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会社倒産、自己破産。多くの挫折の果てに、年収を半分にしてベンチャーへ。元製造業ベンチャー役員がナイルで見据える今後の展望【ナイルのリアル日誌】

こんにちは。ナイル代表の高橋です。
年末にまさかの投稿ですが、「今年の汚れ今年のうちに」ということで書きかけていた原稿を気合いで完遂しました。

半年ほど前にナイルのリアル日誌第一弾を投稿した際、「これから月イチで書いていく」みたいなどとのたまっていたのですが社内の多くのメンバーが予想した通り、結果論としては半年ぶりの更新となりました。でもね、更新したことを評価して欲しい俺は。継続は力なりですよ。

ナイルのリアル日誌第二弾では、前回の大谷氏に引き続き、当社スマートフォンメディア事業部の事業部長であり当社の取締役を務める高階を紹介したいと思います。

高階氏は高校卒業後「俺は社会の歯車にはならない」などと厨二病的なことをのたまってホームレスとして異色のキャリアをスタートした後、製造業ベンチャーで取締役を経てナイルに入社しているという謎のキャリアを構築してきた人物。

色々と面白いネタが尽きないのでこのインタビューで全てのエピソードを紹介するのが難しいのですが(おかげで筆が進まず更新が遅れた)、彼の魅力を少しでも伝えられたらと思います。

高階氏のプロフィール

高橋:高階くん、こんにちは。まずは読者の皆さんに自己紹介をお願いします。

高階:こんにちは。ナイル取締役の高階といいます。ナイルでは事業部長として事業成長を牽引しつつ、事業部横断での新しい商品・サービスの開発などにも力を入れています。本日はよろしくお願いします。

取締役 スマートフォンメディア事業部 事業部長
高階良輔 2010年中途入社
1980年3月生まれ36歳
趣味:ボクシング、料理
ざっくりとした経歴:
ホームレス→引っ越し屋→ガラス職人→鳶職→製造業ベンチャーで工場長→製造業ベンチャーで取締役→広告代理店で営業→ナイル。営業社員として入社したのち頭角を現し、2014年より取締役に就任。

年収を半分にしてまでベンチャーへ。高収益企業から大言壮語のベンチャーへと転向したワケとは

高橋:高階くんはナイルに来る前には広告代理店で働いてたんだよね。かなり儲かっている会社だったと聞いてるけれど、なんで年収を半分にしてまでナイルに入ろうを思ったの?

高階:まず前提として、私が働いていた広告代理店は「暇すぎた」というのがあるんですよね。朝は10時出社だったんですけど、夜19時になるともう誰も会社に残っていない。自分が担当してた仕事内容にいたっては、本気を出すと2時間くらいで仕事が終わってしまう。

あまりにもエネルギーが余っていたので、最初は社長に新規事業の提案をしたりしてたのですが、社長自身も新しいことがやりたいというよりは完成された今のビジネスを続けていきたいといった感じだったので、「リスクを負って何かをやる」という挑戦はここではできないと思っていました。暇すぎてボクシングにのめり込んでしまい、週7日でボクシングジムに通うという生活をしてたのですが、「俺プロボクサーになりたいわけじゃないしな」と笑 そんな時に出会ったのがナイルでした。

高橋:色々選択肢はあったと思うんだけど、なんで敢えてナイルを選んだの?

高階:でかいビジョンを掲げていて、かつ整ってない場所がいいなと当時は思っていました。自分の力で会社を大きくできるビジョンを実現できる場所がいいなと思っていたので。

当時のナイルは「日本を代表するエクセレントカンパニーになる」というビジョンを掲げていたのがすごく良かったのと、(インタビュアーの前で言うのもアレだけど)代表のブログを見て感銘を受けたというのも大きかった。

当時の代表のブログは謎にLivedoorブログとAmebaブログと独自ドメインのブログと3つくらいに点在して意味がわからなかったんだけど、これだけ大言壮語を吐いてる人と一緒にやるのは面白いと思ったのが大きかったですね。

高橋:あの頃は更新が滞るたびに気分でブログサービスを変えてたからね笑 とはいえ、給与が大幅に下がるワケじゃない?それはネガティブではなかったんだ?

高階:成果を出していけば、将来的に見合った報酬がもらえるなら別に全然いいなと思ってましたね。それよりも有り余ったエネルギーをぶつけたい、ぶつけるに足る場所で働きたいというのが大きかったんでしょうね。

ホームレスから引越し屋を経て、製造業ベンチャーへ

高橋:なるほどね。ちょっと話が飛ぶんだけど、個人的に高階くんの20代前半の話が超面白いなと思っていて。25歳にして自己破産を経験してるじゃない。そこに至った経緯とかを何を思ってたかとかをちょっと教えて欲しい。

高階:私は高校を卒業した後、実はしばらくの間ホームレスとして公園で暮らしていまして笑 なんというか当たり前に大学に行くということにものすごい違和感を感じてたんですよね。なんだか社会の歯車になるみたいで嫌だった。

でも、ある時公園に遊びに来てた小さな子供と話してたら、お母さんが「あんな人と話しちゃダメよ!」と。その時に、「ああ、自分は社会の一部ですらないんだな」と思ったのが結構ショックで働くことを決めたんです。

最初は知り合いが働いていた引越し屋さんの事務所に転がり込んで一生懸命お金を貯めて、その後何職種かを転々とした後に製造業をやっているベンチャー企業に就職しました。

高橋:かなりアグレッシブな選択を繰り返してるよね笑

高階:そうですね笑 ただ、製造業の会社に入ったはいいんですが、今考えると恐ろしいほどに頭を使わない単純作業で 。ひたすら内職の方が作った部品を回収して回るということをやってました。本当に一日中ですよ。

高橋:超つまらなそうだね笑 そこからどうやって役員にまでなったの?

高階:2ヶ月くらいその内職回りの仕事をやってたんですが、営業が取引先からの受け取るクレームの数がすごい多かったんですよね。「顧客から品質管理がなってないと言われる」と。

それで品質管理と名のつく本を本屋で5冊くらい買って読んでみたらすごい面白くて。日本の品質管理は世界が誇れるすごいものなんだなと。そこで得た知識を具体的な提案に落とし込んでひたすら社長に提案して実行していったんです。

例えば、品質管理の世界には「トレーサビリティ」という概念があるんですけど、要は「どの工程で異常が発生したか遡って調査できる仕組み 」なんですよ。各工程ごとに品質チェックするフローを組み込んでいくことで大きな欠損が出ている工程が判明してそれを直して、、とやっていくうちに、うちが納品する商品の品質があがって自然と取引量が増えて、となっていったんです。

高橋:なるほど。どんなつまらない仕事に見えても、視点を変えればいくらでも面白い仕事にできるということの好例だね。

高階:その後は売上が増えていく中で、「うちでも自社工場を作ろう!」となったんですよね。そこで真っ先に手を挙げて「自分にやらせてくれ」と言いました。その時には、社長にもだいぶ信頼してもらえてたんでしょうね。結果抜擢されて岩手工場の立ち上げをやることになったんです。

会社倒産、自己破産。若くして味わった、数々の挫折

高階:工場の立ち上げは順風満帆とはいかなかったけど、1年半くらいで軌道に乗ったんですよね。あと、もっと事業を伸ばすために大学と連携してゴム部品の共同研究をしてそれがかなり面白い技術になったり。

トヨタが主催する車の製造に使う新技術の展示会があるんですけど、そこに出品した際には、トヨタの社長にプレゼンして「君たち面白いね」と言っていただけて技術部長を紹介してもらえたんです。その技術自体は商品化までは至ってないんですが、トヨタから直で案件をいただけるところまでいったんですよ。

工場を立ち上げた時は、「孫請けの孫請け」くらいの立場だったので、一気に大躍進して「これからは俺たちの時代だ」くらいに思ってましたね。そのくらいのタイミングで会社の役員にも昇格しました。

高橋:なんかいまのところ順調にしか聞こえないんだけど、そこからどうやって会社が倒産するところまでいっちゃったの?

高階:色々要因はあったんですけど、ある日社長に呼ばれて「経営難だ」と。
青天の霹靂でしたね。「こんなに成果出てるのになんで」という感じでした。理由は社長が知り合いの会社の借金の裏手形を書いてしまって、その会社の債務を負ってしまったというものでした。

製造業は元々キャッシュフローが悪いビジネスだというのも災いして、そこからはあっという間でしたね。当時私は25歳だったんですが、私も含め従業員に給与が支払われない状態が2ヶ月、3ヶ月と続いて「とにかく何とかしなきゃ」とクレジットカードを大量に作ってお金を借りられるだけ借りて従業員に払うなんてこともしました。

最終最後は、従業員に取り囲まれて「あんただけは金もらってんだろ!ふざけんな!」と言われ。
これは会社を続けていくことが周りを不幸にすると思い、社長に電話して「もう終わりにしよう」と言いましたね。

工場は取引先の会社に買い取ってもらって今も岩手にあるんですが、私自身は従業員に個人で払っていたクレカの借金に加えて設備の保証人にもなっていたので、結構大きい金額の借金を抱えることになり、個人で返すことは難しいなと考えて、自己破産を選びました。

アプリ開発会社の抱える多様な課題を解決しつつ、ナイルの有する知見で新たな商品を開発していく

高橋:いやー何度聞いても壮絶な話だよね。25歳でそれだけの経験を積めたというのはある意味で貴重だけど、大変だったね。その後、紆余曲折ありつつもナイルにジョインしてくれたわけだけど、高階くんがナイルで成し遂げたいことは何なのかな。

高階:ナイルを誰からも尊敬されるような企業に育て上げたいというのは前提としつつ、今は事業部長としてスマートフォンメディア事業をもっと素晴らしい事業にしていきたいですね。

昨年までのスマートフォンメディア事業部では、Applivというメディア成長を重視してきましたが、2017年からはメディア成長のみならず、多数のユーザー資産やメディア資産を活用して事業者課題を解決するということをやろうと取り組んでいます。あとは、全社横断でナイルの持つ様々な資産・ノウハウを活用した商品を作ることに力を入れていきたいですね。

ナイルはWebにおいてもアプリにおいてもマーケティング知見を幅広く有している稀有な会社だと思うのですが、2つの事業部はこれまで独自に事業を展開していました。

双方のノウハウを横断して商品開発することで、新たな顧客層に受け入れられる面白いサービスを作っていくことが十二分に可能だと思っています。

おわりに

高橋:色々と語りづらいことまで語ってくれてありがとう。こういう挫折体験を赤裸々に書くことは成功体験を書くよりもはるかに大事だと思うし、読者の参考になればいいよね。

ところで、一時期は週7で行っていたというボクシングは今でもやってるの?

高階:今は大分頻度を落としましたけど、それでも週2では行ってますよ。得意のフィニッシュブローは左フックです。

高橋:前回の大谷氏の時は、記事を読んでから入社してくれた人に「大谷特製の娼婦風パスタを食べられる権」をつけたんだけど、高階くんにはせっかくだから「高階くんにボクシングを習える権」を発行して欲しいんだよね。得意の左フックを教えてください。

高階:まじすか笑 まあ別にいいっすけど笑

高橋:決まりだね。ということで、今回は数々の挫折を経つつも新たな挑戦を続ける当社取締役の高階氏をインタビューしました。この記事を読んで入社した方には、もれなく高階がボクシングをマンツーで教えます。「高階さんに殴られたい」という方がもしいれば、ジムでスパーリングにも付き合ってくれるかもしれないのでお願いしてみてください。

次回もナイルの濃いメンツにインタビューしますので、また読んでくださいね。それでは!

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