常に組織としてフラット&オープンであることを意識しています。
〜どんな人と一緒に働いていきたいか?〜
素直で好奇心旺盛、自分で課題を見つけてどんどん仮説検証を回せる、セルフマネジメントができる人と一緒に働きたいです。大企業はオペレーションを磨くことに特化していますが、スタートアップは仮説検証を高速で繰り返していくことが特徴です。失敗を恐れずチャレンジして、もし失敗してしまった場合でもその失敗を次に生かす姿勢が大切だと考えています。
〜最後に、長坂さんが習慣化チャレンジしていることは何ですか?〜
健康系の習慣化にチャレンジしていてウォーキングを続けています。「みんチャレ」の中には、ウォーキングや糖尿病改善、食事内容改善などヘルスケア領域のカテゴリーも多く、そのようなサービスを提供している身として、みんチャレを使いながら自分自身の健康も意識しています。