一つ目のストーリー
Excuse me?...
私はオーストラリアメルボルンの入り口サザンクロス駅に立っていた。
空港からバスに乗り、駅までついたはいいがそこから先どうすればいいかわからない。
初めての海外移住、知り合いなどその土地には誰一人といない。
”とにかくこれから滞在する家まで行こう。”
電車に乗るためのカードを買おうと自動機械へと向かう
しかし機械の使い方がわからずウロウロ。あれだけ練習した英語も何も出てこない。
そんな時、大きなスーツケースを持った”theメルボルン新人”の私に気がつき声をかけてくれたアジア人。
彼らがカードの買い方を教えてくれ、私は無事にサザンクロス駅を後にした。
滞在先の家に着くとオーナーが出迎えてくれ部屋へと案内された。一通りのルールを聞き終ると急に疲れが押し寄せベットへ倒れ込む。
天井を見つめると孤独がふわりと押し寄せたが、その感情に浸っている時間はなかった。
”携帯契約しないと”
ジャケットを羽織り、家の横にあったセブンへ行きSIMカードを選ぶ。どれを買えばいいのか分からない私は店員に聞いて勧められたものを購入した。
頭にターバンを巻いたお兄さんは優しく、分からなかったら設定もできるから持っておいで、と。
とりあえずは自分でやってみようと、Thank youと言ってその日はセブンを後にした。
翌日、意気揚々と携帯にSIMカードを挿入し設定を始める。
だがしかし機械音痴な私、全然わからない。
そもそもSIMカードというものがよく分からず途方に暮れる。ましてや英語。
携帯が使えないと仕事探しもできない。どうしようと焦りがじわりじわりと押し寄せる。
”頼れる人がここには誰もいない” なんだか真っ暗な部屋に来てしまった気分になった。
その時、ふと何かを思い出しマフラーを片手に階段を降りた。
Excuse me?...
昨日きたセブンのレジに私は立っていた。
初めての海外生活、誰も知り合いのいない中
家の隣のセブンで働く店員に助けを求めた。
あれからすぐに私も引越しをしてその土地を離れてしまったから今あのターバンのお兄さんがどこで何をしているのかも分からないのだけれど。
これが私のメルボルン生活の一つ目のストーリー。