「Physical Layer」開発記録―学生チームによるインディーゲーム開発―
はじめに
"Physical Layer" は、ガンアクションにアビリティ要素を組み合わせた、ステージクリア型シューティングゲームです。
私たちRaStar Studioは、このタイトルを個人開発からスタートし、パブリッシャーPhoenixx様との提協業を通じて商業化へとつなげました。
本記事では、この開発プロジェクトを振り返ります。特に、短期間での効率的な開発、パブリッシャーとの連携、ユーザーからのフィードバックをどのように活かしたのかについて解説していきます。
開発のスタート
何から始まったのか
本作の原点は、Unity1週間ゲームジャム用に開発したミニゲーム「Physical Layer (Unity1week版)」でした。コンセプトが好評だったことから、本格的なタイトルとしての開発を決意しました。
パブリッシャーとの協業
商業化に向けて、2022年9月に株式会社Phoenixx様へ企画を提案。この段階では、ゲームの核となるシステムを確立させ、明確なビジョンを持つことを意識しました。提案したデモはシンプルながらも、コアとなる要素をしっかり伝える内容でした。
チーム構成
RaStar Studioのコアメンバーは2名。自分はディレクター/エンジニアを、もう一人の方はプロデューサー/デザイナーを担当し、小規模ながらも役割を明確に分担し、スムーズな開発を進めました。また、サウンド担当の方2名に参加いただき、QA、ローカライズなどはPhoenixx様と協力し、質の高いゲーム作りを実現しました。
ゲームの特徴
- 反転アクションとガンシューティングの融合:敵の攻撃を逆転させる独自のメカニクスが特徴。
- 「かわいいキャラクター」と「戦略性」のバランス:アクションとパズル要素を両立。
- ローカライズとSteamworksの活用:グローバル展開(日本語、英語、中国語)と実績機能。
成功のポイント
1. 開発スピードの最大化
少人数チームながら、効率的な開発プロセスを構築しました。初期段階では「まず動くものを作る」ことを重視し、そこからブラッシュアップを繰り返しました。
2. パブリッシャーとの連携
株式会社Phoenixx様のサポートにより、プロモーション、ローカライズ、CV収録がスムーズに進行しました。特に、プロの声優によるキャラクターボイスはユーザーの評価も高く、ゲームの没入感を大きく向上させました。
3. ユーザーのフィードバックを迅速に反映
リリース後のユーザーレビューや実績による統計データを分析し、ゲームバランスや操作性の改善に取り組みました。その結果、Steamのレビュー評価は92%の好評を獲得しました。
ユーザー評価と販売実績
- Steamレビュー69件、92%好評:特にアクションの爽快感が高評価。
- 販売実績:NDAにより詳細は非公開ですが、一定の成功を収めました。
- 市場での位置付け:同価格帯の類似タイトルと比較しても高い評価を受けています。
おわりに
「Physical Layer」の開発は、私たちにとって大きな挑戦であり、貴重な経験となりました。限られたリソースの中で、どのようにして最大限の成果を出すかということを学び、実践することができました。
今後も、より多くのプレイヤーに楽しんでもらえるゲームを届けるために、挑戦を続けていきます。