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リモートワークは悪なのか

 まず、リモートワークとは何か?リモートワークは、会社に出勤し自身の机の前で仕事をするのではなく、会社以外の遠隔地で働く事である。

 遠隔地とは様々で、自宅であったり、旅行先であったり、カフェであったりと、とにかく働く場所を会社以外にも選択できるということだ。

 ※ここでは、リモートワークできる職種であることを前提としてます。

 労働者側のメリットとすれば、かならず上がるのが「通勤時間の撤廃」だ。私も遠方から通っているので、そのメリットは絶大であると考えている。昨今ではワーケーションと言われ、ワークとバケーションを掛け合わせたこの言葉が示すとおり、旅先で仕事をする、という考え方だ。海外ではブリージャーという考え方もあり(ビジネスとレジャーを掛け合わせたもの)、出張先で仕事を終えたあと、直後の休暇を認めるというものです。そもそもワーケーションやリモートワーク等は、海外では昔からあり、コロナ禍だから始まったものでもありません。

 リモートワークはただ単に家で仕事をする、というだけではなく、会社に行くために早起きすることもなく、1日の時間が3-4時間は増えた感覚になった方もいると聞く。極端な話をしてしまえば、9:00始業なら、8:50に起きれば最低限間に合うのだ。場所にとらわれず、モチベーションを最大振るえる環境を用意するのも企業姿勢である。

 これは経営者側のメリットもある。一つは通勤費の削減。会社に来ないのだから払う必要はない。もちろん、1日でも出れば、出勤した分の交通費は払う必要はあるが、例えば週4リモート1日だけ出社の場合と、全面出社の通勤費の差は一目瞭然である。また、一同に大勢集まる事がなくなるので、オフィスの縮小とともにテナント料金も下げられる。

 ではデメリットは何か?社員側としては、コミュニケーション手法の限定化、ルールの作成、自宅で家事をしてくれている人がいればその方の負担増(昼食が主かな)、自宅を利用できない場合のコワーキングスペースの利用(大きなデメリットにはならないかな)、PCを貸与する場合の設定等。と上げたが、導入していない企業のトップの言い分は、ほぼ「サボるから」だそうだ。

 最大のメリットを挙げるならば、コロナの感染を防ぐ、ということに尽きる。

 とある面接でほんとうに聞かれた言葉

私:最後に質問をお受けいたします。何かございますでしょうか?

求:社内で熱が出た社員がいた場合はどうしてますか??

私:・・・

 社内で何も決まってなかったのである。ガイドラインも何もかも。少なくとも私は聞いていなかった。いや、確認すべきだった。

 久しぶりに嫌な汗を掻いた瞬間だった。

 その方は新婚の方で、コロナを持ち帰る危険性を考えて、リモートワークを導入している会社がよいと言われていた。知らない間に家族を危険に合わせる事になるかも、というリスクを負って会社に通勤することは、もはやテロ行為に近いのかもしれない。


 通勤した結果、コロナをもらい、自分は無症状だったが家族が感染し苦しんでいる、

 となった時、会社はそれでも「リモート反対!」と言うのだろうか。


2023年9月 追記

コロナ禍の収束(実際はどうかはともかく世間的に)を迎え、出社頻度を上げる企業が増えてきた。

経営者が声を揃えて言うのが、

・対面のコミュニケーションが大事

・海外の有名IT企業が出社に方向転換したから

というのが主な理由。

対面のコミュニケーションは大事、というより普段のコミュニケーションが大事なのであり、対面かどうかは重要ではない。むしろ、対面でしか密なコミュニケーションが取れない方が、コミュニケーション下手と言わざるを得ない。「みんなコミュ障だから、出社したほうがいい」と嘯く人もいるが、そもそもコミュ障なら対面でコミュニケーション能力が抜群に発揮できるわけなかろう。

あと、海外の有名IT企業が出社にしだしたから、というのも理屈がおかしい。考え方が欧米主義だし、そもそも条件付きのフル出社で、確か距離によって定められていたはず。結局オフィスを解約できず、昔ながらの習慣を根底から変えられなかった経営陣の、単なる言い訳であるとしか思えない。

フル出社になってもチャットは使い続け、クラウドを用いたサービスは利用しつづける。

出社しているからといって、オフィス内で雑談する人が溢れかえっているかといえば、シーンと静まり返っているオフィスを見ていると、よくわからない。

やっぱり「サボっているだろう?」な考えが払拭できないんだろうな。

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