デザイナーと画家
IT業界では有名な本、ハッカーと画家の”ハッカーと画家”の章を読んだ。もともとポールグレアムがブログとして書いていた文章を集めたエッセイ集のような本だそうだ。
日本語訳の”ハッカーと画家”の章は以下から読める。ぜひデザイナー、とわず、読んで欲しいと思った。
http://practical-scheme.net/trans/hp-j.html
デザインするとは何なのか
”ハッカーと画家”にもある「多くのもの創りは同じ」だとすると、綺麗なものを作るのが「デザインする」とは思わない。
実現すべきことに対して、人に届く部分を”創る”ことこそがデザインだと思う。綺麗なグラフィックは1つの手段に過ぎない。
誰かに言われたことを実現するためだけにデザインがあるのではない。
本質的には、あるべき未来に対して人にコミュニケートして、行動を変えて行くすべてのことだと考える。価値を創っていくんだ。
デザインをどうやったら学べるのか
ハッカーと画家によると、「自分でデザインすること」で最も学びを得られると思う。
デザインをしていくと、当初設定した目的の間違いが見えたり、方向性が他にも見えたり、”創る”うえで考えるべき示唆が深まる。
その中でいかに価値を創るためのアウトプットをしていくか。これがデザインだと思う。
この点に関してはグラフィックを創るのも、コードを書くのも、文字を打つのも、違いはない。みんなデザインしている。
よりデザインしていくには
”ハッカーと画家”には、週末自分でコードを書いたり、ベンチャー企業など新しい概念を創る環境に移せという。
1人でも多くの人がデザインしていくにはその環境が必要になる。頭のいい人は、定番のある環境でもゼロから考え提案し、アウトプットまでこぎつけられるが、その経験が多くの人にとっては必要だと思う。デザインする人をもっと増やすには、必要だと思う。
そのためには働くスタイルがもっと柔軟な文化になれば良いし、思いっきり環境を変える人が増えれば良いと思う。
きっとそこに、今よりも自分が生を感じられる何かがあるとも、思うから。
その意味では「デザインとアートの違い」なんてスマートに語る必要はない。デザイナーもアーティストのように世の中に価値を届けていく力が必要だと思うから。それが”もの創り”だと思うから。