本の感想#2「コロンビア大学式良い頼み方、悪い頼み方」
今回は「人に頼む技術」という本について書いてこうと思います。著者は、「やってのける」や「誰もわかってくれない」などで有名なハイディ・グラント・ハルバーソンさんで、モチベーションや目標達成のエキスパートらしい。この本では「人に頼みごとをするのはどういう風にしたらいいの?」という疑問に答えてくれているGoodな本です。
そもそも人は頼みごとをしたがらない
「ちょっと手伝って欲しいけど、頼みずらいなぁ...」という経験があるのは私だけではないはず。小さなこでもためらってしまって、結局我慢することになってしまうこのパターンは特別なことではないそうで、この本の序盤でミルグラム実験で有名なスタンレー・ミルグラムが行なった「地下鉄の乗客に席を譲って欲しいと頼むことの心理的作用」を調べた実験では、
実験の結果、学生の頼みに応じて座席を譲ってくれた乗客が68%もいることがわかりました。しかしその一方で、被験者の学生にとって、これはそれまでの人生で最悪だと思えるほどのトラウマ的な体験になりました。
少し大げさ気味に感じるかもですが、ミルグラム自身も譲ってもらおうと試みたところ強烈な不快感を味わったそうです。こんなにもダメージがでかいとそりゃあ頼みごともしずらいわけですな。そして筆者いわく、
ほんの些細な頼みごとをするのを想像するだけで、人はひどく不快な気持ちになるのです。
確かに共感できます。満員電車で降りる時とか「すいませーん」が背一杯です。
悪い頼み方
本書では「こういう頼み方したら失敗しますよ」ということもいくつか書かれておりまして、その中でも自分が刺さったものをチョイスしました。
・やたらと謝る 例「申し訳ないけど手伝ってもらっていい?忙しい中ごめん」
・その頼み事は些細なものだとアピールする 例「この書類やってくれない?五分程度で済むからさ」
・借りがあることを思い出させる 例「こないだ〇〇やってあげたよね?」
実際に自分がやってしまいがちなパターンばかりで、テンションが下がりながら書いています泣
特に「些細なことアピール」は仕事上でやってしまいがちで、つい相手に「めんどくさい事じゃないよー」というニュアンスで気遣いのつもりで言ってしまってました。本当に相手にとって簡単なものだったらマシですが、相手にとっては困難な場合だと悪い印象を与えてしまうらしい。どうしても頼む側はそれにかかる労力を低く見積もりがちというのが原因とのこと。
このどれもが共通しているのは「頼む側がそのつもりがなくても、相手のやる気を削いでいる」ということ。あー耳が痛い。
良い頼み方
これらを踏まえていい頼み方のポイントは何なのかを見ていくと、
①”自分にとって重要な集団の中に、困っている人がいる”という考え方
②誰かを助けることで、助ける側がポジティブな感覚を得ること
③助ける側が「有効性」を把握できるようにすること
の3つが重要とのことで、詳しく書くと、
①古くから人間は集団で生活する生き物なので、仲間意識が強い。ゆえに集団で困っている人がいると助ける性質を持っている。この性質を生かして自分の中で「同じチームに所属している」「同じ目標に向かって協力している」という風に一体的であることを意識することで、相手への思いやりが生まれ、結果的に正しい頼みごとができるようになります。
②「自分は困っている人を助けることができる」と感じさせる頼み方です。つまり相手の「自尊心」を刺激して、相手に満足感を与えようってことです。例えば、頼む相手が動物が好きな場合「動物が好きなあなたにお願いしたいんだけど、ペットの面倒見てもらえる?」いった感じで、相手のアイデンテティをプラスして頼みごとに盛り込むってことですね。
③結論「どれだけ助けた効果があったかという手応え」です。助ける側は、自分が行なった行為が与える影響が大きいほど満足度が高いのです。なので、事前に助けた結果どうなるかを伝えることが大切ってことですね。
まとめ
頼む時には
①謝らない
②些細なことだと伝えない
③借りがあることを思い出させない
④集団の一員だという自己認識を高める
⑤相手の得意なことや、好きなことなどを絡める
⑥どれだけ効果があるかを事前に伝える
といったことをやっていければいいんじゃないでしょうか。
感想
結構実践的な内容で、今すぐにでもつかえるなーというものが多かったんで個人的には読んでよかったなと。紹介した内容よりも本ではより詳しく書いているので、立ち読み又は実際に購入されてみてはいかがでしょうか。私は現在プログラミングを勉強中で、就業中ではないですが転職した際に使ってみようと思いました。
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