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なぜ美術なのか?(2)

なぜ美術史を学ぼうとしたかは前回少し触れましたが、なぜルドンなのかというお話をしようと思います。

そもそも、ルドンなんて画家あんま知らないですよね。

ちなみにルドンと同じ年に生まれた作家で有名なのがモネです。みなさん睡蓮、みたことありますよね?

時代でいえば、印象派が流行していた時代です。19世紀末のヨーロッパです。

私はと出会う前までは、カラヴァッジョという画家の研究をしようとしていました。とりわけ《聖トマスの不信》がお気に入りでした。


この作品は、磔刑に処された後のイエスが復活し、弟子たちのところへひょっこり現れたシーンを描いています。弟子たちがドン引きして、信じないのでイエスが自分の傷口にトマスの指を突っ込んでいます。その行為すらドン引きですね。弟子たちも「うわあ指入れてる・・・」って顔してますよね。

カラヴァッジョは劇的な絵画表現で知られています。背景などは書かず、頭上にある光源からライトアップされたようになっていますね。このような光と陰のバランスを際立たせることによって作品の劇性を高めています。

例えばレオナルド・ダ・ヴィンチの作品などと比べてみるとわかりますが、モナリザなどはなんとなくぼんやりしてますよね。

この劇的な絵画表現はオランダまで到達し、かのレンブラントに引き継がれてゆきます。

ただ、なんとなくしっくりきませんでした。カラヴァッジョや盛期ルネッサンス時代は研究し尽くされており、どうせ調べても陳腐な成果しか期待できないだろうと落ち込んでいました。

20歳くらいの時だったと思いますが、自分が一体何を研究すればいいのか本気で悩んでいました。

その時に強烈な夢を見ました。目玉の夢でした。しかもかなり絵画的でした。モナリザのような女性が一つ目の子供を三人抱えている絵だったと思います。

その目玉のイメージがあまりにも強烈で、早速ググりました。

「夢 絵画 目玉」、「夢 絵画」など。すると、こんな絵がたくさんヒットしました。



《目=気球》


《キュクロプス》

まさにこれだ!と思い、ルドンを研究対象にすることにしました。

しかもルドンは夢の世界を描いた画家だということを知り、どこか無意識で繋がったような気がしました。

ちなみに、水木しげるはルドンが好きで、目玉のおやじやバックベアードはルドンから着想を得たそうです。

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