オーストラリア人は裸足が好き(角田篤志)
オーストラリア人は裸足が好きです。
公園や郊外の散歩、庭仕事、車の運転、さらにはスーパーマーケットでの買い物まで、靴もサンダルも履かない人が多くいます。
都心の込み合う通勤列車の中にも裸足はいます。
ヨガリトリートで訪れた南太平洋の島国キリバスでも、何も履かない人がほとんどでしたが、「貧しいから」と理解していました。
先進国では珍しいものです。
なぜ履かないのか、10人ほどに聞いてみました。
なぜそんな当たり前のことを聞くの、とけげんな顔をされた後、返事は「気持ちがいいから」「小さいときからの習慣」。
日本流の「健康に良い」との答えを予期していたが皆無でした。
逆に医師は「捨てられた注射針を踏んでエイズや肝炎にかかる危険がある」などと心配します。
識者によると、裸足が目につくようになったのは1950、60年代から。
ビーチカルチャーがはやったころです。
自然がいっぱいのこの国では、シドニーやメルボルンといった人口300万人を超える大都会でも、自宅から数十分で砂浜に出られます。
砂浜で裸足になると確かに開放感があります。
素肌を見せない英国の習慣を脱ぎ捨てた気持ちがよく分かります。
最近盛んな、「国家元首を英女王から自前の大統領に代えよう」との共和制賛成論と、どこかでつながるのかもしれません。
夏の気温は40度を超えます。
コンクリートの道路はフライパンのように熱いです。
当然ながら足の裏は鍛えられて、厚く、硬くなります。
日本からの団体旅行の添乗員が注意を与えていました。
「オーストラリア人のまねをして裸足にならないでください」
角田篤志(ヨガインストラクター)