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何故、食べても栄養失調が改善しないのか?

Photo by Dan Gold on Unsplash

 長期間に渡り偏食や絶食を続けていくと、様々な身体的不調が現れます。そして本人がその事に気付いて食生活を見直しても、なかなか体調が改善しません。これは一体なぜなのでしょうか?

 まず、低栄養状態になると、人間は「ケトン体回路」と言う代謝方式に変わるそうです。これは、糖質からではなく、自らの筋肉を分解してエネルギーにする代謝方法となります。このやり方で代謝を行う際に必要となるのが、「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールです。低栄養になると人間はこのコルチゾールを大量に分泌し、ケトン体回路を回そうとします。コルチゾールが優先的に増えてケトン体回路が回っているとき、今度は、コルチゾール以外のホルモンが相対的に減る事になるのです。そして、他のホルモンが減ると睡眠不足などさらなるストレスの原因となり、ますますコルチゾールの分泌を刺激するという悪循環が出来上がってしまいます。

 このときに「標準」的な食生活に変更しても、コルチゾール分泌に必要なアミノ酸やビタミンが足りないため、ケトン体回路の回転を止めるには不十分なのです。まず、他のホルモンの材料を補充し、コルチゾール分泌の悪循環を止めなくてはなりません。そして、ケトン体回路を止める為に定期的な糖質摂取が必要です。血中の高濃度のコルチゾールのために血糖値のコントロールが出来なくなっていますから、朝昼晩の三食ではなく、小まめに補給することが大切となります。

 昨今、糖質制限ダイエットという言葉が流行っていますが、糖質制限は一歩間違えるととても辛い状況になるため、自分のコルチゾールの量や補給するアミノ酸、腎臓の状態等をよく考えてから始める事をお勧めします。自分のコルチゾールの量を知りたい方は検査キットなどで一度調べてみると良いかもしれません。また、潰瘍性大腸炎の場合、出血によってさらに栄養素が消費されるので、猶更栄養素の摂取に気を付けなければなりません。

 このような事は病院では一切教えてくれないので、安易に内科や精神科を受診するのは避けましょう。